産業用ロボットSIer 300社掲載

2023.06.24

コスメック社製「ツールチェンジャー」で既存ロボットが化ける!?

CPU チップを保持するロボットアーム。

株式会社コスメック(以下、コスメック)は、工作機械用ジグや射出成型機、プレス機の金型交換システムなどを製造・販売しているメーカーで、なかでも、ロボット用のツールチェンジャー(ハンドチェンジャー)で知られています。産業用ロボットの導入にあたって、コスメック製ツールチェンジャーを検討している企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、コスメックの特徴やどのような製品を販売しているのか、コスメック製ハンドチェンジャーの商品情報と導入のメリットなどを紹介します。ロボットによる生産ラインの自動化、多様化をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社コスメックとは、どんな会社?

自動車生産ラインのイメージ。

株式会社コスメックは、1986年に設立された機械器具メーカーで、自動車業界や工作機械業界、半導体・電機業界向けに精密機器・油空圧機器の設計、製造、販売を行っている会社です。

兵庫県神戸市に本社を置き、関東や九州など国内拠点のほか、アメリカやメキシコ、ヨーロッパ、中国、台湾、韓国など、海外にも営業拠点を設けており、グローバルな市場での事業展開を行っています。また、社是と経営理念を通じたSDGsの取り組みにも積極的な企業です。

コスメックの代表的な製品は?

イタリアのプラスチック部品製造工場で稼働する射出成形機。

コスメックの主な製品は、工作機械用ジグやFA・産業用ロボット製品、射出成型機、プレス機、ダイカストマシンなど交換システム部品、溶接設備・洗浄設備用の機器などです。

クランプやシリンダ、ロボットハンドなど、機械・ロボットの一部に取り付けて使用され、製造ラインの品質や生産性向上に貢献します。コスメックの製品は、ミクロン単位での高精度な位置決めなど、優れた技術力を駆使した高品質な機械器具で知られ、国内外の多くの企業から高い評価を得ています。主な製品を具体的に見ていきましょう。

工作機械ジグ関連機器(KWCS)

コスメックの代表的な製品の1つが工作機械で使用されるジグ関連機器(KWCS)です。ジグとは、加工時にワーク(製品)の固定や位置決め、工作機械のガイドに沿った操作、作業の補助などに用いる器具で、補助工具とも呼ばれます。

ジグは漢字で「治具」と書かれる場合もあり、もともとは英語の「jig」に対する当て字です。ジグを使用すると、加工時間の短縮や加工精度・品質の向上、安定化などを期待できるメリットがあります。

ホールクランプ

ワーク加工穴を内張りしてZ軸基準面に引き付け、ワークや部品を固定し、5面加工を可能にするクランプシリーズ。加工時のツール干渉を気にしなくて良くなるため、プログラム作成を容易にしてくれます。

工程集約による時間短縮と高精度加工を実現するとともに、コンパクトかつシンプルな形状で省スペース化にも貢献します。

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スイングクランプ

強靭なスイング回転機構により、高いクランプ力とスイング(回転動作)を可能にした高剛性・高寿命・高精度のクランプシリーズです。

油圧による強力な保持力を発揮するハイパワークランプや複動スイング、複動水平スイング、単動スイングのほか、油圧を使用しないエアスイングクランプなどがあります。

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ワークサポート

ワークサポートとは、加工時の補助を行うジグです。微弱なバネの力でワークにタッチするとともに、クサビ機構によりプランジャーを強力にロックして、ビビり(加工中に発生する振動)やワークのひずみ・変形などを防止します。

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射出成形機用金型交換システム(QMCS)

射出成形機は、熱で溶かしたプラスチック樹脂を金型に流し込んで、さまざまな形状に固め、製品へと成形する工作機械です。

素材の融解から射出・成形(流し込み)、固める(冷却)、取り出しまで1台の機械で処理できるのが特徴で、電子部品からレンズ、スイッチ類、ケータイ部品、光ディスク、医療機器、ペットボトルなど、生活にかかわる多くの分野で使用されています。

