産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.05.31

バリ取りロボットとは?導入するメリットと注意点も紹介

バリ取り作業をロボットに任せることもできます。具体的にはどのような作業をロボットが行うのか、また、導入するメリットや注意点について解説します。

この記事の結論

・バリ取りを自動的に作業するロボットを「バリ取りロボット」と呼ぶ
・バリ取りロボットを導入することで後継者問題の解決などの多大なメリットを得られる
・導入する際には費用や解雇、工場の改築についても検討する

バリ取りロボットとは

バリ取りロボットとは、バリ取り作業をするロボットのことです。ただし、バリ取り作業用のロボットを導入しても、すぐにバリ取りに使えるわけではありません。

バリ取りの方法は加工する物品の素材や大きさ、厚さなどによって異なるため、工場で扱う商品に合わせてプログラミングすることが必要になります。

【関連記事】バリ取りとは?バリの種類や手順・産業用ロボット活用のメリットも解説

バリ取りロボットを導入するメリット

バリ取り作業をロボットに任せることで、幅広いメリットを得ることができます。主な9つのメリットを紹介します。

  • 短時間でバリ取り作業ができる
  • 健康被害を防げる
  • 作業員不足を解消できる
  • 後継者問題を解消できる
  • 人件費を削減できる
  • 人材を有効活用できる
  • 生産性を向上できる
  • 価格競争において優位に立てる
  • 社会的信用度が向上する

1.短時間でバリ取り作業ができる

本来バリ取りには製品の形状に合わせて複数の工具が必要です。工具交換は1回1回は少しの時間ですが、何度も行うとトータルではかなりの時間がかかることになり、作業効率を低下させる理由のひとつでもあります。

しかし、ロボットを導入することで、工具を交換する手間をかけずにワンストップで作業を実施できるようになります。また、ロボットは作業が速いので、短時間でバリ取り作業が終わるというメリットもあります。

2.健康被害を防げる

バリ取りは音もうるさく、金属粉が飛ぶなど、作業環境が良いとはいえない工程です。場合によっては聴力が低下したり肺に有害物質を吸い込んでしまったりと、健康被害を被ることもあるでしょう。

しかし、バリ取り作業をロボットが実施することで、人体への悪影響を防ぐことができます。作業員の健康を守るためにも、バリ取りロボットの導入を検討できるでしょう。

3.作業員不足を解消できる

バリ取り作業は健康に良いとは言えないため、決して人気の職種ではありません。そのため、作業員が常時不足している事業所も多いです。

バリ取りロボットを導入するならば、慢性的な作業員不足を解消することができます。また、ロボットなら離職することもないので、作業員不足を半永久的に解消できるのも魅力です。

4.後継者問題を解消できる

バリ取りは熟練の技術が必要な作業です。そのため、一人前にバリ取りができるようになるまでには長い期間がかかります。しかも、人気の業種ではないため、後継者不足に悩んでいる事業所も少なくありません。

ロボットならプログラミングするだけで熟練工と同等のスキルでバリ取りを行うことができます。また、メンテナンスを行うことで長期にわたって作業を行わせることができるため、後継者問題の解消にも役立つでしょう。

5.人件費を削減できる

時間と手間がかかるバリ取りをロボットに任せることで、必要な作業員数を減らすことができます。人件費を削減することができるので、長い目で見れば莫大な資金を節約することにもつながります。

しかも、バリ取りロボットならば、超過勤務をした場合でも時間外手当は不要です。

6.人材を有効活用できる

バリ取りの技術はあるものの、単調な作業を辛く感じている作業員も多いでしょう。

バリ取りをロボットに任せて、人間はよりクリエイティブな仕事を担当することができます。優秀な人材を有効活用するためにも、バリ取りロボットの導入が必要といえるでしょう。

