制御設計で独立・起業するには?メリット・デメリットも徹底解説

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現在、会社員として制御設計の業務に携わっているなか、将来的な独立を考えている方も多いのではないでしょうか。

高い専門性が必要な制御設計で独立すれば、自身のスキルと実績次第で、会社員とは比較にならないほど高収入を得られるチャンスが得られます。

しかし、制御設計で独立するには、事前準備が重要です。スキルのみを頼りに勢い任せで独立すると、案件が獲得できずに苦労するでしょう。

そこでこの記事では、制御設計エンジニアが独立するための具体的な手順やメリット・デメリットを徹底解説します。

本格的に独立を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【基礎】制御設計で独立する際に必要なものを5つ紹介

制御設計で独立する際に必要なものは、以下の5つです。

  1. ノートPCや専門ソフト
  2. 専門知識やスキル
  3. 関連性のある資格
  4. 十分な実務経験
  5. 幅広い人脈

1. ノートPCや専門ソフト

制御設計で独立する際にまず必要となるのが、適切な作業環境です。独立後も作業ができるように、ノートPCやシーケンサソフトをそろえる必要があります。

制御設計は現場仕事なので、PCを持ち運ぶ機会が多く発生します。そのため、デスクトップPCではなくノートPCを購入しましょう。

ノートPCは、15~25万円ほどのビジネスノートPCで十分です。ただし、2DCADやシーケンサソフトを快適に動作させるためには、十分なメモリとCPUが必要です。

メモリは最低限16GB、できれば32GBあれば安心して作業ができます。総重量1kg前後のおすすめノートPCを表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

機種公式HP価格メモリ容量CPU重量
HP Pavilion Aero 13-bg
119,800円(税込)~16GBAMD Ryzen™ 5 8640U 6 コア/12 スレッド プロセッサ約990g
mouse DAIV Z4-I7I01SR-A

189,800円(税込)~16GBインテル® Core™ i7-1360P プロセッサー約975g
LENOVO ThinkPad X1 Carbon Gen 13 IAL

220,572円(税込)~16GBインテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225U約986g
ASUS Zenbook 14 UM3406KA
199,800円(税込)~32GBAMD Ryzen™ AI 7 350 8 コア / 16 スレッド・プロセッサー 約1200g
HP EliteBook X G1i 14 AI PC 
207,680円(税込)~32GB
インテル® Core™ Ultra5プロセッサー228V
約1190g
msi Prestige-13-AI-Evo-A1MG-1103JP
209,800円(税込)~32GBインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155H約990g

シーケンサソフトについては、業界でもっとも使われている「三菱 GX Worksシリーズ」を必ず購入してください。GX Worksは業務での採用率が非常に高いため、実質必須のソフトだといえます。

GX Worksのほかに、使用率の高いソフトがバンドルされた「三菱 iQ Works」がAmazonで99,980円(税込)で販売されているので、こちらの購入をおすすめします。

2. 専門知識やスキル

制御設計で独立するには普段の業務のなかで、専門知識やスキルを高めておくことが重要です。

独立後は自動的に自分がトップになるため、何かわからないことがあった際に、誰かに聞くといったサポートを受けにくくなります。調べ物をする際にも、まず基礎知識が重要になるので、自分の業種で必要な知識やスキルは蓄えておく必要があります。

  • 電気・電子工学の知識
  • プログラミングスキル
  • CAD操作能力 など

上記の知識やスキルは業務効率にも直結するので、不足していると感じるものがあれば、独立前に積極的に勉強する姿勢を持ちましょう。

知識やスキルが不足している状態で、制御設計での独立を考えるのは時期尚早といえます。まずは会社員として十分な経験を積み、専門性を高めてから独立を検討するのがおすすめです。

3. 関連性のある資格

制御設計の業種にもよりますが、資格は重要です。資格があれば自身の専門性を証明でき、クライアントへ信頼性をアピールする材料になります。

制御設計と関連性が高い資格は、以下のとおりです。

  • 第二種・第一種電気工事士
  • 第三種・第二種・第一種電気主任技術者
  • 2次元CAD利用技術者(ハード設計の場合)
  • 基本情報処理技術者
  • 電気製図技能者
  • E検定 など

