産業用ロボットSIer 300社掲載

2021.04.30

塗装ロボットのティーチング方法|簡単なシステムやおすすめのSIerを紹介!

塗装ロボットではさまざまなティーチング方法があります。最近ではプログラムの自動作成支援システムなどの技術が開発されており、より便利になっています。今回は塗装ロボットの最新技術や塗装に強いSIer企業についても見てみましょう。

この記事の結論

・塗装ロボットはオンライン・オフライン・ダイレクトの3種類のティーチングがある
・塗装ロボットはティーチング技術が進化しており、数分で精度の高いプログラムを作成できる
・塗装ロボットシステム構築のためにもSIerと共同で立ち上げていくことが大切

塗装ロボットのティーチング方法を紹介

塗装ロボットに採用されているティーチング方法はさまざまな種類があります。具体的には以下のようなものがあります。

  • オフラインティーチング
  • オンラインティーチング
  • ダイレクトティーチング

それぞれ詳しく見ていきましょう。

オフラインティーチング

オフラインティーチングはPC上でプログラミングを行い、ロボットにデータを転送して動作を教え込ませるティーチング方法です。

PCだけでなく、スマホなどの端末からでもプログラムを作成が可能です。PCでティーチングするため、直接現場に向かわなくていいですし、産業用ロボットを停止させる必要がありません。

PC上で動作を確認し、問題なさそうであれば実際にテストで稼働します。

オンラインティーチング

オンラインティーチングはティーチングペンダントを用いてプログラム方法です。ゲームコントローラーのようなティーチングペンダントでロボットを操作し、動作を教示させます。

各関節の位置や姿勢、アームの先端の座標などを1つ1つの動作を記録することで1サイクルの作業ができるようになります。記録した動作は再生して確認することが可能です。これをプレイバック方式とも呼びます。

プログラミングを直接書き込む必要がないため、ティーチングペンダントの使い方を覚えれば初心者でも扱えます。

ただし、実際にロボットを動かしてティーチングを行う必要があるので、生産ラインを停めなければならないのが難点です。

ダイレクトティーチング

ダイレクトティーチングは直接ロボットを手で動かして動作を教え込ませるティーチング方法で、直接教示法ともいいます。

人がロボットの先端を手で動かして動きを記憶させるだけでティーチングが完了です。難しい操作はほとんどありません。ただし、正確にティーチングすることが難しいのがデメリットとなります。

塗装ロボットのティーチングを簡易化するための技術

塗装ロボットのティーチングをワークやティーチング方法によりますが、プログラムを作成するのに何時間もかかってしまう場合があります。

しかしながら、そのような問題を解決するために、さまざまな技術が開発されてきているので紹介します。

今回紹介するのは、以下のようなものがあります。

塗装ロボットがベテランの作業を簡単に再現できるティーチング支援システム|旭サナック

旭サナックは、ベテランの作業を簡単に再現できるティーチングシステムを開発しました。

塗装ロボットにベテランの作業データプログラムを送ることで、ティーチングの作業時間を大幅に減らすことができるのが特徴です。

ベテランのスプレーガンの位置や姿勢、動作、塗装のオンオフを4つのカメラで測定してデータ化を行います。その後、データ化したものをプログラミングに変換し、塗装ロボットに組み込むことでティーチングが完了です。

従来の塗装ロボットのティーチングは数時間かかるという問題がありました。しかしながら、この技術によって2~3分程度でのティーチングが可能となり、生産ラインの立ち上げ工数削減に大きく貢献します。

また、ベテランが退職したとしても、データとして残すことができるため、技術を継承しやすいというメリットもあります。

ティーチングアシスト|タクボエンジニアリング

タクボエンジニアリングでは、プログラミングを可能な限り自動化した独自のティーチングソフトを開発。

通常であれば塗装ロボットは、ロボット専用のティーチングソフトを用いて教示を行いますが、同社のソフトは塗装ロボットに特化していることが特徴です。

スプレーガンの塗装条件や、塗装作業特有の回転制御、位置制御などを簡単にティーチングできる機能が搭載されており、工数を可能な限り削減できます。

塗装ロボットシステムを構築できるSIer企業

塗装ロボットのティーチングを簡単にするためには、導入時に要望通りのロボットシステムを構築することが最も大切です。そのためには、SIer企業の存在が欠かせません。

そこで、塗装ロボットシステムを構築できるSIer企業を紹介します。

今回紹介するのは以下の5社です。

  • 高丸工業株式会社
  • 芝浦機械エンジニアリング株式会社
  • エフエー・ネット株式会社
  • 株式会社日立産機システム
  • 株式会社ICHIKAWA

高丸工業株式会社

高丸工業株式会社は兵庫県西宮市にあるSIer企業。さまざまなメーカーを取り扱っており、特徴を客観的に見られることが強みです。

顧客に対して最適なロボット選びが可能で、ロボットシステムの計画から稼働までを一貫して行うだけでなく、オペレーターの教育まで実施してくれます。

芝浦機械エンジニアリング株式会社

芝浦機械エンジニアリング株式会社は静岡県沼津市にあるSIer企業です。2020年4月に東芝機械エンジニアリング株式会社から社名が変更されました。

主に芝浦機械の装置やロボットを取り扱っており、自動化装置、塗装装置などの構築を得意としています。

エフエー・ネット株式会社

エフエー・ネット株式会社は愛知県名古屋市にあるSIer企業です。溶接設備の構築が得意で、計画から実機のティーチングまで一貫してサポートを行い、顧客の目的にあわせた生産ラインの構築を行っています。

自動車メーカーからの依頼が多いため、塗装ロボットを扱った生産ライン構築が可能です。20年の歴史からさまざまな技術を提供してくれます。

株式会社日立産機システム

株式会社日立産機システムは東京都千代田区にある産業機械メーカー及びSIer企業です。自社製品の製造販売がメインですが、SIerまでできることを強みとしています。

ロボットシステムのノウハウより、最適な産業用ロボットの選定や作業効率化などのためのシステムアップデートも行うことができます。

株式会社ICHIKAWA

株式会社ICHIKAWAは広島県広島市のSIer企業です。自動車産業や食品分野などあらゆる産業での実績があります。安川電機の代理店で、製品の単体販売も行っています。

システム構築から設計、ラインの立ち上げ、試運転まで一貫して行うため、顧客のニーズに沿ったシステムインテグレーションが得意です。

まとめ

塗装ロボットのティーチングについて紹介しました。現在、さまざまな技術が開発されており、ティーチングが比較的簡単にできるようになっています。工数削減を行いたい企業にとって欠かせないものになってくるでしょう。

また、塗装ロボットを用いた生産ライン立ち上げのためにはSIer企業との作業が欠かせません。もしロボットの導入を検討しているのであれば、塗装に強みのあるSIer会社に相談してみましょう。

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