目次
広島県で産業用ロボットを導入して作業の自動化をお考えでしたら、ぜひともご検討いただきたいSIerがございます。
- 株式会社北川鉄工所:金属素形材の鋳造に強く、工作機器、環境機器、建設機械などさまざまな分野にも展開
- マツダエース株式会社:機械整備の開発~保守、情報技術、建設・建築設計や不動産コンサルティングまで幅広く
- 株式会社ジェーイーエル:半導体ウェーハ搬送用ロボット、液晶ガラス基板搬送用ロボットなど搬送ロボットに強い
この記事では上記3社の特徴をご紹介いたします。
株式会社北川鉄工所

基本情報
北川鉄工所は広島県府中市に本拠を置く、創業100年を超える製造メーカーです。
さまざまな鋳造技術によって素材開発や加工を行う「金属素形材事業」パワーチャックにおいては国内60%のシェアを誇る「工作機器事業」タワークレーンやコンクリートプラントを手掛ける「産業機械事業」の3分野を核とし、周辺領域に事業を拡大しています。
既存事業の多くが市場的に成熟を迎えている中、環境や医療といった新しい分野にも進出しています。
対応業種 | 金属、自動車部品、農業機械部品、建築機械部品 |
対応プロセス | 切削加工 |
住所 | 広島県府中市元町77-1 |
URL | https://www.kiw.co.jp/index.html |
ロボットスクールの有無 | 無 |
ロボットショールームの有無 | 有(ウェブ) |
導入実績・導入事例
導入事例1:ロボットハンド
北川鉄工所の主要3分野の1つ「工作機器事業」の主力製品がパワーチャックです。対象の工作物(ワーク)の加工中に安定した把握姿勢を保つために、チャックには高い精度と強度が必要とされます。
北川鉄工所では、チャックの開発・製造で培ったこの「ワークを把握する技術」を活用し「産業用ロボット専用グリッパ」の製造を行っています。
グリッパのラインナップには「2爪平行グリッパ」「3爪平行グリッパ」に加え「省段取りグリッパ」があり、簡単操作での交換、交換時のティーチングや調整不要、軽量・コンパクト化を実現しています。
導入事例2:ロボット加工ユニット
上記グリッパと組み合わせて使用する切削加工ユニットです。多関節ロボット、いわゆるロボットアームの部分は、7kg以上可搬のものであればメーカー不問で搭載可能です。
グリッパでCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の板材などのワークを掴み、固定用の平行グリッパの上に移動したのち、グリッパをこのユニットに交換して切削加工を行うといった一連のシステムとして提案されています。
特徴の1つとして、クランプ機構によってワークの加工反力を低減させ、高精度の加工を実現している点が挙げられます。CFRPの穴あけにおいては、マシニングと比較してデラミネーション(ラミネートフィルムの層間剥離)が生じません。
もう1つの特徴は、集塵機能の搭載によりクリーンな環境を維持できる点です。グリッパの下爪から集塵し、切削時に出る切粉およびツールに付着した切粉の両方を回収しています。CFRPのようにガラス繊維を含んでいる素材を切削する場合でも、この集塵機能によってクリーンで安心安全な作業環境が担保されます。
マツダエース株式会社

