産業用ロボットSIer 300社掲載

2023.05.25

産業用ロボットの歴史と最新技術、これからについて詳しく解説!

ロボットを操作する

ロボットの最新技術についてお調べではありませんか?人材不足の課題を抱える企業にとって、産業用ロボットの存在は大きいものです。自社に産業用ロボットを導入するなら、最新技術が搭載されたものを検討したいと考える企業は多いでしょう。

この記事では、ロボットの今と最新技術について詳しく解説します。導入を検討している企業担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロボット技術の今

ロボットの動きを確認する男女

ロボット技術は日々進化しており、私たちの暮らしを支えるほど身近な存在になりつつあります。

人工知能やセンサ技術の進歩により、より高度な自律型ロボットの実現が可能となった結果、人間の介護やコミュニケーション支援などの用途に利用されるロボット・物流や測量、災害救助に活用される技術・運転者の代わりに自動運転が可能な車載センサーなどが開発されています。

なかでも、少子高齢化社会が進む日本において、新たな働き手として産業用ロボットが注目されています。ロボット技術の開発・普及を促進するため、さまざまな公的支援プロジェクトが立ち上げられており、今後さらなる進化が期待される分野です。

産業用ロボットの技術の歴史

HISTORYの文字

今でこそ、産業用ロボットは高度な作業に対応できますが、そこに至るまでには長い歴史があります。ここでは、産業用ロボットがどのように発展してきたのか、技術開発の歴史に触れてみましょう。

単一作業

産業用ロボットは、単一作業をさせることを目的に開発されました。当初は、ハンドリング(運搬)や溶接、塗装といった単純作業が中心でしたが、効率的かつ正確に作業を行うことで生産性の向上に貢献しました。1台あたり1つの作業しかできませんでしたが、大量生産が必要な自動車産業や電子・電気産業を中心に普及しました。

先端拡張技術の進化

次に、単純作業しかできないと思われていたロボットに、先端拡張技術の進化が起こりました。

アームの先端に、物を掴んだり回したりできる拡張機能を取り付けられるようになり、さまざまな状況に対応できるようになったのです。

食品や化粧品、さらには医薬品の分野においても、産業用ロボットの普及が加速しました。

協働ロボットの登場

産業用ロボットがさらに進化したことで、安全対策が施された協働ロボットが誕生しました。
そもそも産業用ロボットが普及し始めた頃は、危険性を伴うことがあるため安全柵で囲んで隔離する必要があったのですが、2013年にロボットの安全性が認められたことで規制が緩和され、人とロボットが同じ空間で協働できるようになりました。この出来事をきっかけに、人が働く場所で利用できる協働ロボットの進化・普及が促進されたのです。

協働ロボットは単純作業だけでなく、繊細・柔軟な作業も得意とします。対応できる作業範囲が一気に広まったため、人でなければ難しいといわれていた産業でも、続々と導入されるようになりました。

産業用ロボットの最新技術

ノートパソコンを見る2人の男性

著しく進歩する産業用ロボットに、「ここまでできるの!?」と驚かされることは珍しくなくなってきました。つぎに、産業用ロボットがどこまでできるようになっているのか、最新技術について解説します。

協働ロボットのさらなる高性能化

協働ロボットの高性能化には、機械学習やAI技術の活用も大きな役割を果たしています。

人の動きに追随する協働ロボットや人の動きに合わせて自身の動きを調整するロボット、音声認識技術を組み込むことも可能になっています。

人がロボットに直接指示を出し、ロボットが学習した知識を利用して人との協働をよりスムーズに進めるようになります。

産業用ロボットといえば人の作業を代わりに行なう存在でしたが、今では人と一緒に働ける存在になっているのです。

産業用ロボット × IoT

産業用ロボットにIoT技術を用いて工場全体をネットワークにつなぐ、スマートファクトリー化が注目されています。仮に、急な予定変更により1日の生産量が増えたとしても、スマートファクトリー化が進んでいれば即時対応が可能です。IoTを用いることで、柔軟に対応できる範囲が増えるため、業務効率化や従業員の負担軽減につながります。

産業用ロボット × AI

ロボットを動かす際は、ロボットに動作を教えるために「ティーチング」と呼ばれるプログラミング作業が必要です。しかし、ティーチングをおこなうには専門的な知識を要するため、企業によっては導入したくてもできない状況に陥っていました。

そこで注目されたのが、AI(人工知能)です。AIを導入することで、ロボットの知能化が進み、プログラミング作業が自動化できます。ティーチングが不要になれば、今後多くの企業で導入されるようになるでしょう。

最新のロボットアーム

ロボットの動かす男性

ここからは、最新のロボットアームを3つ紹介します。自社に合う産業用ロボットを見つけられるかもしれないので、ぜひチェックしてみてください。

垂直多関節ロボット

垂直多関節ロボットは人の腕のような形状をしており、汎用性が高いのが特徴です。可動範囲が広いうえに、立体的な動きを得意とするため、搬送、組立、加工、溶接、塗装、検査など、さまざまな作業に対応できます。

高温にも耐えられることから、過酷な環境下で用いられることも多くあるロボットの1つです。

パラレルリンクロボット

パラレルリンクロボットは、リンク(骨)を並列つなぎにした最新の産業用ロボットです。複数のアームで先端部を制御するため、スピーディかつ高速な動作が可能です。主に、食品や小さな部品のピッキング、包装容器のラベリングなどに使用されています。

スカラロボット

スカラロボットは、アームが水平方向に動く産業用ロボットで、水平多関節ロボットとも呼ばれています。ジョイント(関節)は回転するものと直動するもので構成されており、回転ジョイントで水平方向に移動し、直動ジョイントで上下方向に動きます。コンパクトな作りなので、省スペースに設置できるところも特徴です。主に、部品の押し込み作業やネジ締め、基板の組み立てなどに用いられます。

これからの産業用ロボット技術

荷物を持ち上げようとするロボット

産業用ロボット技術は、今後ますます進化することが予想されます。今の産業ロボットはAIやIoTを搭載したり、ロボットアームの開発を進めたりするなど、従来よりも作業範囲が広がりました。これからは人と同じように働く双腕ロボットや、物流業界の救世主になりえる自動搬送ロボット(AGV)なども開発されていくでしょう。多くの分野・業界において、産業用ロボットの重要性はさらに高まることが期待されています。

まとめ

ロボットと人間が握手する

産業用ロボットの進化は著しく、さまざまな分野・業界で活躍しています。最新の産業用ロボットになると、人と一緒に働けるものからAIやIoTを搭載した知能化のものまで多種多様です。日々進化をとげているため、今後も産業用ロボットから目が離せません。

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