産業用ロボットSIer 300社掲載

2023.04.05

三菱電機の強みとは|産業用ロボットのラインナップ解説

FA業界でPLCを中心として圧倒的な存在感がある三菱電機は、産業用ロボットも製造販売しています。パンデミックや人口減少で自動化がさらに加速する近い将来、より存在感が増すと予想される三菱電機の産業用ロボットについて解説します。産業用ロボットを比較検討されている方はぜひご覧ください。

三菱電機とは

出典元:三菱電機

産業用ロボットのメーカーである三菱電機株式会社は、家電から重電、防衛関連まで幅広い事業を展開している大手電機メーカーです。特筆すべきは2022年の国際特許件数で世界4位となったことです。もちろん日本企業では1位です。次章から三菱電機の概要をご紹介します。

業績

FA事業を含む三菱電機の産業メカトロニクス部門の、2022年3月期における売上高は、会社全体の売上の28%を占める14,603億円でした。同部門の営業利益は968億円で、三菱電機の稼ぎ頭です。このような利益率の高い事業に集中し、不採算事業からはいち早く撤退する経営方針が良い業績につながっています。

シェア

三菱電機のPLCは国内で58%、世界でも18%のシェアを誇っています。一方で産業用ロボットに関しては、シェアはわずかです。よりシェアの高い産業用ロボットメーカーについては、下記ロボカルの記事も参考にしてください。

▲あわせて読みたい「産業用ロボットの選び方」

歴史

三菱電機は、1921年に三菱重工の前身である三菱造船から分社独立しました。製作していたのは変圧器、電動機、扇風機でした。設立して数年後には、発電機タービン、電気機関車など、大きい商品を扱うようになりました。その後は順調に業績を伸ばして行き、富士山レーダーや新幹線、衛星など基幹プロジェクトを担う大企業に成長します。2021年に創業100周年を迎えました。

三菱電機の強みとは

出典元(三菱電機:事業概要

三菱電機がFA業界で存在感を発揮する理由を次章でご説明します。

FA総合力

三菱電機は高いシェアのPLCと、センサ、アクチュエータ、産業用ロボットまで取り扱う総合力が、強みのひとつとなっています。PLCのことを「シーケンサ」と呼ぶことがありますが、実は三菱のPLCの商品名です。三菱電機はPLCはFA機器の司令塔として、センサやアクチュエータ、ロボットと接続します。PLCと同じメーカーのセンサやロボットは、当然ながら同じメーカーのPLCとの親和性が高いです。同じくPLCもセンサも扱っている会社として、オムロンやキーエンスがありますが、PLCのシェアは三菱電機ほど高くありません。

IoT技術

三菱電機は、早い段階でIoT関連商品を製品化しました。2003年に提案が開始された「e-F@ctory」は、各種センサ情報の見える化と蓄積された情報から開発・生産・保守など全般にわたるトータルコストを削減し、改善活動の支援を行うソリューションです。

参考文献:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/solutions/efactory/index.html

AI技術

三菱電機の産業用ロボットには、「MELFA Smart Plus」というセンサ情報を集約・解析し、最適な動作を自動選択するAI技術が搭載されています。これにより、よりスムーズな生産プロセスを実現することができます。

また2016年に、コンパクトなAI技術「マイサート(Maisart)」の販売を開始しました。接触予想・検知を得意とする米国のスタートアップ企業Realtime Roboticsに出資するなど、AIへの投資も積極的です。

参考文献(NEXT MOBILITY編集部:三菱電機、米・産業用ロボット技術開発企業に出資

三菱電機の産業用ロボットのラインナップ

三菱電機は、小型機種を中心に産業用ロボットをラインナップしています。比較的小さいワークを精密に取り扱うことができるため、自動車や電気電子部品の組立、食品・医薬品・衛生用品の搬送などに利用されています。

垂直多関節型

出典元(三菱電機:RV-FRシリーズ・RV-CRシリーズ

垂直多関節型のラインナップは小型から中型機種が中心です。特にAI機能拡張オプション「MELFA Smart Plus」に対応したRV-FRシリーズは、予防安全やセンシング設定、キャリブレーションなど高い技術が盛り込まれています。

関連リンク:垂直多関節ロボットとは?特徴や使用用途、活用事例を紹介

水平多関節型

出典元(三菱電機:水平多関節形の特長

水平多関節型も小型で高精度のモデルが中心です。垂直多関節型と同様に「MELFA Smart Plus」に対応した機種として、RH-FRシリーズがあります。専用設計されたモータと高剛性アームによって、高トルクながら高速での動作が可能です。

関連リンク:水平多関節ロボットの導入と活用方法!導入事例とおすすめSler3選!

