産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.03.31

協働ロボットのデメリットは?導入に失敗しない方法と活用事例を紹介

人と同じ環境で働くことができる協働ロボット。人手不足の解消や生産効率の向上が可能になりますが、協働ロボットの性質を把握していないと目的にあう生産ラインを導入できず損失を招くかもしれません。

今回は、協働ロボットの導入で失敗しないために気を付けるべきことを紹介します。

この記事の結論

・協働ロボットは完全な無人化は難しいなどのデメリットがある
・協働ロボットを導入するためには目的を明確にすることが大切
・システムインテグレータと共同作業をして導入するので徹底したコミュニケーションをとることが重要

協働ロボットのデメリット

協働ロボットは人と同じ環境で人同様の作業ができるというメリットがありますが、デメリットも少なくありません。以下のようなデメリットがあるので詳しく紹介していきます。

  • 完全な無人化は難しい
  • 協働ロボットを扱える人材が必要
  • トラブルが発生する可能性がある
  • 初期費用が高額

完全な無人化は難しい

協働ロボットは人がやっていた作業を代わりに行うことができるロボットです。そのため、作業工程を協働ロボットだけで自動化するのは難しいです

ただし、協働ロボットは生産効率を向上させることができるので、人と協働ロボットの長所を活かすことでさらなる生産性の向上が見込まれます。

協働ロボットを扱える人材が必要

協働ロボットは他のロボットと違い、操作や検査を行うために必要な資格はありません。しかしながら、製品によっては複雑な作業を行わせるためにプログラミングの作成が必要です。そのため、ティーチングできる社員が必要となります。

ただし、現在の協働ロボットはアームを動かして動作を記憶させるダイレクトティーチングでできるため、簡単な教示であれば初心者でも利用することはできます。

トラブルが発生する可能性がある

協働ロボットだけの話ではありませんが、ロボットはトラブルが発生して、生産ラインを停めなければならない可能性があります。頻繁にトラブルが発生すると、生産が遅れて納期に間に合わなくなる場合も出るかもしれません。

そのため、トラブルを減らすためにも、日々のメンテナンスや点検が重要ですが、工数が発生してしまいます。

初期費用が高額

協働ロボットは初期費用が高額です。ロボット本体のみであれば、100万~400万円程度で購入できますが、ロボット以外にもベルトコンベアや架台、エンドエフェクタなどの装置を購入する必要があります。

また、ロボットの導入はシステムインテグレータと共同で行うため、システムインテグレータに対して支払うコストが発生します。ロボット本体の何倍もの費用がかかるため、非常に初期費用が高額になります

協働ロボットの導入で失敗しないためにできること

協働ロボットにはデメリットがあるため、導入の仕方を間違えると大きな損失になるかもしれません。そのため、導入に失敗しないためにできることを紹介します。具体的には以下のようになります。

  • 導入目的をはっきりとさせておく
  • 価格・導入費用と効果が見合うか確認
  • SIerと徹底したコミュニケーションを行う
  • 稼働前にテストを行い、トラブルを対策しておく
  • 協働ロボットを操作できるよう人材を育成する

導入目的をはっきりとさせておく

導入する目的を把握しましょう。目的を明確にしておかないと、ロボットを選ぶときに不要な機能を追加したり、目的が変わって最適なロボットを導入できなくなってしまう可能性があります。

大きな損失につながる可能性もあるため、社内で導入する理由を話し合って決めることをおすすめします。

価格・導入費用と効果が見合うか確認

協働ロボットの導入は高額なるケースもあるため、事前に費用対効果を検討してください。いつまでに投資額を回収できるか「回収期間」を計算しておくことをおすすめします。

SIerと徹底したコミュニケーションを行う

ロボット導入のための相談から生産ラインが稼働するまで、SIer(システムインテグレータ)と共同で作業を行います。

そのため、あなたの工場で理想の生産ラインを構築するためにも、SIerとしっかりとコミュニケーションを行うことが必要です。

少なくとも依頼前にどのような生産システムを構築したいか提案依頼書を作成しておくことをおすすめします。

作成することで、SIerの提案が具体的になり、見積もりも正確になるため、円滑にロボットの導入を行うことができます。

稼働前にテストを行い、トラブルを対策しておく

稼働前にしっかりとテストを行い、事前にトラブルを見つけて対策しておくことが大切です。テストをしっかり行うことでどのようなトラブルが起きるかがわかります。

そのため、事前に解決できるものは対策を行い、稼働開始した時のトラブルを削減できます。

協働ロボットを操作できるよう人材を育成する

ロボットにトラブルが起きたとき、ロボットの検査をしたり、操作を行う場合が出てきます。そこで、ロボットを正確に扱える人材が必要です。

現在社内に扱える人がいない場合は、資格を所持している人を雇うか、社員にセミナーや講習会に参加してもらい、資格を取得してもらいましょう。

協働ロボットの導入事例|実際のコストも紹介

実際に協働ロボットがどのように使われているか見てみましょう。経済産業省と一般社団法人日本ロボット工業会が発行した「ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018」から導入事例と実際のコストを紹介します。

包装機へのハム・ソーセージ製品投入ロボットシステム|日本ハムファクトリー株式会社

日本ハムファクトリー株式会社では多品種で形状の違う製品を扱うハムソーセージを包装機へ投入作業を作業者の手で行っていました。しかし、重労働であることと人件費がかさむという問題がありました。

そこで、協働ロボットを2台導入し新たに生産システムを構築します。結果、ロボットによる包装機への投入が可能になり、労働環境の改善と人件費削減を実現できました。 

協働ロボットとパレットストレージ導入による医療用分包紙検査作業環境の改善|株式会社タカゾノ

株式会社タカゾノでは、出荷工程で、複数の上流機から流れる12kgの製品を作業者2人で行っていましたが、作業時間の増加や労働環境が悪いため改善が必要でした。

そこで、省スペースで利用できる協働ロボットを導入します。コンベアとロボットを連動させることで、作業者の負担を減らし、人件費も2人分削減できるようになりました。

協働ロボットと人工知能技術を組み合わせた多品種油圧機器外観検査作業の省コスト化|稲坂油圧機器株式会社

稲坂油圧機器株式会社では、建機用の多品種油圧パイロット弁の外観検査を作業者が目視で傷や刻印の検査を行っていましたが、熟練者でないと困難な作業でした。

そこで、画像認識できるAIと協働型の双腕ロボットを活用します。3台のカメラが搭載された画像認識機能付き双腕ロボットを導入したことにより、良品の判定が行え、生産性を向上することができました。

まとめ

協働ロボットのデメリットと導入に失敗しないために必要なことについて紹介しました。ロボットの導入には、機能を把握して、目的に沿った作業を行えるかどうかを検討することが大切です。

また、生産ラインの稼働のためには、SIerの存在が欠かせません。理想の生産システム構築のためにも、まずはSIerに相談してみてはいかがでしょうか?

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