「“技術力”に“つながり”を。ロボカルがくれた次の一手」エンジニア高田知志さんのインタビュー

今回はエンジニアとしてロボカルがご紹介した案件にご参画されている高田さんにインタビューをさせていただきました。これまでのキャリアや独立後の苦労、ロボカルへの期待など多くをお話頂きました。
ロボカルとの出会い
── ロボカルとの出会いについて教えていただけますか?
高田知志さん:偶然ロボカルのサイトを見つけて、もともと自分自身が持っていた着眼点とロボカルさんが目指す方向性がすごく似ていると感じ、「これは一緒に何かできるかもしれない」と思っていました。
──そこから直接お声がけいただいたと伺っています。
高田知志さん:はい。最初は「本当に大丈夫かな?」と思う部分もありましたが、話してみるととても地に足のついた組織だと感じました。むしろこちらから「協力させてくれませんか?」と打診させてもらった形です。
── ご自身が動かれたからこそ今のつながりがあるんですね。実際に連携されてどうでしたか?
高田知志さん:実際に関わってみて、エンジニアにとっても企業にとっても、ロボカルのように間に立って橋渡しをしてくれる仕組みの必要性をより強く感じました。技術や経験があっても、それを必要としている企業とうまく出会えないケースは多くあります。そうしたミスマッチを解消してくれる存在として、ロボカルの意義は非常に大きいと思います。
ロボカルの魅力と今後の可能性
── ロボカルと関わる中で、良かったと感じることはどんな点ですか?
高田知志さん:私自身のお客様から組込み系のエンジニアについてご相談を受けたことがありました。かなり特殊な内容だったのですが、ロボカルには幅広い分野のエンジニアが登録されていて、その中から適任の方をご紹介できました。結果としてお力になれたのは大きかったですね。
── 人脈が増えることで、できることが格段に広がっていきますよね。
高田知志さん:まさにそうです。今回のように、自分の技術だけでなく、ロボカルを通じた横のつながりを活かして既存のお客様に新たな価値を提供できたことで、信頼関係をより深められたと感じています。こうしたネットワークがあることは、独立して活動する上でも大きな強みになります。
異色のキャリアと“独立”の決断

── 高田知志さん自身、これまでにかなりユニークな経歴を歩まれてきたと伺いました。
高田知志さん:機械設計士としてのキャリアは、エレベーター業界での製品設計や試験装置などの機械設計からスタートしました。その後、一度製造業を離れてBMWで営業を経験し、最終的には機械設計士として独立しました。
── BMWの営業ですか!?かなり異色のキャリアですね。
高田知志さん:独立するには、設計スキルだけでなく、自分の技術を伝えて“選んでもらう力”が必要だと感じていました。でも当時の自分にはその力がなく、「このままでは独立は無理だ」と危機感を覚えました。そこで、結果がすべての世界に身を置こうと決め、BMWの新車営業に就きました。営業の仕事は簡単ではなく、最初はまったく売れませんでしたが、「ここで一人前になれなければ独立はできない」と自分に言い聞かせて続けました。6年かかりましたが、目標をやり遂げ、自信を持って独立に踏み出すことができました。
── それだけ本気で準備されていたのですね。
高田知志さん:独立すれば自由にはなりますが、そのぶん仕事が保証されているわけではありません。すべて自分で考え、動き、仕事を取っていく必要があります。だからこそ、「自分で仕事をつくっていける」という確かな自信を持ちたかったんです。
独立して得たものと苦労
── 実際に独立して感じた良かった点と大変だったことは?
高田知志さん:一番は“時間と収入の自由度”ですね。自分の時間をコントロールできるので、家族のために使える時間も増えました。目標にしていた月収200万円も達成でき、安定よりも“可能性”を求めてこの道を選んで良かったと思います。大変だったのはスケジュール調整です。仕事が途切れないように売上を伸ばしたかったので、案件の終わりと次の案件の始まりを1週間ほど重ねるようにしていました。
その1週間は実質“2人工”分を一人でこなすようなもので、仕様変更やスケジュールのズレがあると重なる期間が長くなり、休みも睡眠も取れず、PCの前で仮眠をとりながら作業する日々もありました。
ですが現在は、協力体制を築けるエンジニアさんと出会えたことで、こうした負荷はかなり軽減され、スケジュール調整の苦労も解消できています。
技術者コミュニティの必要性と可能性
── 今後、ロボカルに対して期待していることをお聞かせください。
高田知志さん:“エンジニア同士のコミュニティ”をぜひ作ってほしいです。この業界は、秘密保持の観点から致し方ない部分もありますが、非常に閉鎖的な側面があります。多くのエンジニアが自分の所属する会社やプロジェクト内でしか物事を見られず、他の現場や業種で「何が常識か」「どんな技術が使われているか」を知る機会が少ないのです。しかし、そうした知見に触れることで、自分の技術の幅や可能性は大きく広がることもあります。
これは私自身、ロボカルを通じて多くのエンジニアと話す中で強く実感しています。
コミュニティの中で着眼点を共有したり、第三者からフィードバックをもらえる仕組みがあれば、自己評価が苦手なエンジニアの支えにもなり、新しい気づきや成長につながるはずです。
独立は“挑戦したい気持ち”に応える道
── 最後に、独立を目指すエンジニアの方にメッセージをお願いします。
高田知志さん:技術的な探究心がある人には絶対に向いています。逆に他責志向だったり責任感が弱い人には厳しい世界かもしれません。でも、自分の興味が広がっているなら、一歩踏み出してみるべきだと思います。
── ご自身も今、海外案件に関わっていると伺いました。
高田知志さん:はい。現在は、海外のインフラ工事向けに使われる大型のコンベヤ設備の設計に携わっています。独立していなければ、こういったスケールの大きな仕事に関わることはなかったと思います。これからも視野を広げ、積極的にいろんなことに関わっていきたいですね。
インタビュイープロフィール
エンジニア
高田 知志(たかだ さとし)
1981年、岐阜県生まれ。大手ポンプメーカーで生産技術を経験後、エレベーター製造メーカーで意匠板金設計や試験装置、LED表示機器の設計に携わる。その後、BMW正規ディーラーでの営業職を経て、2011年に副業として機械設計を開始し、2012年に独立。以降、自動車部品・産業用ロボット・食品包装・医療機器・プラント・工作機械・エレベーター設備など多岐にわたる装置設計に従事。現在は自身の設計業務に加え、ロボカルと連携しながら、同じ立場のフリーランスエンジニアのサポートや、企業とエンジニアの間に立った調整・提案などにも取り組んでいる。
インタビュアープロフィール
株式会社ロボカル 技術チーム
丸山 耀平(まるやま ようへい)
1996年、埼玉県生まれ。栄東高校を卒業後、東京電機大学へ入学。2020年にストラパック株式会社に入社し、FA部としてシステムラインの仕様検討から構想設計、見積作成、発注、納期管理、現場据付工事、オペレーション教育まで一連の業務に携わ