制御設計はフルリモートでできる?案件の探し方やメリット・デメリットを徹底ガイド

近年のリモートワーク普及により、ファクトリーオートメーション(以下FA)業界でも、フルリモートでの働き方に注目が集まっています。
制御設計はFA業界の中でも専門性が高く、環境さえ整えばフルリモート業務は可能です。しかし、実際に制御設計をフルリモートで行うには、多くの課題があります。
そこでこの記事では、制御設計のフルリモート業務の実態や案件の探し方、メリット・デメリットを解説します。
制御設計のフルリモート案件を探している方には最適な内容となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【結論】制御設計にフルリモート求人はある!ただし数はかなり少ない

制御設計のフルリモート求人は確かに存在しますが、数は非常に限られます。
2025年5月現在、大手求人サイト「Indeed」で「フルリモート PLC 制御設計」のキーワードで検索すると、約60件ほどの求人が表示されます。
しかし求人内容をよく確認すると、実際にフルリモートで行える案件はほぼ皆無です。多くは一部リモートワーク(週0~2日程度)で、基本的には出社が必要な求人となります。
また「フルリモート」と謳っていても、それは出社日のみを指し、出荷先や取引先への出張は必要な場合がほとんどです。

制御設計は業務の性質上、ソフト設計からデバッグまでがセットになっている案件が大半を占めます。このような業界の特性から、フルリモートで完結できる業務は「ソフト設計」部分のみであるのが現状です。
もし完全なフルリモート案件を探したい場合、SNS上の募集や人脈を通じた紹介案件など、転職サイトとは別ルートで探すほうが見つかりやすくなります。
制御設計のフルリモート案件を見つける方法5選

制御設計のフルリモート案件は数が限られますが、以下5つの方法を取れば見つかる可能性があります。
- クラウドソーシングサイトで探す
- スキルシェアマーケットで募集をかける
- 転職エージェントを活用する
- SNSで探す
- 取引先や知人に紹介してもらう
1. クラウドソーシングサイトで探す
「クラウドワークス」や「ランサーズ」のようなクラウドソーシングサイトでは、わずかに制御設計のリモート案件が見つかります。
それぞれ、以下のキーワードやカテゴリで案件を検索してみてください。
- クラウドワークス:仕事カテゴリ「製品設計・開発」
- ランサーズ:カテゴリ「システム開発・運用」→「運用・管理・保守」「製品開発・設計」など
ランサーズで案件を検索する際、1つ注意点があります。ランサーズでは多くの制御設計の案件が見つかりますが、ほとんどは「Lancers Agent」など他求人サイトへのリンクです。

実際にランサーズ上で募集されている案件を見つけたければ、募集主が明記してある案件か確認しましょう。
またクラウドソーシングサイト上の募集であっても、多くは現場作業が伴う案件です。そのため、応募する際は条件をよく確認してください。
2. スキルシェアマーケットで募集をかける
「ココナラ」のようなスキルシェアマーケットに、ポートフォリオと受注したい業務内容を記載し、案件を募集する方法です。
募集をする際に「ソフト設計のみ」と明記しておけば、一部リモートの案件は基本的に来ません。また純粋な制御設計の業務でなくとも、コンサル業務を請け負えば、フルリモートで受講料をもらうことは可能です。
制御設計は現場主義なので、スキルシェアマーケットの需要は高いとはいえません。ですが、フルリモート案件が欲しければ、登録しておいて損はないでしょう。
3. 転職エージェントを活用する
FA専門の転職エージェントで、フルリモート求人を探すのも有効です。アドバイザーと相談しつつ案件を精査すれば、自分で見つけるよりもはるかに案件を簡単に見つけられます。
ただし、やはり大半は「一部リモートワーク可」の案件となります。フルリモート案件を獲得したければ、募集されるのを待つ必要がある点に注意しましょう。
当社運営のロボカルでも、エンジニアからのご相談を受け付けているので、ぜひ以下のリンクから気軽にご連絡ください。
4. SNSで探す
制御設計のフルリモート案件を効率よく探したい場合、XやInstagramなどのSNS上で探すのがおすすめです。
SNS上で採用活動をしている企業は、時勢に合わせて採用の手法を変える、柔軟な会社が多い傾向にあります。そのため、フルリモート案件を出している可能性が、SNS以外の募集手段を取る企業と比較して高めです。
注意点として、SNS上で募集している企業は、即戦力のプロ人材を求めています。経験者でスキルがある場合のみしか取ってくれないので、ポートフォリオをしっかり作ってから応募してください。
また、SNSでの募集にて採用される確率を上げたければ、自分もSNS上でエンジニアとしての発信をする必要があります。
5. 取引先や知人に紹介してもらう
本業で関わりのある取引先やエンジニアの知人など、副業を紹介してくれそうな人に案件をもらう方法は効果的です。
知人からの案件であれば、条件が不明瞭な案件に遭う可能性は限りなく低くなります。安心して受けられるうえ、比較的対応も気楽に行える点が魅力的です。
ここまで紹介してきたフルリモート案件を探す方法のなかでは、もっとも現実的な方法です。フルリモート案件が欲しい方は、普段から他者と良好な人間関係を築いておきましょう。
制御設計のフルリモート案件に応募する際のポイント3選

