【2025年版】生産技術で独立は可能?向いている人や注意点なども徹底解説

結論からいうと、生産技術エンジニアとして独立することは、決して不可能ではありません。
しかしながら業態の関係上、他のFA業界と比較して高いハードルがあるのは事実です。
そこでこの記事では、生産技術で独立するための方法や独立に向いている人、その注意点などを徹底解説します。記事を読めば、自分が生産技術エンジニアとして独立すべきかの判断材料が得られます。
将来的に、自分の事業を持ちたい生産技術エンジニアにとって有益な情報ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
生産技術で独立する2つの選択肢

生産技術で独立するには、大きく分けて以下2つの選択肢があります。
- フリーの生産技術エンジニアになる
- 製造業コンサルタントになる
1. フリーの生産技術エンジニアになる
まずフリーランスとして独立し、プロジェクトや特定業務を委託形式で請け負う形が考えられます。
フリーの生産技術エンジニアとして働く場合、生産ラインの設計や設備導入支援、工程改善などの業務を個別に受注することになるでしょう。
しかし生産技術職での業務委託求人は、現状ほぼ皆無です。そのため、フリーランスで独立するのは難しいかもしれません。
今後の働き方の多様化に伴い、徐々に業務委託形式の案件が増加する可能性はあります。フリーランスになりたい生産技術エンジニアの方は、エンジニア向けの転職エージェントや求人サイトに登録し、こまめに案件をチェックしておきましょう。
ロボカルでも、業務委託形式の案件を取り扱っています。情報を見逃さないためにも、ぜひ以下のリンクから登録しておいてください。
2. 製造業コンサルタントになる
「製造業コンサルタント」とは、製造企業に対してコンサルを行う職業を指します。製造効率や管理状況の改善を行い、業務効率化を図るのが目的です。
生産技術職から独立するのであれば、コンサル業は比較的現実的な方法です。生産技術の仕事では課題を発見・解決する能力が求められるので、スキルを遺憾なく発揮できます。
しかしながら、コンサル業は一朝一夕では成立しません。長期的な実務経験から築いた豊富な知識や実績、強固な人脈が必要な点を留意しておきましょう。
【現実】生産技術エンジニアが独立することは可能!ただし実現のハードルは高い

生産技術エンジニアは、制御設計や機械設計などの他FA業界の職種と比較しても、独立の難易度は高めといえます。
生産技術の業務には、工場や設備といった大きなリソースが必要です。これらのリソースを、個人で賄うことは非常に困難です。
しかし、決して独立が不可能なわけではありません。コンサルタントやアドバイザーとして、知識やノウハウを武器にした独立の道は存在します。
明確なキャリアパスと綿密な準備さえあれば、高いハードルを乗り越えて独立が可能となるでしょう。
生産技術エンジニアで独立に向いているのはどんな人?5つのパターンを紹介

