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2023.04.25

組立ロボットはどんな分野で使われているの?気になる疑問を解決

組立ロボットはどんな分野で使われているの?気になる疑問を解決

製品の組み立てに使われている「組み立てロボット」は、自動車産業や電子機器製造をはじめとして、多様な分野で導入が進められています。組み立てロボットによる作業は、人の手による作業に比べて安定性と精度が高く、製造速度も向上するため、業務効率化や製品の品質向上につながります。

本記事では、組み立てロボットが活用されている主な分野や、導入メリットなどについて詳しく解説します。これから組み立てロボットの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

組立ロボットとは?

組立ロボットとは?

組立ロボットとは、製品を組み立てる際に用いられるロボットの総称です。例えば自動車の製造工程で車体を組み立てたり、家具の製造現場でねじを締めたりと、作業を自動化する目的で使用されます。

使われている業界も幅広く、前述のような自動車業界や家具業界だけでなく、建築業界やIT機器の製造など、さまざまな場面で活用されています。

また、ひと口に組み立てロボットといっても多種多様で、複数の関節を持ち複雑な動作が可能な「垂直多関節ロボット」や、決められた軸上を動く「直交ロボット」など、用途に合わせて柔軟に使いわけられています。

組み立てロボットの導入は完全自動化を図るパターンと、人間の作業をロボットが補助することで半自動化するパターンに分かれます。

組立ロボットが使用されている主な分野

組立ロボットが使用されている主な分野

組み立てロボットは多くの分野で活用されていますが、業界によって活用目的が異なり、使い道もさまざまです。ここでは、組み立てロボットが導入・活用されている主な6つの分野について詳しく解説します。

自動車・自動車部品製造

自動車・自動車部品製造の分野は、組み立てロボットの活用が特に進んでいる業界です。

自動車の車体自体を組み立てる際にも組み立てロボットが使われていますが、自動車の駆動部となるパーツの製造においても、ねじ締め等の細かい作業に組み立てロボットが導入されています。

1台の自動車を製造するためには多くの部品を組み合わせる必要があるため、ロボットの導入によって効率化がはかられています。

電気・電子機器製造

電気・電子機器製造の分野でも、組み立てロボットが用いられています。

例えば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの電子機器を製造する際に、内部のパーツをあらかじめ記憶した配列通りに配置して組み立てる作業が可能です。

多品種少量生産になりがちな電子機器製造は、従来は人間の手で製品を製造していましたが、近年技術の進歩によってロボット化が進んでいます。

半導体製造

半導体製造は、極小の部品を組み合わせて1つのチップを作る必要があります。

このような場面でも、人の手に変わり精密さを誇る組み立てロボットが活躍しています。設計書に基づいて機械が自動的に部品を配置するため、安定した精度でチップを製造できます。

また、「スカラロボット」と呼ばれる、製造装置に部品を出し入れするためのロボットも活用されています。

化学・プラスチック製品製造

化学・プラスチック製品の製造や組立にも、組み立てロボットが使われています。

プラスチック成形機に部品を投入・取り出しする「成形工程」や、切削加工を行う「加工工程」など、各工程のさまざまな場面で組み立てロボットが活躍しています。

化学・プラスチック製品の製造工程は単純作業も多いため、組み立てロボットの導入で効率化が図られています。

物流

物流分野では、梱包用の箱を製造する工程においても組み立てロボットが導入されています。

物流において、商品を梱包するための梱包材は必要不可欠ですが、人の手で製造すると非常に時間がかかる上に、強度にばらつきが出やすくなります。

組み立てロボットを活用することで、安定した品質の梱包材を高速で製造できます。

食品

食品製造の分野では、パッキングの工程において組み立てロボットが活用されています。

惣菜や冷凍食品、お菓子など、コンビニやスーパーで売られているあらゆる食品はパッキングされているため、この工程を組み立てロボットで自動化すれば大幅な業務効率化につながります。

組立ロボットの利点

組立ロボットの利点

組み立てロボットには、ヒューマンエラーの防止や作業速度の向上、技術の熟練が不要になるなどの利点があります。これらの利点を活かして作業を行うことで、安定した品質の確保や業務効率化につながるでしょう。

ここでは、組み立てロボットの3つの利点について詳しく解説します。

ヒューマンエラーを防ぐことができる

組み立てロボットを導入することで現場の作業を自動化し、ヒューマンエラーの防止につなげることができます。

従来のように人間が作業を行うと、手順の勘違いや疲労による手違いから発生するヒューマンエラーを完全に防ぐことはできません。

しかし、組み立てロボットなら、あらかじめ記憶した通りに作業をこなすことができ、正確な長時間作業が可能です。

作業速度が向上する

人間の手で作業を行うよりも、組み立てロボットに任せた方が、作業速度が向上します。

組み立てロボットは同じ手順を淡々と繰り返すことに向いており、適切な監視のもとであれば24時間働き続けることも可能です。

常に一定速度で作業を行えるため、安定した成果をもたらすというメリットもあります。

技術の熟練が不要になる

組み立てロボットを導入することで、作業を行うための手順を記録・蓄積できるため、現場で働く技術者が技術を熟練させる必要がなくなります。

後継者不足で新たな技術者を育成できない現場は、熟練者の技術が失われてしまうリスクを抱えています。

しかし、組み立てロボットを導入すれば、ロボットが熟練者の代わりに作業を行えるため、将来に渡って自社の技術力を維持できます。

まとめ

まとめ

組み立てロボットは、業種・業態を問わずさまざまな分野で活躍しています。導入によってヒューマンエラーの防止や作業速度の向上につながるだけでなく、安定的な技術継承も可能になる組み立てロボットは、今後も多くの現場で導入が進んでいくでしょう。

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