特に電気系資格(「電気工事士」と「電気主任技術者」)は、制御設計の仕事と直接関わる部分が多いため、取得しておくと案件獲得の際に有利です。

自分の業種と関わりが深い資格があれば、独立前に取得しておきましょう。

4. 十分な実務経験

制御設計は、現場仕事がメインの職種です。さまざまな現場での経験が独立後の強みになるのは、想像に難くありません。

本業で十分な実務経験があれば、クライアントから有能な人材だと判断されやすくなります。実績は案件応募時の採用率や、紹介の受けやすさに直結するので、普段の業務は実直にこなしましょう。

制御設計で独立する前に、会社員としての十分な実務経験は必要です。

5. 幅広い人脈

会社員の段階で意識的に人脈を形成しておくことは、独立後の成功に直結します。人脈があれば、たとえ独立直後でも友人・知人から取引先、パートナー企業まで、さまざまな人から案件をもらえる可能性が高まります。

また、自分だけでは対応できない案件があった際に協力を依頼できるビジネスパートナーがいれば、より多くの仕事の受注が可能です。

制御設計として独立を考えているならば、積極的に周りと人間関係を作り、他者から信頼して仕事を任せられる間柄を築いておきましょう。

【決定版】制御設計で独立するための具体的な手順4ステップ

ここからは、制御設計で独立するための具体的な手順を4ステップで解説します。

  • STEP1. 独立の事前準備を行う
  • STEP2. 開業手続きを行う
  • STEP3. 案件を獲得する
  • STEP4. 案件をこなしつつ安定させる

STEP1. 独立の事前準備を行う

制御設計で独立するには、綿密な事前準備が必要です。具体的にすべきことは、自身の持つスキルの棚卸しと実績の整理を行い、ポートフォリオを作成することです。

使えるPLCやCAD、扱えるプログラミングなど、自身が持つスキルを細かく書き出しましょう。詳細に書き出すことで、自分の得意分野を明確化できます。

本業や副業で経験した案件についても、同様に整理してください。今までの実績は、独立後に営業する際の強力な武器になります。

上記のスキルや実績の整理が終わったら、次に自分がターゲットとする市場と顧客層の調査を行いましょう。下記のサイトやサービスを駆使して、自分がどのような市場で働き、どのような顧客層に売り込むのかを認識することが重要です。

  • 転職サイト・エージェント
  • 給与調査サイト
  • 業界レポート
  • SNSなどのコミュニティ

市場調査と同時に、自分の市場価値の把握も並行して行ってください。専門性の高いエージェントやアドバイザーに依頼すれば、客観的なアドバイスがもらえます。

ここまでの一連の流れは、時間がかかってもよいのでじっくりと取り組んでください。ポートフォリオが作成できたら、次に進みましょう。

STEP2. 開業手続きを行う

制御設計で独立し、個人事業主としてやっていく場合、開業届を出すのがおすすめです。開業届を提出した個人事業主は、以下のようなメリットが享受できます。

  • 屋号が持てる
  • 青色申告で節税できる
  • 社会的な肩書が得られる
  • 小規模企業共済に加入できる
  • 事業用の銀行口座やクレジットカードが持てる

原則として、開業届は事業開始後1ヶ月以内に、管轄の税務署に提出する必要があります。ですが出さなくても罰則はないため、好みのタイミングで提出しましょう。

開業届の提出時には、青色申告の承認申請書が同時に提出できます。別々に出すより面倒がなく、大きな節税効果が得られるので、必ず一緒に申請してください。

開業手続きが終われば、本格的に業務を始められます。

STEP3. 案件を獲得する

制御設計エンジニアとして独立できたら、案件の獲得に動きましょう。

市場で案件を獲得するには、以下のサービスを活用してください。

  • クラウドソーシングサイト
  • スキルシェアマーケット
  • 企業への直営業(SNS含む)
  • 人脈からの紹介(コネクション)
  • 転職サイト
  • フリーランス向け案件サイト

