産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.04.30

小型多関節ロボットの価格は?メーカーごとの製品を紹介!

省スペースで設置できるため、あらゆる目的で使用しやすい小型ロボット。価格は10万円から300万程度のものまでさまざまなものがラインナップしています。今回は、各メーカーが製造・開発をしている小型ロボットを値段とあわせて紹介します。

この記事の結論

・小型多関節ロボットは20万円から購入できる
・高速・高性能のロボットは200万円以上の場合もある
・さまざまなメーカーで発売されており、それぞれのロボットに特徴がある

小型多関節ロボットの価格

小型多関節ロボットは一般的な産業用ロボットと比較すると低価格で導入できます。100万円以下のものも多く、安いものだと20万円代から可能です。ただし、高速・高精度を求めると価格が200万円以上のロボットも少なくありません。

種類もさまざまで、垂直多関節ロボットやスカラロボット、協働ロボットなどがそろっています。

「ロボットが100万円以下で買えるなんて安い!」と思うでしょうが、購入するときに1つ注意することがあります。それはロボット本体以外にも費用が発生するということです。

本体を購入するだけでは稼働することができません。生産ラインを構築するために必要な費用や目的の動作を行わせるためのロボットハンドの製造費、生産ラインの設計から本稼働までを支援してくれるシステムインテグレータ企業に支払う費用などか発生します。

そのため、導入すると、ロボットの何倍もの金額が発生してしまうかもしれません。

小型多関節ロボット13選を価格とあわせて紹介

小型多関節ロボットはさまざまなメーカーで販売されており、それぞれに特徴があります。ここでは、各メーカーのロボットについて価格と共に紹介していきます。ただし、価格が公表されていなかったロボットに関しては記載しておりませんのでご了承ください。

小型垂直多関節ロボットTVL500|芝浦機械

引用元:https://www.shibaura-machine.co.jp/jp/NEWS/technology/2014_0417.html

芝浦機械の小型垂直多関節ロボットTVL500は業界でトップレベルの性能を持ったロボットです。標準サイクルタイムが0.3秒と高速性が抜群です。

利便性が高く、配線の固定に使えるサービスタップや第一アームのT溝が標準装備されています。コストパフォーマンスを追求した新コントローラを採用しており、前モデルより低価格で使い勝手が向上しています。

オプションによって、I/Oパネルの位置の選択や防塵・耐水使用も可能になっています。ロボットの価格は150万円(税抜き)です。

DOBOT MG400|DOBOT

引用元:https://techshare.co.jp/product/dobot/mg400/

DOBOT MG400は、19cmx19cmのスペースでも設置可能な小型産業用ロボットです。

750gの可搬重量で440mmの稼働範囲と使える条件は限られますが、衝突検知機能もついており、産業用として安全に使用できます。低価格ながらすべての関節にエンコーダが使用されており、無駄な動作の少ないことも特徴です。

ダイレクトティーチングを採用していることで、初心者でも簡単に教示できることもメリット。軽量のため、移設も簡単です。25万円と低価格で購入できます。

Mantis Series|ダイナックス

引用元:http://dynax-corp.com/product8.html

ダイナックスのMantis Seriesは、小型の6軸垂直多関節ロボット。低価格ながら、全軸にサーボモータとハーモニックギアが搭載されており、精密な動作が可能となっています。

コントローラとロボットは2本のケーブルで接続されておりメンテナンスしやすいのが特徴です。

標準ソフトウエア として採用された「Fics-Ⅴ」は、簡単にプログラミングできるようになっており、初心者でも扱いやすい仕様となっています。価格は未公表されていません。

軽量コンパクトロボット MZ07|不二越

引用元:https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/rob/hand/mz07a.htm

不二越の軽量コンパクトロボット MZ07はリーズナブルで導入しやすい価格ながら世界で最も動作速度が速いロボットです。配線や配管を手首に収納できるため、省スペースでの設置ができます。

汎用性が高く、視覚仕様や力覚センサ仕様によりさまざまな場面で使用でき、生産性向上にはぴったりのロボットになっています。価格は公表されておりません。

N6シリーズ|セイコーエプソン

引用元:https://www.epson.jp/products/robots/6axis/n6/

セイコーエプソンのN6シリーズは、可搬重量を6kg、アーム長を1000mmながら狭いスペースに設置できる小型ロボットです。独自のアーム構造によって、同社の従来ロボットより広い可動範囲を持ており、より汎用性が向上しました。

機械部品や電子部品の搬送、ピッキング作業などの用途で活躍します。価格は240万円(税抜)となっています。

小型多関節ロボット SW-V1|FUJI

引用元:https://www.fuji.co.jp/items/smartwing

FUJIの小型多関節ロボット SW-V1はティーチング作業が不要な小型ロボット。座標の補正ができ、現物で合わせる必要がなくなるため、生産ラインの立ち上げ時間短縮に大きく役立ちます。

