産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.03.31

スカラロボットのメーカー14社を特徴と合わせて紹介!

水平方向を自由に動き作業を行うスカラロボット。精度が高いことからさまざまな用途で用いられています。

スカラロボットを開発しているメーカーは多く、メーカーごとにそれぞれ特徴があります。今回はスカラロボットの製造メーカーの特徴と製造しているロボットについて紹介しますので最後までお読みください。。

この記事の結論

・スカラロボットはさまざまな企業で開発・製造がおこなわれている
・国内だけでなく海外メーカーもスカラロボットを取り扱っている
・スカラロボットはメーカーによって仕様がさまざまで特徴も異なる

スカラロボットを取り扱っているメーカーを紹介

スカラロボットを取り扱っているメーカーはたくさんあります。ここでは、メーカーの概要と取り扱っている製品を紹介します。

株式会社蛇の目ミシン

蛇の目ミシンはミシンを開発しているメーカーですが、培われた技術を基盤として産業用ロボットも手がけています。

同社では、以下のようなスカラロボットがラインナップされています。

  • 独自ソフトウェアにより簡単に作業のティーチングが行えるJS3シリーズ
  • 豊富なバリエーションを持つアーム長と高速モーターが特徴のJS/JSTHシリーズ
  • 消費電力を抑え、かつ小型なJSR4400Nシリーズ

株式会社デンソーウェーブ

デンソーウェーブは大手自動車部品メーカーのデンソーの子会社です。

産業用ロボット事業を行っており、自動車用だけでなく、電気・電子、食品、医療系の産業用ロボットも製造しています。小型産業用ロボットでは世界トップクラスのシェアを誇っています。

同社が製造しているHSR-048/055/065はクラストップレベルの速度で作業を行うことができ、長時間の動作が可能なロボットです。

軽量性と剛性に優れており、8kgの製品であれば問題なく高速で運搬できます。価格は公表されておりません。

川崎重工業株式会社

川崎重工株式会社は1896年創業の東京都港区に本社を構えるメーカー。バイクや鉄道車両などの開発を行っていることでも知られています。

産業用ロボットについても歴史があり、日本で最初に開発・製造した企業として有名です。

スカラロボットだけでなく垂直多関節ロボットや高速ピッキングロボットなど多種多様なロボットを製造しています。

同社の双腕スカラロボット「duAro」は人と同じ空間で作業ができる協働ロボット。

ダイレクトティーチングやタブレット端末での操作・教示が可能で、初心者でも直観的に扱うことができます。双腕であることから、単腕ではできない複雑な作業を行えます。

ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機はバイクやボートなども開発・製造している静岡県のメーカーです。直交ロボットや垂直多関節ロボットも扱っています。