コスメックが販売している射出成形用金型交換システム機器・部品の主な製品は次の通りです。

クイックエジェクタロッド

分割構造により交換時間短縮を可能にするエジェクタロッド。エジェクタロッドとは、成形した製品を金型から取り外す(突き出す)ための機構において、エジェクタプレートと動力(油圧式、機械式)を連結しているシャフトです。クイックエジェクタロッドを使えば、わずか数秒で工具を使用せずに交換作業が完了します。

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PMCエジェクタカプラ (射出成形機用)

プラスチック樹脂を成形する押出板と押出ロッドの連結がワンタッチで行えるカプラ(コネクタ)。ボールロック式ジョイントとエア供給による接続・分離で、従来手動で行ってきた金型交換を自動化し、段取り時間の短縮を可能にします。

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マグネットクランプ

マグネットを使用してねじ止めなどを用いず射出成形機に取り付け可能なクランプです。コスメックでは、厚さ35mmの世界最薄クラスのマグネットクランプをラインナップ。さらに、磁束の乱れと金型ハガレを検知するダブルモニタリングシステムにより金型落下事故を防止し、業界最高水準の安全性を実現しています。

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プレス機械用金型交換システム(QDCS)

プレス機械は鍛圧機械とも呼ばれ、対象物にプレスによる圧力をかけて加工する工作機械です。自動車からパソコン、医療機器、ロボットなど、幅広く使用されており、製造分野にはなくてはならない機械といえるでしょう。

コスメックでは、自動化によりプレス機での金型交換を安全かつ迅速にでき、時間短縮を可能にする交換システム用の機器・部品などを製造しています。コスメックのプレス機械用金型交換システムの主なラインナップは次の通りです。

HQAクランプ【T溝手動スライドタイプ】

倍力機構とエアにより高い保持力を発揮するハイブリッド式クランプです。セルフロック機構内蔵で、万一エア供給が無くなった場合でも、20%の力でロック状態を保持して金型落下事故を防止。さらに、メンテナンス性向上によるコスト削減や油圧レスによる省エネ・時短を実現します。

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エアバルブユニット (オールエアシステム用)

電気制御が可能なエアバルブユニット。増圧弁が付いているため、オールエアシステムで使用するハイパワーエアダイクランプとエアフリーローラリフタの制御を行うのに最適です。オールエアシステムでは、手動操作が可能なエアバルブもラインナップしています。

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GHAクランプ【上型スイングクランプ】

高速プレスの振動にも耐えられる油圧用の上型スイングクランプです。GHAクランプなら、一部のクランプがロックされていないリリース状態でのプレスで機械を動かした場合でも耐久力を発揮。ストッパー搭載でクランプロッドのガタツキも発生せず、安定した生産が可能になります。

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ダイカストクランプシステム(KDCS)

ダイカストマシンは、高速で溶かした金属や合金などを金型に流し込み、急速に冷却して製品形状へと成型する工作機械です。同じ製品を大量生産できるのが特徴で、自動車や機械部品、電子機器、建設用資材、通信機器、日用品など、さまざまな分野で利用されています。

コスメックではダイカストマシン用の金型交換システム機器や部品などを製造・販売しており、なかでも、油圧クランプはベストセラー製品です。コスメックの主なダイカストクランプシステムには以下の製品があります。

GKBクランプ 【T溝手動スライドタイプ】(ダイカストマシン用)

10サイズの豊富なラインナップで小型から超大型まで、さまざまなマシンに対応できるクランプシリーズです。

防塵カバーやサビ予防の特殊コーティング、粉塵吸い込みを抑える無呼吸シリンダ、独自のシール技術など、過酷な環境下での使用を前提にした設計で動作不良を防ぎ、長寿命を実現しています。

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ハイパワーコアプッシュシリンダ

メカロック機構内蔵で同サイズ比250%の鋳造圧に堪えられるシリンダ。従来よりも小型かつ高い保持力を発揮できるため省スペース化を実現可能です。さらに、動作速度も速くなり、サポートシリンダが必要ないため、金型や制御設計をシンプル化できます。