案件に応募する際は、STEP1でまとめたポートフォリオをもとに営業を掛けます。自分のアピールポイントが明確化できていれば、企業へアプローチする際に効果的に働きかけられます。

最初は実績も少ないため、応募してもなかなか採用されないかもしれません。たとえ落選が続いても、諦めずに応募し続けることが重要です。

STEP4. 案件をこなしつつ安定させる

案件が獲得できたら、ひたむきにこなしつつ、安定した受注体制を整えることに集中しましょう。独立して半年ほどまでは、クライアントとの関係構築と業務遂行の土台を作ることを重視してください。

独立して間もない時期に、いきなり大型案件を1人で受けるのはやめましょう。思ったように仕事がこなせず、納期を過ぎる、適切なクオリティの成果物が出せないなど、問題を起こす可能性が著しく高まります。

制御設計で独立した最初の時期は、リスキーなことはせず、以下のような構成で案件を回すのがよいでしょう。

  • 長期プロジェクト:1~2件ほど
  • 短期プロジェクト:長期プロジェクトのリソースを確認しつつ受注

独立初期は、収益よりも案件のバランスが重要です。自身のリソースに見合ったバランスで案件を受注し、そこから企業との関係を構築していきましょう。

また、案件は突然終了する可能性があります。いきなり無収入になる事態を避けるために、新規開拓も怠らずに行ってください。既存のクライアントと関係を構築できれば、紹介で案件をもらえる可能性も高まります。

独立後、半年間ほどで案件が安定していれば、制御設計で十分な収入を得られるようになっているはずです。

制御設計で起業・組織化の具体的な手順2ステップ

制御設計で個人事業主として独立に成功したら、次は法人化を考えるフェーズに入ります。法人化は、以下の2ステップで行ってください。

  • STEP1. 法人化(法人成り)をする
  • STEP2. 事業拡大と組織化

STEP1. 法人化(法人成り)をする

法人化すると、以下に挙げられるようなメリットが享受できます。

  • 法人税の課税対象になる(節税になる)
  • 社会的信用が高まる(大規模な融資に通りやすい ほか)
  • 賠償範囲が有限責任となる(出資額のみの責任になる)
  • 決算月を任意に設定できる
  • 経費計上の範囲が広がる など

上記のメリットを最大限受けるには、最適なタイミングで法人化を完了する必要があります。具体的な年収の目安やタイミングは、以下のとおりです。

  • 年間事業所得800万円超え
  • 年間売上高1,000万円超え
  • 大幅な事業拡大を考えているとき

実際の法人化の手順を簡単に記載するので、参考にしてください。

  1. 株式会社や合同会社など会社形態を決める
  2. 会社の基本事項を決める
  3. 会社用の印鑑を購入する
  4. 定款を作成する
  5. 株式会社の場合は定款の認証を受ける
  6. 資本金の払い込みを行う
  7. 登記申請を行う

登記申請は法務局で手続きが必要なほか、基本的には税理士や弁護士など各士業の方への相談が必要です。詳しい法人化の方法については、地域の法務局や商工会議所に確認するのをおすすめします。

法人化が完了したら、次は事業拡大と組織化のフェーズです。

STEP2. 事業拡大と組織化

制御設計で独立して法人化するまでになると、大型案件や長期案件に対応できるようになり、収益も加速度的に伸びてきます。

この段階になると、依頼される案件の量が増えすぎてしまい、いくつかは断らざるを得ない状況が発生します。しかしながら、せっかく依頼された業務を取りこぼしてしまうのは、事業拡大のチャンスを潰すことに他なりません。

そこで、案件が過剰な状況になったら考えたいのが「組織化」です。

自分が請け負いきれない案件を元請けとして受注し、外注化しましょう。元請けとして受注した案件を、協力会社や知り合いのエンジニアに仲介すれば、仲介料で収益を伸ばせます。

また自社でもエンジニアを雇い、人材育成を行えば、より多くのニーズに対応が可能です。リソースを管理しつつ的確にマネジメントしていけば、年商1億円も現実的に狙えます。

