目次
作業などを自動化したいと思い立ったときは、ロボットシステムインテグレータへ依頼することができます。具体的にはどんなことを頼めるのか、また、ロボットシステムインテグレータに依頼することでどんなメリットがあるのか解説します。
・ロボットシステムインテグレータとはロボット導入をサポートする専門家や専門業者のこと
・ロボットシステムインテグレータに依頼することで導入後までのサービスをワンストップで受けられる
ロボットシステムインテグレータによるロボットの導入手順
ロボットシステムインテグレータとは、ロボット導入をサポートする専門家もしくは専門業者のことです。ロボットSIer(ロボットエスアイアー)と呼ぶこともあります。ロボットシステムインテグレータに依頼して、ロボットを導入する手順について見ていきましょう。
- 検討・イメージ共有
- 構想・企画
- 仕様定義
- システムの設計
- 出荷前テスト
- 設置
- 総合テスト
- ユーザーテスト
- 導入後のアフターケア
検討・イメージ共有
まずはロボットシステムインテグレータとの話し合いです。どんなロボットを導入できるか、また、導入によりどんなことが便利になるのか、お互いの認識とイメージにズレがないように確認しておきます。
構想・企画
ロボットシステムインテグレータは、ロボット導入の具体的な構想案をまとめます。依頼主の希望を実現できるシステムを企画し、依頼主に提示します。
仕様定義
大まかなシステムの構想を確認した後で、導入するロボットの細かな仕様を決定していきます。同じ工程を扱うロボットであっても、作業スピードや作業の複雑さによって仕様は大きく異なります。
システムの設計
決定したロボットの仕様と企画に基づいて、ロボットを組み合わせたシステムを設計します。依頼した内容により出荷までの期間が長くなることがあります。
出荷前テスト
システムを設計した作業所において、構想通りに動くのかテストをします。問題がある場合には導入までの時間がさらに長くなります。
設置
出荷前テストに問題がなかった場合は、いよいよ出荷です。ロボットシステムインテグレータのスタッフが、工場に設置します。
総合テスト
設置後にも構想通りに動くのか、工場内で総合的にテストをします。問題がある場合は一旦持ち帰り、検証して修正、再設置となります。
ユーザーテスト
実際に工場でシステムを操作する人物が問題なく使用できるのか、テストをします。作業に関わるスタッフに、操作方法やトラブル時の対応などについて講習を実施することもあります。
導入後のアフターケア
導入後も定期的にアフターケアを行います。また、トラブルが起こったときも随時アフターケアを行います。
ロボットシステムインテグレータに依頼するメリット
ロボットシステムインテグレータに依頼して自動化、ロボット化を進めることには、どのようなメリットがあるでしょうか。主な6つのメリットを紹介します。
ロボット導入までの道のりを短縮できる
社内で話し合ってロボット導入を実施することも、絶対に不可能というわけではありません。しかし、ロボット導入の専門家であるロボットシステムインテグレータに尋ねるならば、最短距離の導入が実現できるでしょう。
予算や現場に合ったシステムを提案してもらえる
予算を最初に提示することで、予算内で可能なロボット化の提案をしてもらえます。
例えばロボット導入の目的が作業効率の改善である場合、ロボットシステムインテグレータは作業のどの部分をロボット化できるかいくつか提案してくれるでしょう。予算やコスト対費用と照らし合わせ、納得できる提案を採択できます。
構想から導入後までサポートしてもらえる
ロボットシステムインテグレータにロボット導入を依頼するならば、ロボット化を実演した後のメンテナンスもサポートしてもらえます。定期的なメンテナンスを受けることで、長く安全に使用できるでしょう。
消耗品を提供してもらえる
ロボットによっては、インクやカッター部分などの消耗品が必要になることがあります。ロボットシステムインテグレータを通して自動化を進めた場合は、消耗品を継続して供給してもらえます。
ロボットを運用できる人材を派遣してもらえる
運用やトラブル対応ができないという理由で、ロボット導入をためらうケースも少なくありません。ロボットシステムインテグレータに依頼して導入するならば、ロボット運用のスペシャリストを派遣してもらうことが可能です。
運用データを分析し改善案を提案してくれる
ロボット内にはさまざまなデータが蓄積されます。ロボットシステムインテグレータは、定期的に蓄積したデータを確認し、使用方法などの改善案を提案してくれるので、より効率性の高い利用が可能になります。
ロボットシステムインテグレータに依頼する際の注意点
ロボットシステムインテグレータに依頼するときに注意したい3つのポイントを紹介します。
目標を明確にしてから依頼すること
ロボットを導入すれば、かならずしも作業効率が良くなり、多大な利益が発生するとは限りません。ロボットを導入することで何を実現したいのか、例えば人員削減が目的なのか、作業効率の向上と生産量の増加を第一義とするのかなど、依頼する前に具体的な目標を立てましょう。
目標を明確にした上で、ロボットシステムインテグレータに正確に伝えます。ロボットシステムインテグレータの理解にズレがないように、納得できるまで細かな点まで確認するようにしましょう。
目標を立てる際には、具体的な数値目標があるとさらに良いでしょう。「この工程はスタッフ一人で担当したい」「人員は1/3に縮小して、生産量は倍に増やしたい」など細かく気前手ロボットシステムインテグレータに伝えます。
ロボットSIerが得意とする分野を見極めること
ロボットシステムインテグレータは、ロボットに関することならば何でも対応できるとは限りません。ロボットシステムインテグレータごとに得意分野があるため、依頼したい分野や工場の種類がロボットシステムインテグレータの得意分野なのか確認しておくようにしましょう。
ロボットシステムインテグレータの今までの事例などが分かれば、どのような分野を主に手掛けているのか、また、どのようなシステムを構築できるのかが分かります。ぜひ依頼する前に作業実績を見せてもらいましょう。
将来的な改善案も提案してもらうこと
現時点で導入するシステムだけでなく、将来的にどのような変化(さらなる自動化、完全自動化など)を提案できるのかについてもロボットシステムインテグレータに尋ねておきましょう。
また、今後どのようなメリットがあるのか、費用がどの程度かかるのかについてもできるだけ具体的に教えてもらいます。年単位のスケジュールを作成してもらうと、より分かりやすくなるでしょう。
まとめ
ロボットシステムインテグレータに依頼することで、工場へのロボット導入がよりスムーズになります。将来的にトラブルが起こった場合でも迅速な対応を期待でき、安心感も得られるでしょう。ロボット導入や工場の自動化を検討している方は、ぜひロボットシステムインテグレータに相談してみましょう。