産業用ロボットSIer 300社掲載

2023.04.18

ロボットエンジニアに未経験でも転職できる?活かせる資格や将来性は?

タブレットによりロボットを管理するロボットエンジニア

技術の発展に伴いロボットを導入する現場が増えました。ロボットエンジニアとは、ロボットの開発・設計からメンテナンス・保守点検まで担当するエンジニアです。最先端の技術にかかわりたい、世の中に貢献したいという気持ちから、ロボットエンジニアになりたい人は多いのではないでしょうか。

この記事では、ロボットエンジニアの仕事内容や年収、ロボットエンジニアに転職する際に役立つ資格などについて解説します。未経験から転職できるかどうかも解説するので、ぜひ、参考にしてください。

ロボットエンジニアとは?

ロボットをメンテナンスするロボットエンジニア

ロボットエンジニアとは、ロボットの開発・設計を行い、実用化されたあとのメンテナンス・保守点検をサポートするエンジニアです。ロボットエンジニアは、製造現場で働く産業用ロボット・医療用ロボット・農業用ロボットなど、さまざまなジャンルのロボットにかかわります。

技術が発展するにつれ、各業界でロボットの導入が進むと考えられます。ロボットエンジニアは、人々の生活を便利にして、社会に貢献する大切な仕事といえるでしょう。

どんな仕事をするの?

スマートファクトリー化に向けロボットを調整するロボットエンジニア

ロボットエンジニアは、開発・設計の初期段階から参加し、実用化後のメンテナンス・保守点検まで担当します。以下では、ロボットエンジニアの詳細な仕事内容を解説します。

仕様・用途の策定

仕様・用途の策定とは、ロボットの要件を定義することです。ロボットエンジニアは、クライアントから「ロボットにどのような作業を任せたいか」「どのような課題を解決したいか」などの要望を聞き取り、具体的な仕様に落とし込みます。

クライアントごとに、ロボットを開発・導入する目的はさまざまです。クライアントの希望に応えるロボットを作るためには、ロボットエンジニアのヒアリング力が問われます。

ロボットの設計・開発

ロボットの設計・開発は、大まかに「センサー機能」「制御機能」「駆動機能」の3つのチームに分かれて行われます。センサー機能とは、人間でいうところの五感に相当する機能です。制御機能とは、頭脳に相当する機能です。また、駆動機能とは、動作に関する機能です。

それぞれのチームは定期的に情報を共有しつつ開発・設計を進めます。また、3つのチームをまとめるために、マネジメント役が必要です。

検証・実験

検証・実験では、当初に決めた仕様のとおりにロボットが動作するかどうかを検証します。仕様どおりに動作することを確認できたあとは、実用化を想定した実証試験に移ります。

例えば屋外で働く農業用ロボットは、風雨や日光などの影響を受けながら稼働しなければなりません。ロボットエンジニアは実証実験を繰り返し、問題なく動作するようにロボットを調整していきます。

メンテナンス・保守点検

実用化されたロボットのメンテナンスや保守点検も、ロボットエンジニアの仕事です。メンテナンス・保守点検では、ロボットの部品を交換したり、修理したりして、ロボットのパフォーマンスを最適化します。

メンテナンス・保守点検中は一般的にロボットを停止させるため、ロボットエンジニアは速やかに作業を進める必要があります。

給料や年収はどれくらい?

ロボットエンジニアの給料のイメージ

2023年3月の時点で求人ボックスに掲載されていた情報によると、ロボットエンジニアの平均年収は約477万円でした。職種全体の年収幅は330〜835万円であり、比較的バラつきが大きいと分かります。

一方、民間給与実態統計調査によると、2021年の給与所得者の平均年収は約443 万円でした。経験や勤務先によって収入は変動しますが、全体と比較すると、ロボットエンジニアの平均年収はやや高めと言えます。

参考:求人ボックス|ロボットエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
参考:国税庁│令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-

ロボットエンジニアに転職する際に活かせる資格は?

CADを操作しながら打ち合わせをするロボットエンジニア

資格を取得すれば、必ずロボットエンジニアになれる訳ではありません。ただし、資格取得を目指して勉強する過程で、企業が求める知識が身につくと考えられます。ロボットエンジニアに転職する際に活かせる資格を紹介します。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験とは、IT関連の国家資格です。2023年3月時点で、情報処理技術者試験は、12の区分に分けられます。簡単なものでは、ITの入門資格とも呼べるITパスポートがあります。

他にも、基本情報処理技術者や、実用的な知識を問われる応用情報技術者試験などがあるため、レベルや目的に応じて受験しましょう。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構│情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験