協働ロボット

出典元(三菱電機:協働ロボット ASSISTA

三菱電機は後発ながら、安全柵を設定せず人間の作業員とともに働く協働ロボットもリリースしました。アーム上のボタンを操作してのダイレクトティーチング機能が搭載されています。この機能により、ロボットの知識がない人でも直感的にティーチングプログラムを作成できるのが特徴です。

その他、物流業界のパレタイズに特化したモデルも用意されています。こちらも小型・軽量なアームによる高速・高精度動作が特徴です。コロナ巣篭もり需要などで増加したEC物流倉庫でも採用されています。

関連リンク:協働ロボットのメーカー14社を特徴と合わせて紹介!

オプション機能・センサ類

三菱電機の産業用ロボットは、下記のようなオプションやセンサを組み合わせることで、高度な運用が可能となっています。

協調制御オプション:複数ロボットで、大きなワークを搬送

干渉回避オプション:複数ロボット間の接触を回避

トラッキングオプション:コンベア上のワークの動きにロボットが追従する

力覚センサ:ロボット先端の押しつけ力をコントローラにフィードバックして、従来のロボットでは難しいような組立作業などを実現します。

3Dビジョンセンサ:他社製ながらワークの位置や重なりを検知してのピッキング動作を可能とします。

三菱電機のロボットを検討するなら

出典元(三菱電機:東日本FAソリューションセンター

ショールーム見学

実際に三菱電機の産業用ロボットを見るなら、東京の秋葉原にある東日本FAソリューションセンターがおすすめです。Web予約すればどなたでも見学可能となっていますが、感染症対策などで変更される場合がございます。

三菱電機の主要なFA機器を製造している名古屋工場にも、FAコミュニケーションセンター(FCC)という見学施設があります。

外部リンク:名古屋工場FAコミュニケーションセンター

名古屋工場はWeb上でオンライン工場見学も行っています。

価格帯

三菱電機の産業用ロボットの価格例を具体的にご紹介します。垂直多関節型のRV-7FLは、オプション別で定価300万円からです。ただし先ごろ三菱電機は、2023年2月1日受注分からFA機器を10〜20%値上げする、との発表がありました。詳細な価格については次章の代理店などにご確認ください。

主な代理店

三菱電機のホームページにも記載されている、主要な代理店をご紹介します。

株式会社カナデン

カナデンは、神奈川電気合資会社として100年以上前に創業した老舗の代理店です。現在は売上高1000億円を超える三菱系では大手の企業となりました。

https://www.kanaden.co.jp/

株式会社たけびし

たけびしは、1926年京都で創業した三菱系列の技術商社です。京都の陸上競技場の命名権を獲得して話題になりました。

https://www.takebishi.co.jp/

株式会社立花エレテック

立花エレテックは、大阪に本社を置く創業100周年を迎えた三菱電機グループの代理店です。2022年の売上高は1900億円を超えました。

https://www.tachibana.co.jp/

株式会社RYODEN

RYODENは2023年4月にこれまでの菱電商事から改名しました。売上高2291億円の三菱電機グループの最大手の商社です。

https://www.ryoden.co.jp/

システムインテグレータ

三菱電機はPLCで多大なシェアを持っているので、大抵のシステムインテグレータは三菱電機の商品を使った経験があります。代表的なシステムインテグレータを下記にご紹介します。

三菱電機システムサービス株式会社

三菱電機システムサービスは、三菱電機の100%子会社のシステムインテグレータです。

https://www.melsc.co.jp/

株式会社ロボカル

ロボカルは、ロボットメーカーやシステムインテグレーターとユーザーをマッチングするだけでなく、導入支援を行いコスト削減に取り組んでいる会社です。上記の三菱電機システムサービス株式会社のご紹介も行っています。

トレーニングスクール

産業用ロボットだけではなく、FAの基礎から学ぶことができるトレーニングスクールが、名古屋工場を中心に日本全国に用意されています。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/learn/semi/school/index.html

まとめ

出典元:RYOMEI

三菱電機の産業用ロボットは、小型サイズに特化することで高速・高精度を実現しているのが特徴です。また三菱電機が積極的に導入しているAI技術やIoT関連のオプションも充実しています。三菱グループ企業という優位な立ち位置、FA業界の総合力もポジティブな要素も多いです。

さらに新型コロナも三菱電機のような小型・高精度の産業用ロボットには追い風です。例えば、製造業の工場での自動化を推進しパンデミックと人口減少に備えようという動きがあります。またEC特需で各地に建設されたロジスティクスセンターでは、ピッキングやパレタイズ目的で産業用ロボットの需要が拡大しています。

このように、三菱電機の産業用ロボットはさらにシェアを拡大させることが予想され、今後も目が離せません。

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