産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.04.30

塗装ロボットのカバーのメリットは?取り扱っているメーカーについても紹介

塗装ロボットを使う上で必要なのが専用カバーです。カバーはロボットの故障や塗装不良の防止をしてくれるなどさまざまなメリットがあります。国内外で多くのメーカーがカバーを製造しているため、それぞれの特性を詳しく見ていきましょう。

この記事の結論

・塗装ロボットのカバーはロボット本体を保護する役割がある
・ロボットの汚れ付着対策方法の中でも最も簡単に装着できる
・国内外でさまざまなメーカーが塗装ロボット用のカバーを販売している

塗装ロボットのカバーを使用するメリット

塗装ロボットのカバー(塗装カバー)は下記のような役割を持っています。

  • 塗装不良の軽減
  • ロボットトラブルの軽減
  • 清掃の簡略化
  • 装着が簡単

塗装不良の軽減

塗装カバーは塗装不良の軽減する役割があります。塗装ロボットをカバー無しで稼働させると塗料が飛散してロボットに付着します。

結果、ロボットについた塗料が垂れ落ちてワークに付着することで、塗装不良となりかねません。気づいて修正すれば問題ありませんが、修正に工数がかかってしまいます。ただし、もし気づかなければ不良品を市場に流出してしまう恐れもあります。

そこで、塗装カバーが必要です。塗装カバーは塗料を吸着してくれるため、万が一カバーについたとしても垂れてワークに落ちることがほとんどありません。塗装不良を防ぎ、品質トラブルを防いでくれます。

ロボットトラブルの軽減

塗装カバーは塗料によるロボットトラブルを防いでくれます。ロボットの関節部分に塗料が入り込んでしまうと、ロボットが故障したり、精度よく動かなくなるなどの原因になりかねません。

もしトラブルが発生した場合、生産ラインを停止しなければならないでしょう。そのため、生産計画の遅れが発生し、納期に間に合わなくなってしまう可能性もあります。

塗装カバーでは、このような問題が発生しないためにも、ロボットに塗料が入り込まないように防滴機能や耐薬品機能としての役割を果たします。

清掃の簡略化

塗装ロボットに塗料がつくことで塗装不良やロボットのマシントラブルが起きるため、清掃が必要です。しかし、清掃頻度が高くなってしまうと、毎回生産ラインを停めなければならないため非効率です。

塗装カバーの場合、塗料がカバーにつくため、ロボットを清掃する頻度を大幅に削減できます。

装着が簡単

塗装カバーは塗料をロボットに付着させない製品の中では最も装着が簡単です。

従来、塗装ロボットの塗料付着防止策として、ラップを巻くなどの対策がありました。しかしながら、巻くのに時間がかかってしまい、生産ラインを長時間停めないといけませんでした。

一方、塗装カバーはロボットにかぶせるだけで装着できるため、時間がかかりません。そのため、生産ラインの停止時間を大幅に削減します。

塗装ロボットのカバーを取り扱っているメーカー

塗装ロボットのカバーを取り扱っている会社は国内外に存在します。今回は、以下の企業を紹介しますので、それぞれ見ていきましょう。

  • 株式会社ナベル
  • 株式会社艶金
  • 株式会社メイテック
  • 株式会社槌屋
  • 株式会社ファスコジャパン
  • ROBOWORLD
  • GEKATEX
  • RPS
  • EVOTEC

株式会社ナベル Robot-Flex

株式会社ナベル Robot-Flex
株式会社ナベル

引用元:https://www.bellows.co.jp/ja/nabell_tm_rf/robot_flex.html

株式会社ナベルは三重県に本拠地があり、ジャバラの製造・販売を行なっていますが、産業用ロボット・協働ロボットに関わらずロボットカバーも販売しています。また、生地素材も防水・防塵用の一般向けのものから、ブラスト用、塗装用、溶接用、食品用、マシンテンディング用、電磁波シールド用のラインナップがあります。

最新の3D機器を使用することで、複雑なロボットの動きにも追随可能なカバーを設計している点が強みです。(Smart-Form)独自の製法と素材により作られており、着脱容易な見た目もスマートなカバーです。

協働用ロボットでは、TECHMAN ROBOT、FANUC、三菱電機、YASKAWA、UNIVERSAL ROBOTS、DENSOに推奨されております。T ECHMAN ROBOT正規代理店でもあります。