生産技術エンジニアとして独立に向いている人は、以下5つに当てはまる人です。
- 問題発見力・課題解決力が高い
- 効率化・改善への強い情熱を持つ
- ものづくりへの情熱と関心が強い
- コミュニケーション能力が高い
- 技術への好奇心・探究心が強い
1. 問題発見力・課題解決力が高い
生産技術エンジニアとして高い評価を得るには、表面化していない課題や問題を見抜き、解決する力が求められます。
問題の本質を見極めて論理的に原因を分析し、最適な解決策を提示・実行できれば、独立後もクライアントから信頼される存在になれるでしょう。
問題や課題を発見し、解決する能力は、すべての生産技術エンジニアの必須スキルです。
2. 効率化・改善への強い情熱を持つ
生産技術エンジニアは、製造現場の効率化と改善を求められる仕事です。つねに効率や品質を良くできないか考え、改善を追求できる姿勢は重要です。
工程や仕組みの見直しや、状況に応じた新たな技術の導入など、現場の改善に積極的に取り組む姿勢は、独立後における同業他社との差別化ポイントになります。
3. ものづくりへの情熱と関心が強い
製造現場やプロセスに深い関心を持ち「ものづくり」そのものを楽しめる方は、独立後に成功する可能性が高い人材です。
困難な状況にぶつかっても会社員時代の経験やスキルを活かし、前向きに取り組めるならば、 課題や問題は必ず解決に向かうでしょう。
情熱的に仕事に励む姿勢は必ずクライアントにも伝わり、信頼構築の一助となることは間違いありません。
4. コミュニケーション能力が高い
会社では仕事や部署の統括は管理職が行うので、極論、会社員に高度なコミュニケーション能力は必要ありません。しかし独立後は、多様なクライアントやスタッフ、 他部門との連携を自分で図る必要があります。
その際、円滑に業務を調整し交渉できるコミュニケーション能力は、効率よくプロジェクトを進め、信頼を構築する力になります。
また、独立後は仕事を自分で取ってこなくてはいけないため、営業力という意味でも、コミュニケーション能力は高いに越したことありません。
5. 技術への好奇心・探究心が強い
現代では生成AIやIoTなど、新しい技術への人々の関心がますます高まってきています。このような技術への探究心を持ち、常に学び続ける姿勢がある方は、変化の激しい製造業界でも大いに活躍できます。
最新技術を積極的に取り入れてクライアントに価値を提供できれば、独立した後でも仕事に困ることはありません。
生産技術での技術探求に楽しさを感じる方は、独立を検討してみましょう。
生産技術エンジニアが独立する前にすべき5つのこと

生産技術エンジニアが独立を志したとき、まずすべきことを以下5つにまとめました。
- 専門知識やスキルを身につける
- 関連性が高い資格を取る
- 会社員として経験を積む
- 意識的に人脈を形成する
- 計画的に独立資金を貯める
1. 専門知識やスキルを身につける
生産技術エンジニアとして独立するには、高度な専門知識とスキルが必須です。個人事業主は会社員と異なり、さまざまな業務を自分が主軸となりこなす必要があります。
具体的に必要な知識やスキルは、次のようなものです。
- 生産ラインや設備に関する知識
- CADやCAEなどツールを使いこなすスキル
- 工程設計や設備導入に関するスキル
- 課題を発見・解決するスキル
- コミュニケーションスキル
- 最新の技術や設備を使いこなすスキル
- 新規顧客を開拓する営業力 など
専門知識やスキルがあれば、市場価値の高いエンジニアと判断され、独立後にも仕事を取れるようになります。
2. 関連性が高い資格を取る
厳密には、生産技術エンジニアの独立に必須の資格はありません。しかし資格を取得すれば、自分の知識やスキルを客観的に証明できます。
以下に挙げる資格のうち、自分に関連性が高いものを取得するのがおすすめです。
- 生産技術者マネジメント認定(CPE)
- CAD利用技術者試験(主に2DCAD)
- 機械保全技能士
- 情報処理技術者試験
- 品質管理検定(QC検定)
資格は、独立の際に強力な武器となります。リスキリングも兼ねつつ、独立前に取得しておきましょう。
3. 会社員として経験を積む
まず会社員として、生産技術の経験を積むことは重要です。
ただ独立するだけであれば、新卒でも可能です。しかし安定的に仕事を得るには、相応の実務経験が必須となります。
基準としては「生産技術者マネジメント認定」の想定する受験者像の欄を参考にしましょう。それぞれの想定受験者像は、次のとおりです。
- CPE-A級:10年以上
- CPE-B級:5~10年
独立時期に明確な基準はありませんが、実務経験が豊富であれば、さまざまな案件に対応できる専門性を持つ人材であると、クライアントから判断されやすくなります。
4. 意識的に人脈を形成する
製造業で独立を考えるならば、意識的な人脈形成はとても重要です。
独立後は会社というセーフティネットがなくなり、能動的に仕事を探さなくてはいけません。仕事を探す際、会社員時代に形成した人脈は生命線となります。
信頼できる人脈形成には、以下のようなメリットがあります。
- 新しい仕事を紹介してもらえる
- 困った時に相談できる
- 最新の業界の情報を共有しあえる
- 他部門の専門家とつながりができる など
人脈を形成するには会社員としてプロジェクトに関わるほか、以下のような機会を利用しましょう。
- 業界の勉強会やセミナーに参加する
- SNS で発信を行う
- オンラインのコミュニティに参加する
- 異業種交流会に参加する
人脈形成は一朝一夕ではなく、コツコツと行うことが大事です。自分がもらう側になるばかりでなく与える側にもなることで、相互関係を築けるため、さらに人脈の枝葉は広がります。
5. 計画的に独立資金を貯める
十分な資金を貯めずに独立してはいけません。事業について緻密な資金計画を立てておかないと、意味のない失敗を繰り返す原因となります。
独立してから事業が軌道になるまで、どれぐらいのキャッシュフローが必要かを必ず計算しておいてください。計算の際は、主に以下の2つを考えましょう。
- 開業費用・運転資金
- パソコン・ソフトウェア代
- 専門機材購入費
- インターネット費用
- オフィス・事務所費用
- 生活費
生活費は最低でも6ヶ月、できれば2年は無給でも過ごせるぐらいの額を貯金してください。上記の資金は、できれば自己資金で賄うのが理想です。
しかし、足りない分は融資も受けられます。金融知識もなく創業融資を自分で申請するのは難しいので、不安な方は税理士に相談するのがおすすめです。
生産技術で独立する際の注意点3選