ロボカル公式YouTubeチャンネルでは、実際にPLCエンジニアとして年商1億円を達成した企業の事例を公開しています。制御設計で独立を考えている方にとって参考になる動画になっているので、ぜひご覧ください。

制御設計で独立するメリット3選

制御設計で独立するメリットは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 収入アップが期待できる
  2. 自分のやりたい業務に集中できる
  3. 無制限に仕事ができる

1. 収入アップが期待できる

制御設計エンジニアとして独立すれば、収入アップが期待できます。

会社員エンジニアはあくまで固定給での労働になるので、数年で収入が大きく上昇することはありません。しかし、フリーランスの場合は働くほど収入を得られるため、スキルや労働量次第で大幅な収入アップが狙えます。

適切なスキルと実績を持っているのならば、自身のキャリアパスと相談しつつ独立を検討してみましょう。

2. 自分のやりたい業務に集中できる

自分のやりたい業務にのみ没頭できるのも、会社員にはないフリーランス独自の魅力です。

会社員で制御設計エンジニアとして働いていると、専門外の業務や雑務を課せられ、なかなか自分の仕事ができない事態が起こります。本来の仕事に集中できないと、数少ないスキルアップの機会も失ってしまうかもしれません。

また、年収アップを目指して管理職になると、今度は管理側の業務が増えます。プレイヤーとして制御設計業務に関わらなくなれば、やりたいこととの相違に頭を悩ませる方も出てくるでしょう。

一方、独立してフリーランスの制御設計エンジニアになれば、自分の仕事は自分で決められます。プレイヤーとして自分のやりたい業務に専念し、スキルアップも図れます。

コアな業務を自分でこなしたい方にとって、独立は魅力的な選択肢の1つです。

3. 無制限に仕事ができる

独立すれば、自身のキャパシティの許す限り、無制限に仕事ができます。

企業に勤める会社員である限り、仕事ができるのは業務時間内のみで、給料もほとんど一定です。ですが独立すれば、受注した分だけ仕事ができ、働いた分だけ稼げるようになります。

積極的に多くの仕事を行い、スキルアップしたい方にとって、フリーランスは最適な環境です。自分でスケジュール管理を徹底できるのならば、独立はメリットが多い選択肢です。

制御設計で独立するデメリット2選

制御設計の独立には、少ないながらも以下2つのデメリットがあります。

  1. 好きな働き方ができるとは限らない
  2. 営業力がないと厳しい

1. 好きな働き方ができるとは限らない

一般的にフリーランスは、どこでも働けるイメージがあります。ですが、それはあくまでWeb系フリーランスのイメージです。

制御設計のフリーランスは、ソフト設計であればテレワークが可能ですが、現場仕事は出勤する必要があります。ほとんどの案件はデバッグとセットで受注するため、基本的には現場に出なくてはいけません。

制御設計フリーランスは「柔軟な働き方」とは遠い存在であることを認識しておきましょう。とくに独立直後はハードな働き方になる場合が多いため、うまく自分の身体や精神と折り合いをつけて業務に挑むべきです。

2. 営業力がないと厳しい

独立後の仕事は、自分で取ってこなくてはいけません。そのため、エンジニアといえども案件を獲得するための営業力は必須です。

紹介やクラウドソーシングで受注する案件の多くは、単発の仕事です。その後、企業と交渉して継続案件がもらえるかは、ワーカー自身の営業力にかかっています。

もし「独立したいけど自分の営業力に自信がない…」という方は、ぜひロボカルにご相談ください。

【まとめ】ロボカルではエンジニアの独立支援も受けられる

制御設計エンジニアとして独立するには、しっかりとした準備と計画が必要です。この記事で解説したように、必要な機材やスキル、手順を理解することが、独立して成功するための第一歩となります。

また、独立にはメリットとデメリット両方が存在します。自分が制御設計エンジニアとして独立すべきか、この記事を判断基準にしてもらえれば幸いです。

この記事を読了後も独立すべきか迷っている方は、まず専門家への相談をおすすめします。ロボカルでは専門のアドバイザーが、あなたの状況に合わせて最適なアドバイスをさせていただきます。

ぜひ以下のリンクからお気軽にご相談ください。

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