基本情報
マツダエース株式会社は広島県安芸郡に本拠を置く総合サービス企業です。自動車メーカーのマツダを筆頭株主とする直系企業であり、マツダで培ったノウハウを活かして幅広い業種の顧客に多種多様なサービスを提供しています。
とりわけ「プラントテクノロジー事業部」はマツダ本社の生産設備の設計・制作から改修やメンテナンスを担う部署であり、その技術的蓄積を基盤としてロボティクスの開発・運用に注力しています。
対応業種 | 自動車、エレクトロニクス、機械、食品 |
対応プロセス | 各種自動化設備、無人搬送車(AGV)、仕分け支援システム |
住所 | 広島県安芸郡府中町新地3-1 |
URL | http://www.mazdaace.co.jp/index.html |
ロボットスクールの有無 | 無 |
ロボットショールームの有無 | 無 |
導入実績・導入事例
導入事例1:ガントリーローダ(工作機間搬送装置)
加工対象のワークを1つの工作機械から取り出し、別の工作機械の作業プロセスに投入する装置です。この搬送のシステムは複数の工作機械間の上部で構築されており、250kg程度の重量物を搬送可能なものから軽量物搬送用のものまで幅広いラインナップが充実しています。
ガントリーローダ導入のメリットとしては
- ワークの脱着における人為的なミスの回避によって、品質安定化に繋がる
- 作業スタッフへの操作指導(ティーチング)が不要となり、リソースの節約に繋がる
- 人間では困難な重量物の自動搬送によって、作業時間短縮に繋がる
- 複雑な作業工程を統合化し、1ラインでの一貫工程が実現可能となる
などが挙げられます。とくに3.および4.においては大型のガントリーローダが有効であり、マツダエース株式会社の門型6軸タイプは、対面設置された複数の工作機械間でどのようなワークをも脱着できます。
導入事例2:自動倉庫
作業の工程間あるいはライン間において、ワークを一時保管する装置です。ワークをハンドリングする「スタッカ」と呼ばれるデバイスと、ワークを保管する「棚」とで構成されています。自動倉庫のシステムは自動車業界のみならずさまざまな業種で採用されていますが、それは重量物から軽量物まで幅広く取り扱えるためです。またマツダエース株式会社では「棚」を顧客の要望に応じて設計しているので、省スペース化にも有効です。
さらに、クリーンルーム用の自動倉庫システムも用意されています。クリーンルーム内でワークを運搬する際には、運搬用の走行体の移動による塵埃の、発生を抑制あるいは漏洩を防止する仕組みが必要となります。マツダエース株式会社ではクリーンルーム専用の駆動機構を搭載したスタッカで高いクリーン度を実現しています。
導入事例3:仕分け支援システム
多種多様な商品を配送先別に仕分ける作業を支援するシステムです。おもに物流業界で多く採用されているものですが、マツダエース株式会社の実績としてはとくに製パン業界での導入が多数です。バーコードをスキャンするだけの簡単操作で配送先へ送付する数量などの情報が表示され、仕分け作業を容易にします。
ガントリーローダ同様に、リソースの節約や作業時間短縮、さらには作業スタッフのストレス軽減など、導入のメリットは数々あります。
株式会社ジェーイーエル

基本情報
株式会社ジェーイーエルは広島県福山市に本拠を置くロボットメーカーです。
1993年設立とまだ若い企業ですが、搬送ロボットを事業の中核に据え、半導体ウェーハ・液晶ガラス基板・シャーレ/マイクロプレートなどの搬送にその技術を応用し展開を続けています。確かな実績と高い品質から「搬送ロボットはジェーイーエル」と業界でも高評価を得ています。
対応業種 | エレクトロニクス(半導体)、ガラス(液晶ガラス)、自動車部品 |
対応プロセス | 搬送システム |
住所 | 広島県福山市草戸町2-8-20 |
URL | https://www.jel-robot.co.jp/index.html |
ロボットスクールの有無 | 無 |
ロボットショールームの有無 | 有 |
導入実績・導入事例
導入事例1:半導体搬送ロボット
半導体デバイスの生産工程(前工程)や半導体ウェーハ生産工場において、ウェーハを安全かつ正確に搬送するためのロボットです。繊細な半導体を扱うロボットですのでクリーンルーム対応はもちろんのこと、真空環境下で動作可能なモデルや防水仕様のモデルなど幅広いラインナップが揃っています。
またロボット単体のみならず、周辺機器を包含したシステムとしての提供も行っています。装置へのウェーハの供給やソーティングなどを処理する機器とのシステマティックな組み合わせで、作業の高効率化が見込めます。
導入事例2:ガラス基板搬送ロボット
液晶および有機ELなどの生産工程(前工程)やガラス基板の生産工場において、基板を安全かつ正確に搬送するためのロボットです。こちらも半導体同様、当然クリーンルーム対応であり、かつ真空対応モデルも揃っています。
主力シリーズの1つである4軸円筒座標型リンク式の高真空対応クリーンロボット、FTVHR4000シリーズは、リンク機構においてベルトなどを使用していないため、低アウトガスを実現しています。これもまたクリーンルームに求められる仕様です。
導入事例3:シャーレ/マイクロプレート搬送ロボット
バイオテクノロジーや医療などの研究機関において、実験や検査で使用されるシャーレやマイクロプレートを安全かつ正確に搬送するためのロボットです。上記2例同様クリーンルーム対応であり、かつ無菌室にも対応しています。
単に運搬するのみならず、搭載されたチルト機構によってシャーレを傾けて、培養液などを吸引するという動作も可能です。
まとめ
広島県は鉄鋼業や工業を中心に産業発展を遂げた土地ですが、 時代の流れと産業構造の転換に伴い、歴史ある企業がロボット産業に携わるようになってきています。 また新興のロボットメーカーも生まれてきています。
システム導入に際して、老舗もニューカマーも含め、幅広い選択肢の中からお選びいただきご相談してみてはいかがでしょうか。