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多くの業界や業種ですでに産業用ロボットの活用が始まっています。近年のAI技術の進歩とともに、AIロボットも多く出回るようになり、今後さらなる活躍が期待されています。さまざまなロボットに直に触れられる代表的な機会が、ロボット展示会です。
本記事では、ロボット市場の現状やロボット展示会に参加するメリット、国内の主なロボット展示会情報について解説します。最新のロボット情報を入手できる展示会について知りたい方はぜひご覧ください。
現在のロボット市場
日本ロボット工業会2021年の年間統計では、産業用ロボットの2021年の総出荷額は約9,600億円でした。新型コロナの影響により、2019年から2020年にかけては減少したものの、2021年には回復し、前年比で+23.2%と大幅な伸びを見せています。
また、同資料によると、産業用ロボットの2021年の輸出額は約7,392億円で、前年日+29.1%と大きくプラスに転じています。
ロボット市場の今後
経済産業省の「平成22年ロボット産業将来市場調査」によると、日本国内のロボット市場規模は2025年には5.3兆円、2035年までには9.7兆円と、大幅な伸びを見せると想定されています。
現在、少子高齢化による人材不足の解消や企業の競争力の確保、業務効率化といった目的でロボットの導入による自動化が注目されています。
また、中国やアジア諸国の産業発展による国外需要も増加傾向を含むさまざまな要因から、産業用ロボット市場は今後さらに拡大していくと予測されます。
ロボット展示会とは
ロボット展示会とは、産業用ロボットメーカーなどの企業が、ロボット製品を展示、実演する商業イベントです。さまざまなロボット製品が各ブースにて紹介されており、製作者や販売担当者から説明を受けられます。
展示会では見るだけでなく、商談や交渉へつなげることも可能です。医療や介護など特化型展示会からロボット技術全般のイベントまで、さまざまな展示会が全国各地で開催されています。
ロボット展示会に参加するメリット
決して安価でない産業用ロボットについての情報収集や、導入に向けて比較検討するためにもロボット展示会は有用です。ここでは、ロボット展示会に参加する主な4つのメリットについて解説します。
実際に製品に触れることができる
ロボット展示会の最大のメリットは、ロボット製品に実際に触れることができる点です。展示会では、各ブースに企業が売り出す製品の実物が展示され、間近で確認できます。
サイズや素材などを実物を見て理解できるため、現場に導入された際のイメージが湧きます。
製品を実演してくれる
ロボット製品の実演を行う企業もあります。メーカーや会場の条件などによって変わりますが、会場のスタッフが製品を動かし、実際の動作を見て確認できます。
導入を検討する際の判断材料として、大いに役立つでしょう。
詳しい情報を得られる
展示会では、企業の担当者が各ブースに待機しており、直接説明を聞くことができます。
ロボット製品に関して気になることがあれば、直接質問して詳しい情報を得られます。
詳細を聞いた上で前向きに検討したい場合には、商談の約束を取り付けることも可能です。
複数企業のロボットを比較できる
展示会には同種の産業用ロボットを扱う企業が多く出展しており、複数の産業用ロボットの情報を一度に集めて比較することが可能です。
関心のあるロボット製品の説明を聞き、担当者との名刺交換を通して相手との関係を構築しておけば、交渉や購入も効率的に進められます。
国内で開催されるロボット展示会
日本国内のロボット展示会は、主に産業用ロボットと介護用(サービス用)ロボットの2タイプに分けられます。ここからは、それぞれの展示会情報について詳しく紹介していきます。
産業用ロボットの展示会
国内の産業用ロボットの展示会は、主に下記があります。
- ロボデックス
- ROBOT TECHNOLOGY JAPAN
- CEATEC
- 産業交流展
- 国際ロボット展
各展示会について詳しく紹介します。
ロボデックス
「ロボデックス」は、東京と名古屋で開かれるロボット専門の展示会です。
2017年から開催されており、最新ロボット製品やロボット向け部品、周辺機器、ロボットの開発技術などが一同に集結します。
産業用ロボットの進歩に合わせて開催規模も毎回拡大しており、近年はAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングス)といった最新技術を搭載したロボットも急増しています。
参照:ロボデックス
ROBOT TECHNOLOGY JAPAN