制御設計のフルリモート案件に応募する際は、以下の3つのポイントを確認してください。
- 勤務条件を確認する
- 業務内容を確認する
- 自宅の作業環境を整える
1. 勤務条件を確認する
制御設計のフルリモート案件に応募する際は、求人票の概要だけでなく、詳細な勤務条件を確認することが重要です。
たとえ求人票に「フルリモート」「在宅勤務可」と書いてあっても、油断は禁物。実態は週1~2回の出社が必要な案件や、フルリモートは出勤日のみで出張は別扱いの案件が多いためです。
またフルリモートの条件として「社歴5年以上」など、新人には達成不可能な厳しい条件が設けられている場合もあります。
特に制御設計は、求人と実態が異なる案件が少なくありません。どの程度リモートワークが可能か、応募の際に必ず確認してください。
2. 業務内容を確認する
制御設計は、現場作業が多い業種です。そのため、どうしてもフルリモートでの業務が困難な場合、どの程度リモートワークが可能か業務内容を確認しましょう。
どうしても週1回程度は現場に行く必要がある案件などは、どの部分がリモート可能でどの部分が出社必要なのか、明確にしておくべきです。
特にPLCや電気制御設計は、一部のデバッグ作業などは現場での調整が必要になります。業務の性質を確実に理解したのちに、応募する案件を選びましょう。
3. 自宅の作業環境を整える
フルリモートで制御設計の業務を行うには、適切な作業環境が不可欠です。フルリモート案件を受ける際は、以下のものをしっかり準備しましょう。
- PLCやCADなどの必須ソフト:10万円~
- 必須ソフトを快適に動かせるノートPC:15~25万円ほど
- 安定したネットワーク環境:月額4,000~6,000円
フルリモート案件では、必ずしも作業用PCを貸与されるわけではありません。作業環境を自分で整える必要がある場合、上記のものがないと業務に支障をきたします。
快適な作業環境を構築するには、合計30~40万円ほど必要です。フルリモート環境で業務をしたい場合は、しっかり予算を組んで環境を構築してください。
制御設計のフルリモート案件のメリット3選

制御設計のフルリモート案件を受けることには、以下3つの大きなメリットがあります。
- 通勤時間がなくなる
- 居住地に関係なく仕事ができる
- 人間関係のストレスが減る
1. 通勤時間がなくなる
制御設計をフルリモートで行う最大のメリットは、通勤時間がなくなることです。
フルリモート環境では通勤に費やしていた時間を、そのまま仕事や趣味に充てられます。また、通勤の肉体的・精神的ストレスから解放されるメリットもあります。
PLCやCADなどの専門的な業務では、作業に高い集中力が必要です。通勤のストレスのない環境で業務に取り組めれば、生産性向上が期待できます。
タイムパフォーマンスを重視する方にとって、リモートワークは最適な働き方です。
2. 居住地に関係なく仕事ができる
フルリモートの業務であれば、自分が住んでいる場所に関係なく仕事が受注できます。
制御設計エンジニアの案件は全国各地にありますが、リモートワークであれば問題なくどこからでも作業が可能です。たとえば、都市部の高い生活コストを避け、コストパフォーマンスが高い郊外で仕事を請け負いつつ生活することもできます。
場所に縛られない環境で高いパフォーマンスを発揮できる方にとって、フルリモートはとても魅力的な働き方です。
3. 人間関係のストレスが減る
フルリモートは対面での交流が減るため、必然的に人間関係のストレスは少なくなります。
不要な飲み会や食事に誘われることもなくなるので、他人に気を遣う機会が減少します。なかには、余計な人間関係によるストレスが減少すれば、より質の高い成果物が出せる方もいるでしょう。
あまり交流に積極的でなくマイペースに業務に取り組みたい方にとって、フルリモートは理想的な働き方です。
制御設計のフルリモート案件のデメリット3選