生産技術で独立する際は、以下3つの注意点を押さえておきましょう。
- 行き当たりばったりで独立しない
- 小規模なビジネスから始める
- 独立前に必ず専門家に相談する
1. 行き当たりばったりで独立しない
行き当たりばったりの独立は、絶対に辞めてください。あまりも無計画な状態で独立すると、資金繰りやクライアント獲得、業務運営の面で行き詰まるリスクが極端に高くなります。
ロードマップをしっかり作れば多少のつまずきが起こっても、事業の維持が可能です。
「やってみる」ことと「行き当たりばったり」はまったく異なります。独立の際は事業の方向性やターゲット、提供するサービス内容などを事前に策定し、現実的な路線で事業計画を立てましょう。
2. 小規模なビジネスから始める
独立直後は売上がゼロからスタートするため、失敗するリスクが高くなります。いきなり大きな規模で始めるのではなく、極力リスクを抑えたスモールビジネスでスタートしましょう。
小規模に事業をスタートすれば、失敗してもすぐに再チャレンジできます。小さな成功を積み上げていき、徐々に拡大していくのがビジネスの基本です。
3. 独立前に必ず専門家に相談する
独立前には、必ず専門家に相談してください。 同業者で相談に乗ってくれる人が1番ですが、つながりがない場合は専門知識を持つアドバイザーでも問題ありません。
知識やスキル、経験が備わっていても、どのように事業を進めていくべきか分からなくなる場面は必ずやってきます。
迷った際の相談先を設けておけば、1人で悩まずスムーズに課題や問題を解決可能です。
独立の相談に関しては、ロボカルでも受け付けています。専任のアドバイザーが親身に相談に乗るので、ぜひ以下のリンクから気軽にご連絡ください。
【まとめ】独立を考える生産技術職の方はぜひロボカルに相談を

生産技術職の独立は、他FA業界と比較してハードルが高いものとなっています。しかし、綿密な事業計画と資金さえあれば、十分独立は可能です。
事業が成功するか否かは、事業者の知識やスキル、実績に大きく左右されます、まずは現職で中長期的な実務経験を積み、独立のタイミングを見計らうのがポイントです。
独立に関しての相談先は必ず設けておきましょう。当社でも高い専門性を持つアドバイザーが相談に乗るので、ぜひ以下のリンクからご利用ください。