「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN」は、2022年6〜7月に愛知県で初めて開催された新しいロボット専門展示会です。
「産業用ロボットと工場における自動化」をテーマとし、各種産業用ロボットや物流現場用機器、ロボット構成部品などが展示されています。
ロボット導入用のSIer(システムインテグレーター)専門ゾーンも設置されており、ロボットに関する内容が充実しています。
CEATEC
「CEATEC」は、業界や業種の垣根を超えた最新テクノロジーやITソリューションを紹介する展示会です。産業用ロボットやAI、IoT技術、自動車やソフトウェアなど多彩な新事業が多く紹介されています。
ロボット産業に関心のある学生や各業界のキーパーソンを含む幅広い層が来場する点も特徴です。将来のトレンドが一堂に会する一大イベントとして、国外からも注目を集めています。
参照:CEATEC
産業交流展
「産業交流展」は、東京都や東京商工会議所が主催する展示会です。首都圏に事業所を持ち、医療・福祉や環境など対象業種に該当する企業であれば、誰でも出展できます。
展示会場での展示とオンライン展示会を同時に開催するハイブリッド形式で、オンライン展示会で気になった製品を、リアル展示会で実際に触れることが可能です。
参照:産業交流展
国際ロボット展
「国際ロボット展」は、世界最大規模のロボット専門展の一つとして知られています。1974年から今年で25回目の開催となり、国内外を問わず高く評価されています。
「2023国際ロボット展」では、展示会場での展示とオンライン展示会を同時に開催するハイブリッド形式で行われ、「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」がテーマとなっております。
リアル会場では、一部の方を除いて入場料が1,000円かかりますが、
オンライン会場では入場料が無料のため気軽に参加することが出来ます。
リアル会場では、2023年11月29日(水)〜12月2日(土)の10:00〜17:00で開催され、オンライン会場では、2023年11月22日(水)〜12月15日(金)にて開催されます。
参照:国際ロボット展
介護用ロボットの展示会
国内の介護用ロボット展示会として、下記を紹介します。
- HOSPEX Japan
- Care Show Japan
- Care TEX
- メディカルジャパン
各展示会の特徴を詳しく見ていきましょう。
HOSPEX Japan
「HOSPEX Japan」は、医療や福祉に関する最先端設備や特殊機器が集まる専門展です。
医療や福祉に関係する多彩な情報発信を行う「日本医療福祉設備学会」の併設展示会として開催されています。
学会主催であるため、開発段階にある未承認の医療機器設備にいち早く触れることができます。リハビリ支援ロボットや見守りロボットなどの介護用ロボットが揃っています。
参照:HOSPEX Japan
Care Show Japan
「Care Show Japan」は、<strong>医療や介護に関わる最新製品やサービスの専門展</strong>で、介護やヘルステックなど関連する5つの専門展で構成されています。
介護用ロボットは、最新の介護機器や製品を中心とする「介護・高齢者福祉展」や、ICTやAIなど最先端技術の「次世代介護テクノロジー」、ITソリューションなどが含まれる「ヘルスケアIT」にて紹介されています。
Care TEX
「Care TEX」は、「介護用品展」「介護施設産業展」「介護施設ソリューション展」の3つの展示で構成される国内最大級の介護業界専門の展示会です。2015年以来、全国の主要都市を中心に、各地で開催されています。
同時開催される「Careテクノロジー」では、介護現場での課題解決を目的としたAIやIoT、ロボット製品が集まります。
参照:Care TEX
メディカルジャパン
「メディカルジャパン」は、医療や介護関連の製品やサービスが集まる展示会です。大阪と東京で年に2回開催される他、近年はオンライン展示会も開かれています。
アジアなど海外から出展する企業も多く、海外ロボット製品を比較検討する機会としても有用です。「介護&看護EXPO」でも介護関連ロボットの展示があります。
参照:メディカルジャパン
まとめ
あらゆる業界でロボットの需要が高まっている中、ロボット市場規模は今後さらなる拡大が見込まれています。全国各地で開かれているロボット展示会では、最新の産業用ロボット情報を効率的に収集でき、担当者に話を聞いて直接触れることが可能です。
ロボット製品の比較や導入検討に向けて、ロボット展示会を積極的に活用しましょう。