産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.04.30

産業用ロボットが使用されている分野は?種類や用途とあわせて紹介

産業用ロボットが導入されている分野について紹介します。現在、人手不足や業務効率化のためにあらゆるメーカーで産業用ロボットの需要が高まっています。それぞれの分野で多種多様な用途で使われているので詳しく見ていきましょう。

この記事の結論

・産業用ロボットは人材不足の解消など多くのメリットがある
・自動車や電気電子、半導体の分野でさまざまな用途で使われている
・最近では化学、食品、医薬品分野でも自動化のニーズが高い

産業用ロボットは現在さまざまな分野で必要とされている

現在世界中のあらゆるメーカーで産業用ロボットが必要とされています。導入することで、さまざまなメリットがあるからです。

今工場では人材不足や生産スピードの向上など多くの問題を抱えています。産業用ロボットは、人の代わりに作業を行う役割があるため、人材不足の解消に最適です。

さらに、人と比べて作業スピードや品質のばらつきも少ないことから、生産量の向上と品質の安定化を可能にします。

他にも、以下のようなメリットがあります。

  • 危険な作業や過酷な労働環境の作業対応
  • 生産管理の簡易化
  • 24時間体制の生産を実現
  • 人件費の削減

産業用ロボットは世界中で導入が増えており、国際ロボット連盟(IFR)が発表した報告書「World Robotics:Industrial Robots 2017」によると、2017年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381万台を記録しました。

今後さらに増加していき、2021年には630万台出荷されると予測されています。このように、産業用ロボットの導入台数が増えており、あらゆる分野で使われていることがわかっています。

産業ロボットが使用されている8分野を用途とあわせて紹介

産業用ロボットが使用されている分野について以下の8つを紹介します。

  • 自動車・自動車部品
  • 電気・電子機器
  • 半導体
  • 産業機械
  • 化学・プラスチック産業
  • 物流
  • 医療・医薬品
  • 食品

自動車・自動車部品

自動車業界ではほぼすべての工程で産業用ロボットが使われています。今の日本の自動車業界は産業用ロボットが支えているといっても過言ではないほどです。

自動車工場では、

  • プレス工程
  • 溶接工程
  • 塗装工程
  • 組立工程
  • 検査工程

などの工程があり、あらゆる用途で使われています。導入によって、24時間体制で量産や生産率の向上、粉塵が多くある劣悪な環境での作業の自動化が可能です。

現在では、人とロボットが同じ環境で作業ができる協働ロボットの活用や、画像認識処理による検査作業の自動化も行われており、今後も生産ラインの自動化技術は進化していくでしょう。

電気・電子機器

電気・電子機器業界についても多くの産業用ロボットが活用されており、自動車業界に次いで導入台数が多いです。

近年では製品の生産を外注する傾向が多く、製造の受託事業をしているEMS(Electronics Manufacturing Service)が増加しており、ロボットの需要が高まっています。

EMSでは、エアコンや掃除機などの家電からロケットの部品まで多種多様の製品に対応することが課題とされています。

さまざまな製品に対応するためにも、汎用性の高い産業用ロボットが必要です。組立工程などでロボットを導入しており、生産性を高めています。

半導体

半導体産業はスマホの誕生や電気自動車の増加により、近年急速に需要が高まってきました。そのため、大量生産が必要で、実現するために産業用ロボットの導入が欠かせません。

半導体産業では、部品の不純物を除去するクリーンロボットなどに使われています。半導体自体が日々縮小化等の技術進歩が行われていることから、それらにも対応できるロボットが必要です。

ロボットの導入によって、高品質な半導体の製造や生産量の増加などのメリットがあります。

産業機械

製造のために必要な機械である産業機械についても産業用ロボットのニーズが高まっています。特に切削や研磨加工などに使用される工作機械と産業用ロボットの連携が注目されています。

現在、加工については自動化が実現されていますが、機械にワークをセットしたり、加工後の検査を行ったりするのは人のため、完全な自動化とは言い切れません。

そのため、FA化を行うためにも、工作機械と産業用ロボットの組み合わせによる生産効率化を進めようとしています。

化学・プラスチック産業

自動車部品、電気製品の部品などを製造している化学やプラスチック産業では、主に製品の仕上げや整列などで導入が求められています。自動車産業や電気電子産業と比較して、まだ導入している企業が少ないため今後も増えていくでしょう。

他にもゴム製品やプラスチック製品、薬品の製造工程でも産業用ロボットの活用が進んでいます。

塗料やゴム製品、化学薬品などの工程では人体に影響を及ぼす有害物質が飛散している場合もあります。そのため、過酷な環境での作業を減らすためにも産業用ロボットが欠かせません。

加工したワークの取り出しや組立、塗装、検査作業などを自動化して、労災を防止する取り組みが行われています。

過酷な環境での労働を減らすだけでなく、生産性の向上やコストの削減などメリットもあります。

物流

物流業界も産業用ロボットが活用されています。代表的なのは、大型物流センターにあるピッキングロボットです。

物流業界ではインターネット通販の拡大により、正確でスピーディーに商品を出荷することが求められるようになりました。

しかしながら、人材確保の難しい背景から、人による作業では限界があります。そのため、迅速にピッキングや梱包作業を行えるような産業用ロボットの導入が必要となりました。

近年では、画像認識技術によりロボット自身が商品の形状を把握できるため、注文された商品と個数を正確にピッキングすることが可能です。梱包についてもロボットが商品に合った最適な容器を選んで、箱詰めを自動で行っています。

導入によって、人材不足の解消やスピーディーな対応が可能です。

医療・医薬品

医療関係でも産業用ロボットによる自動化のニーズがあります。

医薬品では創薬研究や再生医療が注目されており、慎重に薬品を扱わないと医薬品に雑菌が入ったり、研究者の体にウイルスなどの物質が付着して、危険にさらされることも少なくありません。

そのため、産業用ロボットによって、医薬品の調合や実験の自動化を行うことが必要とされてきています。

現在、製薬向けにロボットが作られています。化学薬品に耐性のある仕様で、衛生的にも問題ないことから、今後人が危険な作業をしなくても済むようになっていくでしょう。

他にも、作業ミスの軽減や不純物の混入防止が実現可能です。

食品

食品メーカーでも産業ロボット導入による自動化が進んでいます。食品では衛生管理を徹底的にしなければならないため、できるだけ不純物が混入されないことが求められます

人の作業でもある程度の安全は確保できますが、人為的ミスにより、食品に異物混入してしまうかもしれません。

そこで、食品向けの産業ロボットが開発されています。衛生面に優れており、安全に加工やピッキングを行うことが可能です。品質の向上やコスト削減、24時間体制での生産を実現できます。

産業用ロボットが使用されている分野について

産業用ロボットの導入が行われている分野について紹介しました。今後もロボットの知能化が進むことによってより高度な産業用ロボットが実現されていくでしょう。

もしあなたの工場でも導入を検討しているのであれば、SIer会社に相談してみてはいかがでしょうか?

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