制御設計のキャリアプランを解説!必要なスキルや資格も紹介

制御設計の仕事を行うなかで、昇給や昇進だけでなく、将来的に転職や独立などを視野に入れている方は多いです。ところが「制御設計はやめとけ」という意見もあるため、将来の具体的なキャリアプランにどのようなものがあるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、制御設計のキャリアプランを詳しく解説します。将来性の有無、キャリアアップに必要なスキルや資格も紹介しているので、ぜひ本記事を最後まで読み、将来のプランをイメージしてみてください。
制御設計をやめとけと言われる理由は? 将来性は?

「制御設計はやめとけ」と言われるのには、以下のような理由があります。
- エンジニア不足で労働時間が長い
- 休日出勤や夜間対応する場合がある
- 長期出張や単身赴任の可能性がある
- 海外出張や外国語を扱うこともある
既存プログラムの調整や、新たな産業用ロボットを設置する際には、生産ラインもしくは工場全体の稼働を一時的に止める必要が生じます。クライアントによっては生産計画に影響が出ないように夜間や休日作業を指定する場合もあるため、夜間や休日にも出社が必要です。
また、作業範囲や案件内容によっては工場に長く滞在して作業を行う必要があり、長期出張や単身赴任を求められる場合もあります。外資系や海外メーカーに勤めると、海外出張や海外赴任の機会があったり、日本国内の社内でも英語の使用を求められたりする場合もあるでしょう。このような状況のため「制御設計はやめとけ」と言われやすいのです。
しかし、日本国内では人手不足の解消や業務の効率化を目的に、産業用ロボットの設置が進んでいます。産業用ロボットの設置が進むほど制御設計の仕事も増えるため、制御設計の将来性は十分にあります。実際にFA業界(Factory Automation)では、制御設計に関する求人や案件が増加中です。
制御設計(正社員)の平均年収 約500万円を上回る700万円以上を掲示したり、完全週休2日制の導入など良好な労働条件をアピールしたりして、優秀なエンジニアを集めている会社もあります。フリーランスや業務委託では月50万円以上の高単価な案件が数多く募集されるなど、制御設計の需要は増え続けているのが現状です。
制御設計の3つのキャリアプラン

制御設計のキャリアプランには、以下の3つがあります。
- 昇進する
- 転職する
- 独立する
それぞれの特徴やメリットを解説するので、キャリアプランを考える際の参考にしてください。
1. 昇進する
多くの方が思い浮かべるキャリアプランは、現在の職場で昇進することではないでしょうか。勤続年数が長くなるほど、制御設計に関する知識が増えて技術も向上します。
その結果、現場の作業員から作業員をまとめる側の仕事に変わり、プロジェクトリーダーや管理職などに昇進するのが一般的なキャリアプランです。制御設計に関するスキルに加えて、チームや部下をマネジメントするスキルを得られるなど、エンジニア以外のスキルも獲得できます。
他にも、会社によっては製品開発や機械設計などへ異動を希望できる場合もあり、広い知識や技術を得られるのが会社員を続けるメリットです。
2. 転職する
現職では昇進や昇給を期待できないと悩んでいる方や、今よりも年収をアップしたいと考えている方には転職がおすすめです。現職と同じ作業内容や仕事範囲であっても、業種が変われば年収が上がる可能性があります。
国税庁が公表している、業種別の平均給与から抜粋した下表をご確認ください。例えば製造業(その他の製造業)から化学工業に転職すると、約120万円の年収アップを期待できます。
業種 | 平均給与 |
化学工業 | 568万円 |
金属機械工業 | 545万円 |
製造業(その他の製造業) | 448万円 |
※給与所得者全体の情報であり、制御設計部署への配属後の給与ではありません。
制御設計の転職では、転職後も同じソフトや機器を扱える場合があります。したがって、現職で得た制御設計に関する知識や技術を、転職後にも活かしやすいのもメリットです。
3. 独立する
エンジニアとしてスキルを伸ばし続けたい方には、独立することをおすすめします。
独立後には興味や関心のある分野を自由に学べて、スキルを伸ばすほど収入アップに直結するからです。また、エンジニアのスキルアップに直接関係がない研修会への参加、事務処理や組合活動など、会社員の時に不満を感じていた業務を少なくできます。
スキルを向上させて仕事量を増やしたり業務効率を上げたりすれば、会社員では短期間で実現することが難しい年収1,000万円超えも夢ではありません。
一方で、会社員とは違い仕事を取り続けなければ、収入がなくなるリスクもあります。独立しても十分な収入を得られるスキルを持っているのか知りたい方や、仕事をどうやって取るのか心配な方は、ぜひ一度ロボカルにご相談ください。
独立前にはスキルシートの添削や案件紹介、独立後にはクライアントとの交渉や税務サポートで、あなたの独立と年収アップをお手伝いいたします。
制御設計の「転職」で必要なこと

