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2023.04.03

鋳造機械とは?基礎知識からおすすめ企業まで詳しく解説!

鋳造機械とは

ロボカル_鋳造機械とは

鋳造(ちゅうぞう)機械とは、溶かした金属を作りたい形状の型に流し込み、冷やし固めることで成形する鋳造加工を行う為の装置のことです。成形から次工程への搬送まで連続的に行うことのできる連続鋳造機や、ロボットを搭載することで量産性を向上させた鋳造機械もあります。

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鋳造機械を用いるメリット

鋳造機械を用いるメリットには以下の3点が挙げられます。

  1. 品質を安定させることができる
  2. 製品の単価を下げられる
  3. 様々な形状、大きさの製品を作れる

鋳造機械を用いるデメリット

鋳造機械を用いるデメリットには以下の3点が挙げられます。

  1. 金型設計の難度が高い
  2. 鋳造独自の不良がある
  3. 固定費が大きくなる

鋳造機械に関わる用語

鋳造機械には独自の用語が使われるため、聞き慣れない用語を目にすることも多くあるのではないでしょうか。ここでは、鋳造機械でよく用いられる専門用語を紹介します。

溶湯

金属を溶かし、液体状になったものが溶湯です。アルミの融点は約660度、鉄は約1200度で、この温度以上にすることで溶湯を作ります。

アキュムレーター

金型に溶湯(ようとう)を射出する際の圧力を増幅する為に用いられる圧力容器です。主に窒素が封入されており、気体の圧縮性を利用することで大流量、高圧での射出を可能とします。

鋳込み

溶湯を流し込む工程です。金型に金属を行き渡らせることを充填すると言います。鋳込み工程では温度管理や成分調整が重要なポイントです。

型割れ

金型を使用した結果、割れることを型割れと言います。小さな亀裂が発生することが多く、製品の品質に影響を及ぼすため、点検により早期の発見、対処が重要です。

ダイキャスト鋳造

溶湯に圧力を与え、金型に射出する鋳造方法を“ダイキャスト鋳造”と言います。付加される圧力は数MPa程度で、短時間で金型の隅々まで溶湯を行き渡らせることが可能です。

鋳巣

鋳物の表面や内部に発生する想定していない空洞を鋳巣(ちゅうす、いす)と言います。溶湯が十分に行き渡らないことにより発生する引け巣、鋳造過程で巻き込んだ空気により発生するブローホール、溶湯中のガスにより発生するピンホールなど種類は様々です。

中子

鋳造において、中空部を作るために用いられる部品が中子(なかご)です。中子は砂で作られており、中空にしたい部分にセットすることで溶湯の流入を防ぎ、空間を作ることができます。後工程では中子に振動を与え、崩すことで製品の外へ排出することができます。

湯口

溶湯を注ぎ込む為に鋳型に設けられた口です。製品より高い位置に儲けることで静圧を与える役目もあります。

解砂

砂型を用いた鋳造において、鋳物を取り除くために砂型を解体することを解砂(かいさ・かいじゃ)と言います。小型の砂型であれば人手で行い、大型のものは機械を用いて作業します。

鋳造機械に用いられる材料

鋳造機械に用いられる材料には、以下のようなものがあります。

素材
ロボカル

鋳鉄

高強度で剛性の求められる製品には鋳鉄(ちゅうてつ)が用いられます。鋳鉄は熱伝導性や耐摩耗性にも優れているのが特徴です。

銅合金

熱伝導性や耐腐食性に優れるという特徴があります。また適度な強度を有し、見た目も良いことから、銅像をなど装飾物に多く用いられます。

アルミニウム合金

軽量で高強度である点がアルミニウム合金の特徴です。また表面に酸化皮膜を作ることから耐腐食性にも優れます。

特殊合金

製品の硬さ、重量、靱性などにより高い要求が求められる場合は、一般的な合金ではなく特殊合金が用いられることがあります。その場合は鋳造機械も一般的なものではなく、専用に設計されたものが使用されます。

鋳造機械が用いられる製品例

鋳造機械が用いられ加工される製品にはとても身近な物が多くあります。今回はその一部をご紹介いたします。

ロボカル

マンホール

鋳造によって製造されたマンホールは、強度が高く、長い期間使用することができます。また、マンホールは様々なデザインが施され、同じ形状の物が多数製造されることから鋳造に向いている製品の一つです。

消火栓

消火栓は水を供給するための栓であり、大きな内圧が掛かります。また、複雑な形状のものが多いため、加工形状の自由度が高い鋳造が用いられます。

ポスト

特に、丸型タイプのポストは鋳造により製造されています。最近見られる四角いタイプのものは製缶板金加工が用いられることが多くなっています。

街路灯

街路灯はデザイン性を重視されることが多く、複雑な形状でかつ強度が求められる製品です。これらの特徴から鋳造が多く用いられます。

車の部品

自動車部品の一部であるシリンダーブロック、シリンダーヘッド、トランスミッション、サスペンションなど、高い強度と精度が求められる部品に鋳造が用いられます。特に精度の求められる部位は機械加工などが行われます。また、自動車は大量生産されるためコスト面のメリットも大きいです。