株式会社艶金

引用元:https://www.tsuyakin.co.jp/product/paint-robot/

株式会社艶金は岐阜県にある繊維メーカーです。染色整理加工、縫製品の企画・製造、ニット生地の企画・製造事業をメインに行っています。塗装カバー以外にも、衣類やバッグなども開発しています。

株式会社艶金の塗装用ロボットカバーは伸縮性が高くロボットの動きを邪魔しない点が特徴です。難燃処理と帯電防止処理により安全性を確保しています。10分程度での装着でき、すぐにロボットを稼働できます。

株式会社メイテック

FPカバー
引用元:https://www.mayteck.com/products/000006.html

株式会社メイテックは愛知県にある企業です。作業環境の浄化や保全のための製品、フィルム、シート、テープなどの製造・販売をしています。

同社のFPカバーは特殊繊維を採用した塗装用ロボットのカバーです。ロボットの汚れを防止し、塗装ミストを確実に吸着してくれます。軽量で伸縮性がある生地のため、どんなロボットにもフィットしやすいです。

難燃処理を行っているため発塵がなく、静電気発生も抑えてくれることから、カバーによるマシントラブルが起きないように設計されています。

株式会社ファスコジャパン

引用元:https://fascojapan.com/robotjacket/

株式会社ファスコジャパンは千葉県に本社のある企業です。産業用ロボットジャケットや工作機械で使う各種ジャバラの製造を行っています。

ファスコジャパンの塗装カバー「ロボットジャケット」はさまざまなメーカーのロボットに合わせて開発されているため、ラインナップが豊富です。

取り扱っているメーカーは以下のようなものがあります。

  • ファナック
  • 川崎重工
  • ダイヘン
  • デンソーウェーブ
  • 安川電機
  • ABB
  • 三菱電機
  • 不二越
  • アイエイアイ

国内メーカーであればほとんどの機種に対応でき、塗装ロボットを塗料から守ってくれます。

ROBOWORLD

引用元:https://roboworld.com/robosuit/products/

ROBOWORLDは1993年に設立したアメリカのメーカーです。過酷な環境でも産業用ロボットが問題なく稼働できるようにさまざまなロボットの保護カバーを製造しています。

ロボワールドの保護カバー「ロボスーツ」は、産業用ロボットに合わせたオーダーメイド設計を得意としています。要望に合わせて作ることができるので、どのようなロボットにも対応可能です。

GEKATEX

引用元:https://www.directindustry.com/ja/prod/gekatex-flexipads/product-201343-2054015.html

GEKATEXはフランスの本社にあるトータルワイピングメーカー。自動車製造ラインの汚れや油などのふき取りや洗浄に使う製品を取り扱っています。

GEKATEXの塗装用保護カバーは、ポリエステル生地でできており、しっかりとロボットアームにフィットします。ロボットに塗料が付着しないよう防ぎ、ロボットの寿命を延ばすことが可能です。

RPS

RPS社は、ドイツに本社を置くメーカーです。ロボット保護、ロボット保護システム、ロボットカバーの3つの事業を行っています。

RPSのロボットカバーは耐久性や耐熱性に強く、破れにくいのが特徴です。静電気にも強いため、ロボットが静電気によって故障しないように防いでくれます。

EVOTEC

引用元:https://www.directindustry.com/ja/prod/evotec/product-198711-2054775.html

EVOTECは2012年に設立したポーランドのシステムインテグレータ企業です。ロボットシステムの構築をメインで行っていましたが、現在では、産業用ロボットの保護カバーの製造に力を入れています。

EVOTECの「EVOlack カバー」はほとんどの物質からロボットを守ってくれる塗装カバーです。1ミクロンを超える大きさの化学物質を通さないようし、ロボットを汚れから守ってくれます。

まとめ

塗装ロボットのカバーについて紹介しました。塗装カバーはロボットのトラブルや不良品流出を防ぐ大きな役割を持っています。

また、塗装ロボットの導入を検討しているのであれば、カバー選びを含めてシステムインテグレータに相談することをおすすめします。

システムインテグレータと綿密に生産ラインの立ち上げを行って、生産性を最大限に高めたロボットシステムの構築を実現しましょう。

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