精度が高く、細かい作業も可能です。画像処理データとロボットプログラミングを簡単に誰でも作成できるため、初めて導入する会社でも安心して使えるでしょう。

事前に工数のかかりやすいカメラ設定を行ってくれるため、導入時に行わなければならない作業を削減し、他社機種よりスピーディに稼働までできるようになります。価格は記載されておりません。

miniROBO|新光エンジニアリング

引用元:http://www.shinko-eng.co.jp/product/many_joint.html

新光エンジニアリングのminiROBOは低価格なのに対し、可搬重量が5kgというスペックを持っている小型ロボットです。5軸タイプと6軸タイプのものが発売されていますが、それぞれ18cm×18cm、20cm×20cmとかなり狭い場所でも設置できます。

ロボットハンドについては仕様に合えばオーダーメイドで製造したものも接続可能。部品のピッキングや組立、整列作業を行うことが可能です。価格は公表されておりません。

Rシリーズ|川崎重工

引用元:https://robotics.kawasaki.com/ja1/products/robots/small-medium-payloads/

川崎重工のRシリーズは高速作業が得意な小型ロボットです。軽量性の高いアームと高出力のモータを使用していることからサイクルタイムの削減に成功しました。

手首が細くなっており、狭い場所へのねじ締めや加工などの作業ができるため、さまざまな製品に対応しています。

ロボット本体の下方も動作できるので生産ライン構築の自由度が非常に高いです。オプションで、周辺機器の取り付けもできます。価格は非公表です。

LR Mate 2001D|ファナック

引用元:https://www.fanuc.co.jp/ja/product/catalog/pdf/robot/LRMateiD(J)-07.pdf

ファナックのLR Mate 2001Dは、人の腕の大きさほどの小型ロボット。高剛性のアームと独自のモータ技術により、振動のすくない高精度で高速な作業が行えます。

省スペースでの設置が可能なため、生産ラインによっては再構築を行わずに導入することもできるかもしれません。

バリエーションが豊富で、アームのリーチが550・717・911mmの3パターンから選択が可能です。オプションでクリーンタイプ、洗浄用防水タイプ、5軸高速タイプなども追加できます。

ロボットに内蔵されている1RVisionやセンサによって知能化も機能を利用できます。価格は公開されていません。

COBOTTA|デンソーウェーブ

引用元:https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/collabo/cobotta.html

デンソーウェーブのCOBOTTAは軽量性と操作性に優れた小型の協働ロボットです。ロボット本体の重量が4kgで持ち運びが簡単ですぐに作業を始められます。

人と同じ環境で稼働できるため、設置するときに安全柵が不要です。ロボットの関節で指を挟まないようにしたり、速度監視用のセンサを取り付けることで安全性が非常に高いです。

アーム部を直接動かして教示するダイレクトティーチング方式を採用しているため、専門的な知識や技術は必要ありません。200万円程度で購入できます。

MOTOMAN-GP4|安川電機

安川電機のMOTOMAN-GP4は、高速性に優れた小型ロボットです。

同社の従来モデルと比較して、163%の速度向上を実現し、さらなる生産性向上が可能となりました。防塵・防滴保護に強みを持っており、過酷な環境でも利用することができます。

安川電機には他にも小型ロボットがラインナップ。スカラロボットのSGシリーズや超小型タイプMotoMINIなど目的に沿ったロボットを購入することができます。価格は公表されておりません。

YAシリーズ|ヤマハ発動機

引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/robot/lineup/ya/ya-6/

ヤマハ発動機のYAシリーズは、最新の制御技術を用いた高精度の小型ロボットです。アームの軽量化と高速なサーボモータを用いたことで正確かつスピーディに作業を行うことができます。

汎用性が高く、ピッキング、組立、製品の箱詰め、検査業務などで利用できます。サイクルタイムが短縮できるため、スピードが求められる作業で導入することをおすすめします。

また、オプションではPC上で生産ラインの設計データを見ることができるソフトウェアを用意。ロボットのトラブルチェックやオフラインティーチングを行うことができ、生産ラインの構築に大いに貢献してくれます。価格は公表されておりません。

IRB 1300|ABB

引用元:https://new.abb.com/news/ja/detail/67621/new-irb1300-small-robot-family

ABBのIRB 1300は、汎用性に優れた小型ロボットです。ピッキングや検査はもちろんのこと研磨などの加工まで使用することができます。

3つのバリエーションがあり、可搬重量とリーチの長さがそれぞれ11kg・90cm、10kg・115cm、7kg・140cmと用途に合わせたロボットを選択できます。

ハンドの形状によっては重量物や複雑な形状をしたワークも運ぶことができます。ベースの寸法が22cm×22cmの空間のため、場所を取らずに設置することが可能です。価格は公表されておりません。

まとめ

小型の多関節ロボットと価格について紹介しました。メーカーによってさまざまなロボットが発売されており、価格は10万円台から300万円程度と差が大きいことがわかりました。

また、性能についてもメーカーによって異なるため、初めて導入する場合、あなたの工場に最適なロボットを選択するのは難しいかもしれません。

ロボット導入に失敗しないためにも、一度システムインテグレータ企業に相談してみることをおすすめします。

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