【2025年最新】生産技術エンジニアの平均年収は?求められるスキルや年収を上げる方法も解説

生産技術は、高い専門性を求められる職種です。年収面においても、全国的な平均年収と比較して高い傾向にあります。
しかし、ネット上には「生産技術は負け組」「生産技術はやめとけ」などという情報が散見され、将来が不安になっている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では生産技術職の平均年収を、詳細な参考データとともに徹底解説します。生産技術職として年収アップを図るための、具体的な方法についても触れています。
生産技術としてのキャリアを固めたい方にとってタメになる情報ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
生産技術の平均年収は?新卒初任給についても解説

まず生産技術職の平均年収と、新卒就職者の初任給について解説します。
【結論】生産技術の全国平均年収は497万円
求人ボックスの統計によると、生産技術職の正社員における平均年収は「497万円」です。
一方、国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全給与所得者の全国平均は「460万円」です。よって生産技術職の給与水準は、全国平均より少し高めになります。
ちなみに生産技術職における、その他雇用形態の平均時給は以下のとおりです。
- 派遣社員:平均時給 1,793円
- アルバイト・パート:平均時給 1,248円
ただし求人ボックスのデータによると、生産技術職全体の給与幅は328〜943万円と広い傾向にあるため、勤務先や経験、求められるスキルによって大きな差があるといえます。
新卒者の初任給は23~30万円ほど
生産技術職の新卒者初任給は、学歴や業務内容、企業規模で大きく差があります。ここでは、著名な10社をランダムで抜き出し、25卒の初任給を表にまとめてみました。
企業名 | 学歴 | 初任給(2025年4月実績または予定) |
ダイキン工業 | 大学卒 | 290,000円 |
修士了 | 310,000円 | |
博士了 | 330,000円 | |
味の素 | 高校卒 | 241,000円 |
高専卒 | 248,000円 | |
学士卒 | 275,000円 | |
修士卒 | 287,000円 | |
川崎重工業 | 高専(本科)卒 | 240,000円 |
大学・高専(専攻科)卒 | 260,000円 | |
修士了 | 281,000円 | |
博士了 | 342,340円 | |
コマツ | 学部卒 | 287,300円 |
修士卒 | 307,300円 | |
太平洋セメント | 高専本科卒 | 277,300円 |
学部・高専専攻科卒 | 300,000円 | |
修士了 | 320,000円 | |
JX金属 | 大学卒 | 275,000円 |
修士卒 | 302,100円 | |
博士卒 | 335,800円 | |
第一三共 | 高専(本科)卒 | 267,000円 |
学士(4年制)・高専(専攻科) | 290,000円 | |
修士・学士(6年制) | 319,000円 | |
東芝 | 学部卒 | 269,000円 |
修士卒 | 294,000円 | |
博士卒 | 343,500円 | |
アイオン株式会社 | 学卒 | 234,200円 |
院卒 | 255,950円 | |
山崎製パン | 大卒 | 240,500円~265,800円 |
院了 | 248,800円~274,100円 | |
福井村田製作所 | 高専本科卒 | 232,000円 |
大学卒・高専専攻科卒 | 235,500円 | |
旭化成グループ | 大卒 | 233,180円 |
修士 | 258,040円 | |
博士 | 302,440円 |
専門性が求められる生産技術は、基本的に学歴が高いほど初任給は高くなります。これは、大学や専門学校での研究経験を持つ人材が、生産技術では高く評価されるためです。
同じ企業内でも、採用コースや職務内容に応じて初任給に差があるため、就活時は企業の採用情報をよく確認しましょう。
生産技術が年収アップする2つの方法

生産技術職で年収を上げる具体的な方法は、以下の2つです。
- 今の会社でのキャリアアップを狙う
- 待遇が良い企業に転職する
1. 今の会社でのキャリアアップを狙う
現職でのキャリアアップは、年収アップのもっとも堅実かつ現実的な方法になります。社内評価を上げてキャリアアップを狙うには、以下3つのポイントを押さえましょう。
- 日々の業務で具体的な成果を出す
- 積極的なスキルアップを目指す
- 資格を取得する
新規製造ラインの立ち上げや既存設備の改善などで日々実績を積み重ねれば、昇進や昇格のチャンスが広がります。
また、積極的なスキルアップや資格取得も重要です。企業によっては資格手当制度があり、間接的な年収アップにつながるためです。
業務をこなすなかで成果物を出してスキルを積んでいけば、生産部門のリーダーや管理職への昇進が見えてきます。その分責任も重くなりますが、任せられる職務に見合った年収が受け取れるでしょう。
ただし生産技術職は職務の都合上、FA業界でも具体的な成果が出るのが遅い職種です。そのため、評価を得るには、長期にわたって根気強く働く必要があります。
2. 待遇が良い企業に転職する
他社への転職は、生産技術エンジニアにとって有効な年収アップ手段です。
これまで培ってきたスキルや経験、取得した資格を活かし、即戦力として高待遇な企業に転職できれば、早期の年収アップが望めます。
現在の労働市場において、エンジニアの需要は高くなっています。とくに医療系や半導体など専門性のより高い分野では、現職よりも高年収を提示される可能性は高くなるでしょう。
転職を満足いくものにするためには、自分のスキルや経験を棚卸しし、ポートフォリオを固める必要があります。ロボカルにおいても、専門のアドバイザーがあなたの転職を徹底サポートするので、もし興味があれば以下のリンクからご相談ください。
生産技術のフリーランス・業務委託案件は極めて少ない