鋳造機械を使用した加工プロセス

鋳造機械では材料の投入や加工後の搬送などが行われることもありますが、主な目的は鋳造です。ここでは鋳造にフォーカスし、そのプロセスについてまとめました。

参考URL:株式会社シオノ鋳工https://shiono-cast.com/facility/working/

製品を受注(発注)する

はじめに、顧客の要求仕様に基づき、どのような形状、大きさ、デザインにするかを決定します。一度製造が始まると修正には工数とコストが掛かるため、この時点で十分な検討を行うことが重要です。

砂型・金型の造形する

鋳造では、金型や砂型を用いて製品の形状を作ります。金型の場合はCNC加工機などを用いて加工し、砂型の場合は型枠に砂を詰め成形するのが一般的です。砂型は再利用が可能なため、加工後は繰り返し利用されます。

鋳型に注湯する(鋳込み)

溶湯を鋳型に流し込みます。溶湯は高温で液体状ですが、鋳型に流し込まれると急速に冷却され、製品が形成されます。この時、溶湯の注入速度、温度、圧力などにより製品の品質が大きく左右されるため、注意が必要です。

解枠して製品を取り出す

溶湯が十分に冷え固まったら、鋳型から製品を取り出す工程です。砂型の場合は解砂を行い、金型の場合はそのまま取り出しますが、離型剤を塗布することによって作業を容易にすることができます。

ショット掛けで表面処理する

製品の表面を綺麗に仕上げる目的で行われるのが、ショット掛けの工程です。ショット掛けでは、小さな鋼の玉を高速で製品の表面に当て、汚れや傷を削り取ることができます。

鋳仕上げで不要部分を取り除く

鋳造では加工方法の性質上、不要部分やバリなどが多くできることは避けられません。そこで、鋳仕上げでは、バリ取りを行ったり機械加工により製品の表面を整えます。製品の要件を満足できるよう最適な仕上げ方法を選択することが重要です。

製品の出来栄えを検査する

最初の工程で取り決めた要件を満足しているかを検査します。寸法、表面性状、その他要求を図面に基づき誤りがないか確認しましょう。

塗装する

最後に製品を塗装し仕上げます。塗装が行われる目的としては、デザインはもちろんのこと、耐久性や耐食性向上のためにも重要な工程です。

鋳造機械のおすすめ企業5選

鋳造機械を保有し、高品質な製品を迅速に製造するには高い技術とノウハウが必要です。そのため、鋳造製品の受注を行うメーカーも限られてきます。ここではおすすめの鋳造機械を保有する製造メーカーを紹介します。

大阪高級鋳造鉄鋼株式会社

大阪高級鋳造鉄鋼株式会社は大阪に本社を置き、鋳造製品の製造、販売を行う企業です。主要部品は、自動車部品、建設資材、鉄道関連部品、発電機部品など多岐に渡ります。大手自動車メーカーとの取引もあり、高品質な製品で信頼の高さを誇ります。

http://www.osaka-koukyu.co.jp/

トキワロイ工業株式会社

トキワロイ工業株式会社は真空鋳造技術を用いた製品の製造を行っています。アルミ合金、マグネシウム合金などを用いた製品の製造を行っており、粉末配合から手がける超硬合金メーカーです。小ロットの受注にも力を入れていることが特徴で、小回りの効く国内鋳造製造メーカーとして重宝されています。

https://www.tokiwalloy.com/

株式会社ナガセ

株式会社ナガセは、低圧鋳造技術を持つ金属加工メーカーです。様々な加工技術を有しており、一貫した受注が可能です。特に粉末塗装やショットブラストなどの表面処理も行うことができ、高品質な鋳造製品の製造に力を入れています。

https://www.net-nagase.co.jp/

泉メタル株式会社

泉メタル株式会社は、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、特殊鋼など様々な素材の鋳造製品を加工する技術を有したメーカーです。様々な製品の加工実績があり、主に自動車部品、航空宇宙部品、医療系機器部品、産業機械部品などにおいて高品質な製品を製造しています。

https://www.izumi-metal.co.jp/

オーエヌ工業株式会社

オーエヌ工業株式会社は、本社および工場を岡山県に持つステンレス配管製造メーカーです。配管製造では鋳造が用いられる為、長年培った製造技術、ノウハウがあります。その技術を活かしステンレス鋳造の受注も行っています。さらに、自社開発の3Dプリンターにより、迅速かつ正確なプロトタイプ製造のサービスも展開しています。

https://www.onk-net.co.jp/

まとめ

今回は鋳造機械について、用語や加工プロセスなどの基礎知識から鋳造機械を保有した企業についてまとめました。

鋳造機械を用いることで製品の品質を安定させ、大量生産することでコストを下げることができます。鋳造機械に関わる用語は専門的なものが多く、それらを正しく把握することが重要です。加工プロセスも鋳造機械ならではの工程があるため、それを把握した上で加工を行ったり、依頼するようにしましょう。鋳造機械の取扱メーカーも素材や形状によって得意不得意がある為、考慮した上で選定する必要があります。

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