産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.03.31

産業用ロボット導入に使える補助金を紹介|金額や適用条件なども解説

労働人口の不足により、人手不足が深刻な製造業界。産業用ロボットの導入が生き残りのための条件ともなってきています。産業用ロボットを導入する際に利用できる補助金制度を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の結論

・産業用ロボットを導入するときに補助金制度を利用できることがある
・主に国や自治体が主導して補助金制度を実施している
・申込期間や条件が細かく決まっているので、申込前に確認しておこう

産業用ロボット導入に利用できる補助金制度

産業用ロボット導入の際に補助金制度を利用できることがあります。産業用ロボットは高額なので、利用できる制度があれば積極的に申し込むことができるでしょう。

産業用ロボットの導入に利用できる補助金は、国もしくは自治体が主導となっているものがほとんどです。いくつか紹介しますが、期間や上限額の問題で、申込の時点で制度が終了していることもあるので注意が必要です。お住まいの地域の補助金制度については、自治体役場等に問い合わせてください。

  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • ロボット導入実証事業
  • 業務改善助成金
  • サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
  • 革新的事業展開設備投資支援事業(東京)

ものづくり補助金

「ものづくり補助金」は、ものづくりに関わる企業に対する補助金制度です。一般型とグローバル型があり、一般型は新製品や新サービスの開発に必要な産業用ロボットなどの設備投資、試作品作成に用いることができます。グローバル型は海外事業への拡大に関して補助金を申請できます。

基本的には中小企業向けの補助金制度ですが、ビジネスモデル構築型は大企業も利用可能です。30者以上の中小企業を支援するプログラムを構築する際に申請することができます。

対象者日本国内に本支社を持つ中小企業あるいは特定非営利活動法人
利用条件・製造を外注又は委託するファブレス事業などではないこと
・給与支給総額が年平均1.5%以上向上すること
・事業場内最低賃金が地域別の最低賃金よりも30円以上高いこと
補助金上限(一般型)1,000万円、(グローバル型)3,000万円、(ビジネスモデル構築型)1億円
助成率・中小企業は1/2、小規模事業者は2/3
・ビジネスモデル構築型に関しては大企業は1/2、それ以外は2/3

IT導入補助金

「IT導入補助金」は、ITを導入することで生産性の向上を目指すときに申請できる補助金制度です。補助金の対象となるITツールは予め決まっているので、登録IT導入支援事業者に相談してから申請しなくてはいけません。

対象者・資本金や出資総額が3億円以下の中小企業
・もしくは、常時使用する従業員が300人以下の企業あるいは個人事業主
利用条件ソフトウェア費用あるいはIT導入費用として用いること
補助金上限450万円
助成率1/2

ロボット導入実証事業

「ロボット導入実証事業」は、ものづくり・サービス分野におけるロボット未活用領域へのロボット導入の実証事業に要する費用に対する補助金制度です。産業用ロボットシステムの設備費用やシステムインテグレーション費用などに利用することができます。ロボット導入の実現可能性を検証するための費用を補助する「ロボット導入FS事業」もあります。導入する価値があるのか迷っているときには、ロボット導入FS事業に申込みましょう。

対象者大企業、中小企業
利用条件・ロボット導入を検討していること
・もしくは、ロボット導入実現可能性を検証したいと考えていること
補助金上限ロボット導入実証事業は5,000万円、ロボット導入FS事業は500万円
助成率大企業1/2、中小企業2/3

業務改善助成金

「業務改善助成金」は、機械設備や業務システムを導入し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる事業者に対して支払われる助成金です。産業用ロボット導入と合わせて賃金状況を改善する場合に、申込むことができます。

なお、賃金をどの程度上げると適用されるか、また、どの程度受給できるかは年度によって条件が異なります。必ず厚生労働省の業務改善助成金制度の公式サイトをご確認ください。以下の基準は、令和3年2月1日以降に申し込む場合に適用される条件です。

対象者中小企業、小規模事業者
利用条件事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内、かつ事業場内規模100人内であること
補助金上限時給を20円以上向上するときは20~70万円、30円以上向上するときは30~100万円
助成率・最低賃金が900円以上:4/5 なおかつ生産性要件を満たすと9/10
・最低賃金が900円未満:3/4 なおかつ生産性要件を満たすと4/5

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は、国内生産拠点の整備を進めて製品や部品、素材の円滑な供給を確保して、サプライチェーン強化を図るための補助金です。工場や流通設備に用いる産業用ロボットも対象に含まれます。

対象者・生産拠点整備事業
・複数の中小企業によるグループ
・共同事業を行う事業者
利用条件2社以上で申し込むこと
補助金上限100億円、中小企業特例は5億円
助成率・生産事業の集中度が高い製品等を扱う場合は大企業1/2、中小企業2/3
・一時的に集中度が高まる製品等を扱いなおかつ国民生活に大きく関わる場合は大企業1/2、中小企業2/3

革新的事業展開設備投資支援事業

「革新的事業展開設備投資支援事業」は、IoT・ロボット活用、後継者によるイノベーションを目指す際に必要となる最新機械設備の購入経費の一部を助成する制度です。上記に紹介してきた国の補助金制度とは異なり、東京の事業者向けの制度です。

対象者・東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等
・都外の事業者に関しては東京都内に本店があること
利用条件IoTやロボットを導入することなど(事前に導入適性診断に合格していることが必要)
補助金上限1億円
助成率2/3

産業用ロボット補助金制度の申請手順

補助金制度を活用するためにも、条件を満たして申請することが必要です。申請手順を紹介しますので、ぜひ参考にして補助金獲得に役立ててください。

  • ①補助金制度の確認
  • ②条件と申請時期の確認
  • ③必要書類の作成

1.補助金制度の確認

まずは産業用ロボットの導入に利用できる補助金制度があるのか確認してください。紹介した補助金制度以外にも中小企業庁などのホームページで紹介されていることもあるので、チェックしてみましょう。また、各自治体で実施していることもあります。事業所のある自治体役場にも問い合わせておきましょう。

2.条件と申請時期の確認

条件を満たしていないと申請できません。また、条件を満たしていても申請時期に遅れると適用されません。申請期間内でも予算が尽きると補助金制度が終了するので、早めに申し込むようにしましょう。詳しい資料を取り寄せ(時間がないときはインターネットで確認)て、条件と時期を確認してください。

3.必要書類の作成

事業者への補助金制度を利用するためには、提出する書類が多く、しかも正確性が求められます。インターネットで書類をダウンロードする場合には、かならず見本もダウンロードし、漏れがないように記入しましょう。書類作成が不安な場合は、ロボットエンジニアリング会社などにサポートを依頼することもできます。

まとめ

産業用ロボットを導入する際に、国や自治体の補助金制度を利用できることがあります。産業用ロボットは高額なので、中小企業庁や厚生労働省、自治体に問い合わせて補助金制度を利用するようにしましょう。

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