結論からいうと、生産技術職として独立するのは非常に困難です。
生産技術職は製造現場の中核を担う重要なポジションであり、企業の競争力やノウハウに直結します。機密情報の流出リスクやセキュリティ対策の観点から、外部のフリーランスや業務委託に任せるケースは極めて少ないのが現状です。
2025年5月時点においても、当社「ロボカル」に生産技術の業務委託案件はなく、正社員や長期雇用での募集が100%を占めています。
ただし、近年の働き方の多様化やアウトソーシングの拡大傾向から、製造業界でも一部でフリーランスや業務委託の案件が増える可能性があります。生産技術においても例外ではないため、こまめに求人をチェックしましょう。
生産技術での年収アップに求められる3つの能力

生産技術職で年収アップを実現するには、以下3つの能力を身につける必要があります。
- 高度な専門知識とスキル
- 課題を発見・解決する能力
- コミュニケーション能力
1. 高度な専門知識とスキル
生産技術職には、生産ラインや設備に関する専門知識および、工程設計・設備導入に関するスキルが求められます。
効率的かつ効果的な生産ラインの構築には、設備の選定や導入における計画的な判断が必要です。判断力を養うには、さまざまな現場を経験し、知識とスキルを積み上げなくてはいけません。
エンジニアに求められる専門性は日進月歩で進化していくうえ、新たな技術への対応力も求められます。対応力が高いエンジニアになれば多くの企業に求められ、必然的に年収も上がっていくでしょう。
2. 課題を発見・解決する能力
生産工程には、数多くの課題が発生します。現場で洗い出した課題に対して解決策を出す能力は、生産技術エンジニアにとって必須スキルです。
課題を発見し解決する能力をつけるには、論理的な思考力だけでは足りません。柔軟な発想を持ち、その発想を作業に反映できる技術力も必要です。
3. コミュニケーション能力
生産技術職は、立案・設計段階から他者と深い関わりがある職種です。スムーズに業務を進めるには、現場や他部署とのコミュニケーション能力を身につける必要があります。
工場や生産現場で積極的に意見を聞き、他部署との調整やすり合わせを行えれば、問題が起きても原因を速やかに解明できます。
コミュニケーション能力は、上流工程や管理職になればなるほど求められるスキルです。直接的な昇給につながるスキルなので、キャリアの早期に身につけるよう努めましょう。
生産技術が年収アップするための具体的な方法を3つ紹介

生産技術職が年収を上げるための具体的な方法を、3つ紹介します。
- 実績を積み上げる
- 関連資格を取得する
- 転職エージェントに相談する
1. 実績を積み上げる
将来的に転職するか否かにかかわらず、現職で実務経験を積み、誇示できる実績を積み上げておきましょう。
生産技術は製造業のなかでも、成果が出るタイミングが遅い職種です。生産現場で成果が可視化されるまで数ヶ月から1年ほどかかるため、明示できる実績を作るのに時間がかかります。
そのため根気強く、かつ実直に作業を続ける姿勢が求められます。年収アップを望むのであれば、長期的な目線で業務をこなしましょう。
たとえ転職を予定している場合でも、実績があれば応募の幅が広がります。より高年収の企業に転職できるチャンスをつかむためにも、実績作りを意識しつつ勤めてください。
2. 関連資格を取得する
資格は実績と並んで、自身の強みとして直接提示できる重要な指標です。以下に挙げる資格は、生産技術職のキャリアアップや転職において有利に働くため、取得を検討しましょう。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 生産技術者マネジメント認定(正式名称:生産技術者マネジメントスキル資格認定試験)
- CAD利用技術者
- 情報処理技術者試験
また生産技術職は海外出張がたびたび起こる関係上、TOEICの点数も評価対象としてよく取り上げられます。英語力は汎用性がかなり高いスキルなので、英語学習は積極的に取り入れてみてください。
3. 転職エージェントに相談する
転職エージェントへの相談は、転職の意志に関係なくおすすめの方法です。高い専門性を持つアドバイザーに相談することで、自分のスキルの棚卸しができ、市場価値を明確にできます。
「年収にすると、これぐらいが現在の自分の市場価値」という情報をアドバイザーを通して得られれば、自身のキャリアパスを明確に描く指標になるでしょう。
相談の結果、自分に十分な市場価値があると分かれば、即座に年収の高い企業へ転職ができる可能性もあります。ロボカルにおいても、専任アドバイザーがあなたの市場価値を客観的に判断しますので、ぜひ気軽にご相談ください。
生産技術は「負け組」ではない!勝ち組である理由も解説