制御設計の転職で必要なことは、以下の2つです。
- 実績
- スキル
転職を考えている方は、現在の状況と比較しながら読み進めてみてください。
必要な「実績」とは
制御設計の転職における実績として、勤務年数は判断基準のひとつです。一般的には勤務年数が長いほど、知識や技術を持っていると判断されやすくなります。
また、これまで実際に設計した成果物は、客観的な評価ができる実績になります。機械単体なのか、生産ラインのオートメーションに取り組んだのかなど、具体例を挙げながら説明できるとより効果的です。
実績をアピールする際は客観的な評価をしてもらえるように、数値や具体例を用いられるように内容を工夫してみてください。
必要な「スキル」とは
制御設計に必要なスキルは、PLC(Programmable Logic Controller)に合わせたプログラミングソフトの取り扱いスキルです。あなたが使用した経験のあるメーカーと、転職先で使用されているメーカーが合っているかを確認しましょう。全く使用経験のないメーカーだと、転職後に1から学び直す必要が生じて大きな負担になるからです。
また、以下の主要メーカーのソフトを使用した経験があると、転職先の候補を見つけやすくなるので確認してみてください。
- 三菱電機
- シーメンス
- オムロン
上記メーカーのソフトを使用した経験がない場合には、インターネットや書籍で基本的な操作方法を勉強すると良いでしょう。転職するまでの期間にソフトを操作できる機会がある際は、操作感を覚えるように努めてください。
他にも、スキルの有無を証明する客観的な指標として、各種講習を受講したり資格を取得したりするのもおすすめです。エンジニアとして学び続ける姿勢は重要なので、日々勉強しているアピールにもなります。
自分の実績やスキルをうまくアピールできるか不安な方は、ロボカルにお任せください。スキルの棚卸しやスキルシートの添削で、あなたの実績を魅力的に紹介できるようにフォローいたします。
転職を考えている方や独立するべきか迷っている方は、まずはお気軽にご相談ください。
制御設計の「独立」で必要なこと

制御設計の独立で必要なことは、以下の3つです。
- 実績
- スキル
- 営業力
独立に向けて準備している姿や、独立後の働いている姿をイメージしながら読み進めてください。
必要な「実績」とは
実績の指標のひとつになる勤務年数や経験年数ですが、独立後にアピールする際、会社員から会社員に転職するよりも客観的な証明が難しくなります。
独立直後は継続的に案件を獲得することが難しく、案件獲得までの営業期間が長くなりがちだからです。営業期間が長くなるほど実務経験に空白の期間が生じてしまい、実績を積んでいないと判断されるリスクがあります。
おすすめしたい対策のひとつは、実務経験の有無を客観的に証明する資格を取得することです。例えば電気工事士 第一種の免状交付条件には、3年以上の実務経験が必要とあります。つまり、免状を持っていることが、実務経験があることの客観的な証明になります。
また、どのような設計をした経験があるのかも重要です。複数の機械を連携させたのか、工場全体のオートメーションを設計したのかなど、具体例を挙げながらアピールすると良いでしょう。
他にもポートフォリオとして、仮で作った設計を見せるのもおすすめです。ただし、これまでに作った実際の設計を見せる場合は、社外秘などの守秘義務に注意してください。
必要な「スキル」とは
扱えるPLC、言語や開発ツールをアピールしましょう。特に、PLCは以下の主要メーカー3社に対して使用経験があると、獲得できる案件の幅が広がります。
- 三菱電機
- シーメンス
- オムロン
ひとつのPLCに特化するのも、独立においては効果的です。スキルの向上に伴い作業効率が上がると、作業時間を短縮できます。短縮した時間の分だけ仕事量を増やせるので、収入アップに繋げられるからです。
また、スキルの有無を客観的に証明する方法として、資格の取得もおすすめします。「◯級」や「第△種」がある資格で上位のものを取得すれば、スキルがあることを証明できるからです。
例えば電気設備に関する知識があることを証明する電気主任技術者であれば、第三種の合格後に第二種や第一種を取得してアピールすると良いでしょう。
他にも、制御設計の仕事範囲にこだわらず、機械設計やロボットティーチングも一括して行えるスキルを身につけるのもおすすめです。発注者の立場から考えると一括で依頼できるエンジニアは貴重なため、案件の継続的な獲得を見込めます。
独立後も仕事を継続的に獲得したい、高収入を目指したいと考えている方はスキルアップに努めましょう。
必要な「営業力」とは
独立して成功できるかどうかのカギは、クライアントに対する営業力の有無です。商談を成功させる交渉力はもちろん、営業できる場所や人脈を広げましょう。
会社員時代の勤務先や取引先からの案件だけでは、競合先に発注されたり万が一倒産したりすると仕事が無くなります。したがって、クラウドソーシングやSNSを使い、新たな場所や初めての人から案件を獲得して取引先を増やすのがおすすめです。
さまざまな場所で営業をして仕事を獲得すると、実績を増やしつつ人脈も広げられます。実績が増えればスキルと営業力がアップし、人脈が広がるほど新規案件を獲得しやすくなるのがメリットです。
ただし、SNSなどで実績をアピールする際は、企業秘密に注意してください。現場写真などSNSに投稿してしまうと、会社によっては出入り禁止や損害賠償の問題へ発展するリスクがあるからです。
ポートフォリオなどに記載したい場合は、必ず担当者に記載内容と使い道を伝えて、了承を得てから慎重に取り扱いましょう。
初めての営業に不安な方や、単価交渉や必要書類作成が苦手な方はロボカルにご相談ください。案件獲得に必要な営業や書類作成を、あなたに代わってロボカルがお手伝いいたします。
独立前に抱える不安や心配事に対するアドバイスなども行いますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
制御設計のキャリアアップで取得したい資格2選