7.生産性を向上できる

バリ取りは時間がかかる作業のため、生産量を減らしてしまう要因にもなり得ます。

しかし、バリ取りをロボットに任せるならば、短時間で作業ができるため、生産効率を向上し、生産量も増やすことができます。生産量が増えると利益増も見込めるでしょう。

8.価格競争において優位に立てる

人件費の削減と生産性の向上により、製品の単価を引き下げることができます。つまり、価格競争において優位に立てるため、熾烈な競争社会での生き残りへの道が開けるでしょう。

9.社会的信用度が向上する

バリ取りロボットは人間が作業をするよりもミスが少ないので、欠陥品が減り、社会的信用度が向上します。

また、以前は人材不足などの理由により受けられなかったような大量注文や短納期も引き受けられるようになり、会社としての信用度が上がり、取引先も増えることも期待できます。

バリ取りロボットを導入する際の注意点

バリ取りロボットはメリットが多いものの、注意点も多いです。導入する前に注意したい3つの点を紹介します。

  • 導入費用が高額になる
  • 大規模なリストラが必要になることがある
  • 工場の改築が必要になる可能性もある

1.導入費用が高額になる

既存のロボットをプログラミングするだけで使用できることもありますが、作業内容によってはオリジナルのロボットを製作することになります。

既製品のロボットでも高額ですが、オーダーメイドならさらに高額な費用がかかることになるでしょう。国や自治体の補助金(ものづくり補助金など)を利用し、導入費用を抑える工夫をしましょう。

2.大規模なリストラが必要になることがある

バリ取りロボットを導入することで必要な作業員の数が減るため、現在のスタッフすべてを雇用し続けることができなくなることがあります。

代わりの仕事を提案できない場合は、大幅なリストラが必要になることがあるでしょう。

3.工場の改築が必要になる可能性もある

ロボットの形状や台数によっては、工場の改築が必要になる可能性があります。ロボット導入費用に加えて改築費用がかかるため、多額の出費になるでしょう。

現在使用されているバリ取りロボットを紹介

現在、様々な工場で導入されているバリ取りロボットをいくつか紹介します。

ファナック 6軸多関節ロボット(鍛造品バリ取り機)

ファナック社の6軸多関節ロボットをバリ取りロボットとして導入している工場も少なくありません。奥行2.0m弱、幅2.7m強の大型の床置き型で、導入する際には比較的広いスペースが必要になります。独自の面取りカッターを使ってバリ取りを行います。

ファナック 6軸多関節ロボット

引用元:https://www.kreuz.jp/product/cate01/cate0102/cate010203/

【関連記事】ファナックのロボット|種類と価格は?導入事例も解説

クロイツ オリジナル5軸ロボット【RBR-D5W】

クロイツ社の5軸多関節ロボットも汎用性のある産業用ロボットで、バリ取り作業用のロボットとしても活用することができます。奥行は3m以上と長いですが、幅が1.3mと小型のため、作業用のスペースを取りやすいというメリットがあります。加工位置に近づくほど構造が軽量化されるため、高速作業が可能だというメリットがあります。

クロイツ オリジナル5軸ロボット【RBR-D5W】

引用元:https://www.kreuz.jp/product/cate01/

安川電機 6軸垂直多関節ロボット【MOTOMAN-DX1350D】

安川電機の5軸垂直多関節ロボット【MOTOMAN-DX1350D】は、全ての軸に高出力モータと高剛性減速機を採用しているため、負荷はかかりますが高精度で安定したバリ取り作業が可能です。また、外側にモータやケーブルが露出しない特殊な構造のため、水滴や粉塵の多い環境でも作業を進めていくことができます。

安川電機 6軸垂直多関節ロボット【MOTOMAN-DX1350D】

引用元:https://www.e-mechatronics.com/product/robot/deburring/lineup/dx1350d/spec.html

【関連記事】安川電機のロボット「MOTOMAN」シリーズ|種類や価格と導入事例

まとめ

バリ取りロボットを導入することで作業効率の向上を期待できるだけでなく、人件費削減や作業員不足の解消などのメリットもあります。しかし導入費用が高いなどのデメリットにも注意しなくてはいけません。

国や自治体の補助金制度を活用し、費用を抑えてロボット導入を目指しましょう。

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