ネット上では、生産技術職は「負け組」であるという情報が散見されます。しかし、これは明確に誤りです。
ここからは、生産技術職が負け組といわれる理由、勝ち組である理由をそれぞれ解説します。
生産技術が「きつい」「やめとけ」といわれる理由
生産技術職が「負け組」と一部でいわれているのは、主に以下の理由からです。
- 地方勤務の多さ
- 評価されるまでが長い
- 3K(きつい・汚い・危険)職場のイメージ
- 休日出勤・夜間呼び出しが多い など
生産技術は縁の下の力持ち的な存在であり、地味な職種です。加えて、生産ライン立案から製造まで、早くとも数ヶ月はかかります。
裏方作業が多い関係で正当な評価がされにくい点は、厳しい環境であると感じる人も多いでしょう。
また、生産技術職は設計部門と製造現場に板挟みにされるため、円滑なコミュニケーションを求められます。精神的なプレッシャーから、疲弊してしまう人は少なからず存在します。
生産技術は、その地味かつきついイメージにより、ネガティブに捉えられやすい職種なのは間違いありません。
生産技術が勝ち組な3つの理由

生産技術職が勝ち組といえるはっきりとした理由は、次の3つです。
- 平均年収が全国平均より高い
- さまざまなスキルを得られる
- 海外で仕事するチャンスがある
上記の理由から、生産技術職は将来的なキャリアパスも期待できる職種です。
1. 平均年収が全国平均より高い
生産技術エンジニアの平均年収は約500万円前後で、全労働者の平均である458万円や、製造業の全体平均377万円を上回ります。そのため、生産技術職は中小企業であっても、会社員の全国平均以上の年収をもらえる可能性が高いのです。
高年収の理由として、製品の品質やコストを最適化し、企業競争力に直接貢献するという重要な役割を担っている背景が挙げられます。また高度な専門知識やスキルが求められること、人材需要が年々大きく上昇している点も外せません。
とくに情報通信機械器具製造業や化学工業などの専門的な業種は、高収入な生産技術エンジニアが多い傾向にあります。
2. さまざまなスキルを得られる
生産技術の仕事では以下に挙げるように、さまざまなスキルを得られます。
- 設計ツールやプログラミング言語の専門知識
- 課題を発見し解決する能力・論理的思考力
- チームや他部門とのコミュニケーション能力 など
生産技術職は単純な技術力のみならず、課題解決力やコミュニケーション能力など、幅広いスキルが必要です。
有用なスキルを実際の業務を通じて身につけられる点は、生産技術職の大きな魅力です。
3. 海外で仕事するチャンスがある
現在FA業界ではグローバル化が顕著であり、多くの製造企業が海外に生産拠点を展開しています。生産技術職においても、海外で活躍できる人材が広く求められています。
海外で活躍するには専門知識やスキルに加えて、英語でのコミュニケーション能力が必要です。実際の求人でも、TOEICの点数を採用の参考にする企業がいくつか見られます。
海外で活躍できる人材になれば、さらなる年収アップが狙えるのは間違いありません。チャンスをつかみたい人は、グローバルに働ける人材を目指しましょう。
【まとめ】生産技術エンジニアとして年収アップするにはキャリアパスの明確化が重要

生産技術エンジニアの平均年収は500万円前後であり、労働者の全国平均である458万円と比較すると高い傾向にあります。
一方、生産技術職は業務の成果が出るのが遅い職種であり、正当な評価を得るのに時間がかかります。そのため、事前に明確なキャリアパスを描き、実直にキャリアを進めていく意志を持つことが重要です。
高度な専門知識とスキルを持つエンジニアは、キャリアアップや転職でさらなる高年収が狙えます。今より高年収を得るためには、まずは自分がどの程度の市場価値を持つエンジニアか、スキルや実績の棚卸しをしましょう。
ロボカルでは高い専門性を持つ専任アドバイザーが、あなたの市場価値を客観的に判断します。今より高年収を目指すあなたにとって、キャリアパスの足がかりとなる有用な情報を得られます。
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