機械設計技術者試験

機械設計技術者試験は、日本機械設計工業会が実施する民間資格です。機械設計技術者試験では、機械工学に関する知識や技術を問われます。試験の難易度は1~3級の3段階に分けられ、実務経験なしで受験できるのは3級のみです。まずは3級を受験して、転職して実務経験を積んでから2級以上にチャレンジするとよいでしょう。

参考:一般社団法人 日本機械設計工業会│機械設計技術者試験

電気主任技術者試験

電気主任技術者試験は国家資格です。電気主任技術者になると、受電設備や配線設備の保守・監督を行う仕事に従事できます。

電気主任技術者は第一種から第三種まで分けられ、それぞれ扱える電圧が異なります。第三種では電圧が5万ボルト未満、第二種では電圧が17万ボルト未満、そして第一種になると電圧の制限なくすべての事業用電気工作物にかかわることが可能です。

参考:一般財団法人 電気技術者試験センター

CAD利用者技術者試験

ロボットの外観や内部構造をデザインする際には、CAD(Computer Aided Design)が使われます。CADとは、設計や作図に使うツールです。

CAD利用者技術者試験は3次元CADと2次元CADに分けられ、3次元CADの方がハイレベルです。3次元CADの資格を取得すると、立体的な作図や、重量・体積・表面積などの計算ができると証明できます。

参考:日本通信紙株式会社│CAD利用技術者試験

ロボットエンジニアに転職するために磨いておくべきスキル

通信技術とロボットアームのイメージ

ロボットエンジニアに転職するためには、技術的な知識に加え、社会のニーズを把握するスキルや語学力なども必要です。ロボットの開発・設計を通じて社会に貢献するために、幅広く知識やスキルを身につけましょう。

ロボット工学に関する基礎知識を磨く

ロボットエンジニアを志す人は、一般的に専門学校や大学、大学院などで知識を習得します。ロボット全般には、機械工学・電気工学・電子工学・数学・情報分野・計測制御などの知識が必要です。

なお、ロボットによっては業界特有の知識も求められます。例えば、医療用ロボットを開発・設計する場合は、人間工学や医学の知識などが役立ちます。

社会のニーズやロボットの可能性を追求する能力を磨く

ロボットエンジニアには、想像力も必要です。社会のニーズに合わないロボットを作っても、需要が見込めません。また、クライアントの希望をかなえるためにも、想像力が求められます。ニュースやプレスリリース、企業サイトや展示会などを参考に、どのようなロボットが求められているか想像してみましょう。

語学力を磨く

英語や中国語などの語学ができるロボットエンジニアは、活躍の幅が広がります。ロボットの開発・設計は世界中で注目されています。最新の技術動向を把握するためには、語学が堪能な人ほど有利です。

また、各国のロボットエンジニアとチームを組んで働く際に、複数の言語を使えた方がコミュニケーションを取りやすくなります。

未経験でも転職できる?

複数のロボットエンジニアによるミーティング

未経験からロボットエンジニアになることは、ハードルが高いと言わざるを得ません。ただし、資格を武器に転職すれば、ロボットエンジニアになれる可能性があります

実務経験なしでも取得できる資格には、基本情報処理技術者や応用情報技術者試験、機械設計技術者試験の3級などが挙げられます。採用過程ではロボットエンジニアとしての資質も問われるため、論理的な受け答えや発想力、創造力などをアピールしましょう。

ロボットエンジニアの将来性

街を見下ろすロボットエンジニア

ロボットエンジニア業界は拡大中で、将来性がある仕事と言えます。ロボットのニーズが高まっている背景には、少子化による人手不足があります。ロボットであれば労働時間を気にせずに、持続的に働かせることが可能です。しかも、人では危険な場所でもロボットなら作業できます。人では難しい精密な作業も、ロボットなら対応できます。

ロボットエンジニアには、幅広い知識とスキルが必要です。未経験からの転職は大変ですが、ニーズを考えるとロボットエンジニアに転職するメリットは十分にあります。

まとめ

作業に取り組むロボットエンジニア

ロボットの開発・設計に携わるロボットエンジニアは、将来性があって社会貢献ができる仕事です。未経験者であれば資格取得を目標に知識を身につけましょう。資格を武器にすれば、ロボットエンジニアに転職できる可能性が高まります。

ロボカルでは、FA業界の機械設計、制御設計、ロボットティーチングに特化したエンジニア向けの案件紹介サービスを行っています。

全国の多忙なSier・自動化設備メーカーのお仕事を支えてくださる個人のエンジニアの方を募集しております。
https://lp.robokaru.jp/agent

また、機械設計・制御設計・ロボットティーチングマン不足でお困りの企業様はこちらより全国で活動しているフリーランスエンジニアを紹介させていただきます。
https://robokaru.jp/contact

お気軽にお問い合わせください。

関連記事