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エジェクタカプラ (ダイカストマシン用)

機械外からのボタン操作でワンタッチ着脱可能なエジェクタカプラ。工具なしで機内での作業も必要ないため、金型交換の時間を短縮できるだけでなく、移動や危険な作業がゼロになるため作業効率や安全性、作業標準化の向上にも貢献します。

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FA設備・産業用ロボット関連機器

コスメックでは、工場の生産ラインを自動化するFA設備や産業用ロボットに関する機器の製造も行っています。代表製品は、動力源を選ばないニューコンセプトのスマートシリーズ。

エアや油圧、電動など、さまざまな設備に対応でき、油圧レスやカーボンニュートラル、SDGsなど、現代の企業が対応しなければならない多様な課題にもスマートに対応できます。

スマートシリーズ|ロケートクランプ

どんな設備にもフィットするスマートシリーズの1つで、パレット交換や段取り替えが簡単に行える位置決めクランプです。プッシュ面の押し込み・解除だけでリリースやロックが可能で、手軽にクランプと位置決めができます。

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スマートシリーズ|ロケートハンド

スマートシリーズの1つで、ワーク穴に内張りして把持できるハンド。グリッパ部の内蔵バネにより、プッシャーの押し込みで縮径、押し込みを解除することで拡径する方式で、高い保持力を発揮するとともに、スムーズなワーク交換を実現します。

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コスメックのハンドチェンジャーが優れている理由

ロボットアームに取り付けるツール次第で、多様な作業が可能になる。

ハンドチェンジャーは、コスメックが販売している産業用ロボット製品の1つで、ロボットアームの先端部に取り付けるハンドやツールなどを交換できるようにする機器です。

コスメックでは、設備停止やチョコ停(設備がわずかな時間停止するトラブル)が許されない製造現場への導入をベースにハンドチェンジャーを開発。独自構造である可動テーパスリーブの採用で高剛性・高精度を実現しました。

連結時のガタツキはゼロで、ミクロン単位の高精度機械加工用途に対応、チョコ停防止とともに、200万回使用しても精度を維持する高い耐久性など、他メーカーと一線を画す多くの機能を備えています。

ハンドチェンジャーとは

ハンドチェンジャーは、ツールチェンジャー、ATC(Automatic Tool Changer)とも呼ばれ、ロボットアームの先端を交換し、1台のロボットでさまざまな作業が行えるようにする自動工具交換装置です。

産業用ロボットに作業を行わせるためには、ハンドリングや組立、加工などの目的に合わせて、ハンド、ツール、エンドエフェクターなどの工具を先端に取り付けなければなりません。同じロボットでも、どの工具を取り付けるかによってできる作業が変わります。

通常、1つの工具では1種類の作業しかできないため、複数の動作を行うためには、都度工具の交換が必要です。しかし、人の手による交換作業は時間がかかる上にミスの原因にもなります。

ハンドチェンジャーを利用することで、自動またはワンタッチで工具を交換でき、時間短縮や生産性・品質向上の実現が可能となります。

ロボットハンドとは?

ロボットハンドは、産業用ロボットのロボットアーム先端に取り付け、人間の手の役割を果たす部品です。人間の指を摸した複数のツメをつけたり、真空・磁石を利用して吸着させるなどで、ワークをつかむ、持ち上げる、回転させるなどのハンドリング動作が行えます。

ほかに、先端部に作業目的に合わせた工具を取り付けることで、その種類に応じて加工や組立、溶接などの作業が可能になります。

ロボットハンドチェンジャー

コスメックのロボットハンドチェンジャーは、位置再現精度0.003mmを実現した高剛性・高精度・高寿命の製品です。チョコ停を防止するリフト機能やツール落下を防止するセルフロック機能など、安全性・生産性向上に配慮したさまざまな機能も搭載しています。

小型用から大型用までの幅広いラインナップに加え、電極やエアジョイントなど、豊富なオプション部品も取りそろえており、多様なニーズに対応可能です。

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手動式のマニュアルロボットハンドチェンジャーもラインナップ