制御設計をフルリモートで行うことには、以下3つのデメリットも存在します。
- 成果主義になりやすい
- 仕事のオンオフが難しい
- 他者との交流が少なくなる
1. 成果主義になりやすい
制御設計のフルリモート案件のデメリットとして挙げられるのが、成果主義になりやすい点です。
リモートワークでは、勤務態度などの定性的な評価材料が見えにくく、逆に納期や提出物のクオリティなどの定量的な評価材料の比重が大きくなります。
そのため、仕事の速度が遅い人や仕事の評価がおぼつかない人にとっては、リモートワークはマイナスになる可能性があります。
制御設計エンジニアは、もともと成果物による評価の比重が大きい職種なので、より成果主義になりやすい点にも注意してください。
2. 仕事のオンオフが難しい
フルリモート環境では、仕事とプライベートの境界が曖昧になるデメリットがあります。
家での作業は、集中力が散漫になりやすくなります。勤務時間も自分で管理する必要があり、その気になれば休憩なしで作業も可能です。
仕事のオンオフにメリハリをつけられる人ならばよいですが、だらだらと仕事をしてしまう人や、仕事に熱中しやすい人は注意しましょう。
3. 他者との交流が少なくなる
フルリモートでは、人間関係のストレスが減るメリットの裏返しとして、他者との交流が少なくなるデメリットがあります。
人とのつながりの減少は、もともと交流が好きな方にとっては逆にストレス源です。また、雑談のような気軽なコミュニケーションも減ってしまうため、チーム内で話して創発的なアイディアが出るといったことも少なくなります。
技術的な問題への対応も遅れがちになるため、トラブル解決に時間がかかる点にも注意しましょう。フルリモート環境では、人間関係の希薄化による業務効率の低下は、ほぼ確実に起こることを認識しておく必要があります。
制御設計のリモートワークをこなすためのコツ3選

制御設計のリモートワークをうまくこなすためには、以下3つのコツを意識しましょう。
- クライアントと適切にコミュニケーションを取る
- 自己管理を徹底する
- 家庭と仕事を切り離す
1. クライアントと適切にコミュニケーションを取る
制御設計のフルリモート業務は、テキストコミュニケーションが主軸となります。どうしてもコミュニケーションが不足しがちになるので、その分連絡は密に行ってください。
また、自分のテキストコミュニケーション能力を鍛えることは重要です。以下の内容を守って、適切にコミュニケーションを取りましょう。
- 意見交換にラグがあることを常に意識する
- 届いたメッセージにはなるべく早く回答する
- 疑問点があれば細かく相談して事後トラブルを防ぐ
制御設計は、小さなミス1つが取り返しのつかないトラブルにつながります。仕事の解釈や技術的な問題について、伝達ミスがないように努めてください。
2. 自己管理を徹底する
フルリモート環境では自宅作業が中心になるため、勤務時間と自由時間にメリハリをつけ、自己管理を徹底しましょう。
リモートワークは仕事時間の自由度が高い一方、油断するとだらだらと仕事をしがちです。計画を立てて期日までに仕事を終わらせるために、以下のことを守り業務に取り組んでください。
- 仕事の時間をきっちり決める
- 仕事内容に優先順位をつける
- ダラダラせず仕事のみに徹する
自己管理の徹底には、タスク管理アプリや時間管理アプリの使用がおすすめです。使いやすいアプリを3つ紹介するので、参考にしてください。
- カレンダーアプリ:Googleカレンダー
- タスク管理アプリ:asana
- 時間管理アプリ(ポモドーロタイマー):Focus To-Do
あらゆるものを駆使して仕事に集中し、余裕を持って業務を遂行できるように努めましょう。
3. 家庭と仕事を切り離す
フルリモート環境は家が仕事場になるので、家庭と仕事が混ざった状態です。この家庭と仕事をうまく切り離せるかどうかが、リモートワークの成功に直結します。
特に子どもがいる家庭では、育児をしつつ仕事をすることになります。この状態では、業務への集中を妨げる不安要素が多くなるため注意が必要です。
- 仕事部屋では仕事以外しない
- 家庭に仕事を持ち込まない
上記のことを守って、仕事は仕事、家庭は家庭と気持ちを切り替えましょう。ただし、仕事に熱中するあまり、家庭をおろそかにする、体調不良を起こすような事態にならないように気をつけてください。
妥協して「一部リモートワーク」案件に応募するのも1つの手
制御設計の業態では、フルリモート案件の受注は難しい現実があります。
別ジャンルとして機械設計にはフルリモート案件が見られますが、制御設計と機械設計ではスキルの汎用性が低いため、受けるのは困難です。
また制御設計でフルリモートに固執すると、案件探しで時間を浪費し、美味しい案件を逃す要因にもなります。
制御設計でリモートワークがしたければ、妥協して「一部リモートワーク」の案件にするのも1つの手です。フルリモートを諦めれば、劇的に応募の幅が広がります。
「一部リモートワーク可」の案件は、ロボカルでも豊富な案件を受け付けています。当社の優秀なアドバイザーがあなたの案件探しを徹底サポートするので、ぜひお気軽にご連絡ください。
【まとめ】リモートワークで制御設計の案件が欲しい方をロボカルは徹底サポート

現場主義の制御設計エンジニアであっても、すべての業務を出勤してこなす必要はありません。出張時や出荷時のみ出勤し、ソフト設計はリモートワーク、という働き方は十分に可能です。
フルリモートは難しくとも、一部リモートワーク可の案件は数多くあります。なかには高単価かつ継続して受けられる案件もあるため、十分なスキルがあれば高収入を達成可能です。
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