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産業用ロボットの従事者には特別教育が義務付けられていますが、特別教育のインストラクター資格を取得すれば、自社内で特別教育を行うことが可能になります。この記事では産業用ロボット特別教育インストラクター資格制度の概要から取得方法まで詳しく解説します。
自社内でロボット人材を育成したいと思っている担当者様は特に必見の内容です。
・産業用ロボット特別教育インストラクター資格とは特別教育を担当するインストラクター向けの資格制度
・インストラクター資格を取得するためには東京または大阪にて4日間の少人数研修に参加する必要がある
・研修は3日間の講義と1日間の実技で構成される
産業用ロボット特別教育インストラクター資格とは
産業用ロボット特別教育インストラクター資格とは、産業用ロボットの特別教育を担当するインストラクターの養成を目的として、特別民間法人 中央労働災害防止協会(中災防)が実施している資格制度です。
インストラクター資格の主な対象者は、産業用ロボットの特別教育の講師となる方です。資格取得者は「産業用ロボット特別教育インストラクター」と呼ばれ、自社の社員などに対して特別教育を実施することが可能になります。
産業用ロボット作業に従事するほとんどの人は厚生労働省が定める「労働安全衛生法第59条第3項」によって特別教育を受講することが義務づけられているため、自社内にインストラクター資格の保有する社員が一人でもいるとロボットに関わる業務や社内教育が円滑に進むでしょう。
産業用ロボット特別教育インストラクター資格の取得方法
産業用ロボット特別教育インストラクター資格を取得するためには、4日間の研修に参加する必要があります。一研修あたりの定員は20名の少人数研修となっており、研修中には受講者同士が協力して実施する実技なども含まれています。4日間の大まかな内訳は下記の通りです。
- 講義(3日間)
- 実技(1日間)
講義と実技の内容についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
講義
研修前半は、
- 産業用ロボットの関係法令
- 産業用ロボットに関する知識
- 産業用ロボットの教示等の作業に関する知識
- 産業用ロボットの検査等の作業に関する知識
- 特別教育の方法論(指導案の作成、役割演技)
などについて講義形式で学びます。
実技
研修後半は講義で学んだ知識を活かしながら、
- 産業用ロボットの操作
- 産業用ロボットの教示
- 産業用ロボットの検査
- 指導案の作成
- 実際の現場を想定したロールプレイ(役割演技)
などの実技が実施されます。
産業用ロボット特別教育インストラクター資格の受講場所・開催日程・費用など
受講場所
中央労働災害防止協会の研修施設である、東京安全衛生教育センター(東京都清瀬市)および大阪安全衛生教育センター(大阪府河内長野市)で受講することが可能です。
開催日程
開催日程は東京と大阪によって異なりますが、およそ1ヶ月半の周期で開講されています。最新の開催日程につきましては、それぞれの公式ウェブサイトでご確認ください。
- 公式ウェブサイト:東京安全衛生教育センター
- 公式ウェブサイト:大阪安全衛生教育センター
費用
受講料は税込み88,000円(テキスト代を含む)となっています。この他に、4日間の食事代が別途必要です(1日あたり2,320円)。泊まり込み研修に係る宿泊代は無料です。
申込方法
公式ウェブサイトに掲載されている「受講申込書」に必要事項を記入の上、
- FAXもしくは郵送で提出
- 直接持参
のいずれかの方法で申し込みすることが可能です。
まとめ
本記事では産業用ロボット特別教育インストラクター資格制度の概要から取得方法まで詳しく解説しました。産業用自社の社員が特別教育のインストラクター資格を取得すれば自社内で特別教育を実施することが可能になり、ロボット人材の育成が促進されます。
長期的な視点で自社工場に産業用ロボットの導入を検討している方は、産業用ロボットインストラクター資格の取得も合わせて検討してみてはいかがでしょうか?