制御設計のキャリアアップを考える方に、取得をおすすめしたい資格は以下の2つです。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
それぞれの資格の受験日時や合格率、取得するメリットなどを紹介するので参考にしてみてください。
電気工事士
電気工事士は国家資格のひとつで、第一種と第二種があります。電気に関する知識や法令を学び、電気工事を正しく安全に実施するためのスキルを修得できる資格です。
制御設計のキャリアアップとして昇進を目指したい方は、第二種から第一種と順番に受験すると良いでしょう。知識や技能を学ぶ機会が増えるだけではなく、継続的に学んでいる姿勢をアピールできます。
転職や独立のアピールポイントとして使いたい方は、第一種の取得を目指すのがおすすめです。第二種よりも知識と技術があることを示せるだけではなく、第一種の免状交付には3年の実務経験が必要になるため、実務経験があることの客観的な証明にもなります。
電気工事士は第一種と第二種ともに年2回の試験が実施されており、挑戦する機会が複数回あるのが特徴です。試験は学科と技能の2つに分けられ、両方の試験に合格する必要があります。
学科試験についてはCBT方式が導入されているため、指定期間内であれば任意の日を指定して受験できるのがメリットです。仕事が休みの日など、自分の都合に合った日を指定すると良いでしょう。
2025年度の実施時期と2024年度の合格率を下表にまとめたので、受験勉強の計画を立てる際の参考にしてください。
第二種 | 第一種 | |
実施時期(2025年度 上期) | 学科:5月 技能:7月 | 学科:4月 技能:7月 |
実施時期(2025年度 下期) | 学科:10月 技能:12月 | 学科:9月 技能:11月 |
合格率(2024年度) | 学科:58.16% 技能:70.26% | 学科:56.71% 技能:59.93% |
電気主任技術者
電気主任技術者も、先に紹介した電気工事士と同様に国家資格のひとつです。電気工事士よりも区分がひとつ多く、第一種~第三種の3つがあります。
電気に関する知識や法令の理解を問う試験内容のため、電気設備を理解しているかどうかの客観的な指標になる資格です。
本資格を取得することで、頭の中に描いた設計が納入先で実現できるかが分かるようになります。例えば新たに産業用ロボットを配置する際、既存の製造ラインと合わせても電気容量が足りるのか、工場全体の電気容量に余裕があるのかなどを判断できるようになります。
したがって、電気工事士のような現場作業員向きの知識や技能ではなく、生産ラインや工場全体を管理する立場に求められる能力があることを証明できる資格です。チームリーダーや管理職など、マネジメントを行うポジションへの昇進を期待できるため、キャリアアップに有効な資格とも言えます。
また、工場全体を制御設計できるような会社に転職したい方や、独立後に大規模な工場に営業して案件を受けたいと考えている方は、第一種の取得を目指すと良いでしょう。
試験の難易度は大幅に上がりますが、取得することで知識があることを存分にアピールできます。
電気主任技術者の試験は、区分ごとに実施時期や実施回数が異なるのが特徴です。受験を検討している方は、公式ホームページで受験要項を確認しましょう。
2025年度の実施時期と2024年度の合格率を下表にまとめたので、受験勉強の計画を立てる際の参考にしてください。
第三種 | 第二種 | 第一種 | |
実施時期(2025年度 ) | 上期:8月 下期:3月 | 一次試験:8月 二次試験:11月 | 一次試験:8月 二次試験:11月 |
合格率(2024年度) | 上期:15.99% 下期:16.77% | 一次試験:28.87% 二次試験:18.93% | 一次試験:29.87% 二次試験:15.56% |
制御設計のキャリアプランを具体的にイメージしよう!
制御設計のキャリアプランは、昇進・転職・独立の3つです。
今までの実績や所持しているスキルを見直しながら、自分に合ったキャリアプランをイメージしてみてください。必要な実績やスキルが足りてないのであれば、今からできることを書き出して、キャリアアップまでの期間を逆算するのがおすすめです。
しかし、自分ひとりでは客観的な分析や、自身の市場価値を把握することは難しいかもしれません。そのような時には、ぜひロボカルを利用してみてください。
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