同社の全方位スカラロボット YK-TWは天吊り構造のため、省スペースでの設置が可能なロボットとなっています。

下方1000mmの全領域にアクセスでき、軽量で高剛性のため、広いエリアで精度の高い作業が可能です。

ファナック株式会社

ファナックは世界でもトップクラスの規模を誇る産業用ロボットメーカーの1つ

黄色いロボットアームが特徴的で、生産工程の自動化事業(FA事業)を得意です。多関節ロボットに強みがあり、IoTにも力を入れています。

ファナックのスカラロボットとしてSR-3iA、SR-6iA、SR-12iA、SR-20iAがラインナップ。可搬質量は3~20kgと小型~大型までそろえています。

同じ動作を繰り返す速度や精度に優れており、電子機器の組立、搬送などさまざまな分野で利用できます。

セイコーエプソン株式会社

セイコーエプソンは世界初のクオーツ時計を開発した日本トップクラスの精密機械メーカーです。

プリンターが主力製品で、どの家電量販店にも売られているほど有名ですが、産業用ロボットの製造も行っています。

同社が開発したスカラロボットG3シリーズは、高速移動と高精度な作業が可能です。

搬送や組立を得意としており、作業効率の向上が実現できます。小型ロボットながら動作範囲が大きいのも特徴です。

芝浦機械株式会社

芝浦機械は2020年に東芝機械株式会社から会社名を変更した静岡県のメーカーです。

さまざまな製造現場の自動化や人件費削減、生産性の向上に貢献するシステムロボットや機械を駆動させるのに重要なサーボシステムの開発を得意としています。

同社のスカラロボットTHE600は最大12kgの製品の搬送が可能です。自動車部品や電子機器にも利用できます。

高速動作に優れており、2kgの製品を搬送した時のサイクルタイムが0.3秒台という結果が得られています。

最新の制御性能とネットワーク機能を備えたコントローラを使用しており、生産効率と品質の向上をサポートしてくれます。

KUKA株式会社

KUKAはドイツに本社がある産業用ロボットメーカーです。世界に多数の拠点を持っています。

自動車業界への産業用ロボットに強みを持っていますが、衛生面に優れた食品向けや半導体のクリーンルームなど各分野でさまざまな種類のロボットを開発しています。

同社のスカラロボット「KR SCARA」は高出力、高速、高効率な動作が可能なロボットです。小型部品の組立や、材料の加工、検査までさまざまな用途で利用できます。

TechShare株式会社

TechShare株式会社はロボットメーカーであるDOBOT社の国内正規代理店として、ロボットアーム製品や関連製品の販売と技術サポートなどのサービスエンジニアリングを行っている会社です。

DOBOT社のスカラロボット「DOBOT M1」は高精度で可動範囲の広い小型スカラロボットで、はんだ付けや視覚認識による組立が可能です。

ロボット本体の重量が16kgと軽く、プラグアンドプレイ方式のため複雑な作業なしに簡単に接続できます。衝突検知などの安全機能も搭載されており、事故を防ぐことも可能です。498,000円と安価で導入できます。

株式会社アイエイアイ

株式会社アイエイアイは1976年創業の静岡県のメーカーです。スカラロボットをはじめ、直交ロボットの設計・開発、製造を行っています。単軸のアクチュエータも主力商品です。

同社は、アーム長120mm~1200mmと超小型~超大型まで選択できる省設置スペースが可能なスカラロボットを開発しているのが特徴です。軽量物の搬送を得意としています。

ストーブリ株式会社

ストーブリ株式会社はスイスに本社を置き、日本では大阪に拠点をもつメーカーです。

さまざまな分野・用途で利用できる産業用ロボットや安全性の高い流体コネクト、電気コネクタ、繊維機械なども取り扱っています。

スカラロボットTS2シリーズは、優れた軽量性により、高い動作速度が実現されたロボットです。

ストーブリ製の減速機が採用されており、高精度で信頼性が高い製品となっています。アーム内部にエア配管と電気配線がある完全密閉型な点も同社の強みです。

株式会社安川電機

安川電機は産業用ロボットの累計台数世界一のロボットメーカーです。溶接や塗装用などさまざまな産業用ロボットを製造しています

自動車用の多関節・双腕ロボットに強みがあり、高いシェアを得ています。医療分野への参入にも注力しています。

同社のスカラロボットMOTOMAN-SGシリーズはクラストップレベルのサイクルタイムを誇っており、高速で高精度の動きが可能です。可搬質量3キロのSG400と6キロのSG650の2種類がラインナップされています。

株式会社不二越

不二越は富山県に本社を置いている、1969年から日本の産業用ロボットの開発を行っている老舗メーカーです。

自動車産業向けの大型溶接ロボットが主力でしたが、近年、小型垂直多関節ロボットなども発売しており、電気機器や一般産業機械向けにも拡販しています。

同社のスカラロボット「ES06」「ES12」は高剛性アームとサーボ制御により、高速・高精度の動作が可能です。精度が要求される組立作業に最適のロボットとなっています。

ハイウィン株式会社

ハイウィンは台湾のロボットメーカーです。多関節ロボットやパラレルリンクロボットなど、一般的に工場で導入されている機種は一通り取り扱っています

同社のスカラロボットは自社で開発した部品を用いており、優れた俊敏性と高精度の作業が実現されています。

先端に回転軸を取り付けることで自由度が増加し、汎用性が高くなり、あらゆる分野でさまざまな作業を行うことが可能です。

まとめ

スカラロボットを取り扱っているメーカーを紹介しました。メーカーには産業用ロボットをメイン事業としている企業や多くの事業を行っている企業などさまざまあります。

それぞれの企業で培われてきた技術を用いているため、メーカーごとにロボットの特徴も違います。

しかしながら、「どの会社のロボットを購入すればいいかわからない」という方もいると思います。その場合はシステムインテグレータに相談して決めることをおすすめします。

関連記事