コスメックでは、手動での交換ができるマニュアルロボットハンドチェンジャーも販売しています。プッシャーを押し込めばツールが着脱できる方式で、ワンタッチで簡単に手動交換が可能です。

一般的には自動交換のほうが利便性が高く見えるものの、人と一緒に作業を行う協働ロボットを使用している生産ラインへの導入では、マニュアルタイプも有力な選択肢といえるでしょう。

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ハンドチェンジャーを導入することで得られるメリットとは

ハンドチェンジャーを導入すると、ロボットの汎用化やヒューマンエラーの防止、省人化などのメリットが得られます。

生産ラインの自動化に大きく貢献するロボットですが、「産業用ロボットは半完成品」ともいわれるように、単体では自動化を達成できません。ロボットは、ハンドやツール、エンドエフェクターなどを使ってはじめて、さまざまな作業ができるようになるのです。

ハンドチェンジャーによって1台のロボットが多くの役割をこなせるようになれば、製造現場の自動化に大きく貢献できるようになります。

ロボットの汎用化

ロボットを汎用化できることが、ハンドチェンジャーによって得られる大きなメリットです。汎用化とは、特定の対象や用途以外にも使用できるように機能を拡張することをいいますが、ハンドチェンジャーを導入することで、1台のロボットが複数の多様な作業に対応できるようになるのです。

汎用化が実現すれば、工程ごとに何台ものロボットを導入する必要がなくなるため、作業時間の短縮や生産性向上につながり、さらに、生産ラインの省スペース化やコスト削減効果も期待できるでしょう。

ヒューマンエラーの防止

ハンドチェンジャーなら自動的に、あるいはワンタッチでのハンド・ツール交換が行え、付け替え作業時のヒューマンエラー防止にもつながります。

人の手で交換作業を行う場合、誤ったハンドを取り付けてしまったり、取り付け不良が起きたりとヒューマンエラーが発生する恐れがあります。また、ハンドチェンジャーを使用した場合よりも作業時間がかかり、交換時は製造ラインも停止しなければなりません。

ハンドチェンジャーを使用すれば、手動交換によって生じがちなミスやロスを防ぐことができ、生産効率の向上が期待できます。

省人化

ハンドチェンジャーによるさらなるメリットの一つは、1台のロボットが多くの作業をこなすことで、生産ラインの作業員を減らし、省力化できることです。

たとえば、切削加工のように従来は自動化が難しいといわれてきた複数の工具が必要な工程でも、ハンドチェンジャーによって最適化されたロボットが活躍できるかもしれません。こうして作業から解放された人員は、さらに生産性の高い部門で働けるようになるでしょう。生産ラインの省力化は、コスト削減につながるだけでなく、人員の再配置による生産性向上や人手不足対策も期待できるのです。

まとめ

ロボットによるスマートファクトリの組立ライン。

株式会社コスメックは、工作機械ジグ関連機器や射出成形機・プレス機の金型交換システムなど、多様な機器を製造・販売し、国内はもちろん、海外からも高い信頼と評価を受ける機械器具メーカーです。なかでも、ロボットハンドチェンジャーは、高精度・高剛性・高寿命が特徴で、ロボットが持つ機能の拡張に伴う生産ラインの省力化など、さまざまなメリットをもたらします。

自社の製造工程を効率化するために、ロボットのさらなる有効活用をお考えの場合は、コスメック製ハンドチェンジャーの導入を検討されてはいかがでしょう。もちろん、これからロボット自体の導入を予定されている場合も、ハンドチェンジャーとの組み合わせで考えることで、大幅なコスト削減と省スペースを実現できるかもしれません。

ロボカルでは、ロボット設備導入のプロたちが、業者探しから導入後のアフターサポートまでお客様に寄り添いながら対応させて頂いています。

ご提案までは全て無料です。ロボットの導入にお悩みの方は、ぜひお気軽にロボカルにご相談ください。

≪参考≫
コスメック

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