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2023.04.18

パーツフィーダーとは?選定ポイントとおすすめメーカー3選

パーツフィーダーとは?選定ポイントとおすすめメーカー3選

組立機、包装機、検査機において、部品や部材は一般的に手作業で投入されています。パーツフィーダーを用いることで、作業時間の短縮や正確な供給が可能になります。この記事では、パーツフィーダーの選定方法やおすすめメーカーを紹介します。

パーツフィーダーとは

パーツフィーダーとは大量の部品や部材を、整列・供給する装置です。機械への部品供給を自動化したい場合に使用します。手作業に比べて早く正確な供給が可能なため、生産性の向上を図ることができます。

パーツフィーダーは、単に部品を整列させるだけでなく、複数の部品を組み合わせて供給することも可能です。下記紹介動画に様々な例がありますので、参考にしてください。

参考動画:パーツフィーダーの動作

パーツフィーダーの原理

仕組みは、電磁石を利用して振動を発生させ、その振動を板ばねを介して搬送部へ振動を伝えるものです。他にも、モーターを使用したものもあります。

パーツフィーダーの構造を下図に示します。まず、ホッパーからボウルへ部品が供給されます。ボウル内部で振動により整列された部品が直進フィーダーを通って、機械へ供給されます。

ホッパーは使用せず、ボウルに部品をためておく場合もあります。しかし、ボウル内で長時間滞留すると部品へ傷がつく可能性があるため、材質によってはホッパーを使用するほうが良いです。

パーツフィーダーの最大の特徴である部品の整列は、アタッチメント部で行っています。この形状の製作が、パーツフィーダーで最も技術力が必要になる部分です。

パーツフィーダーの各部名称と働き
出典元:信和技研(パーツフィーダーとは

パーツフィーダーの選定

パーツフィーダーは、既製品をそのまま使用することは少ないです。一般的には、部品形状や供給先の構造に合わせて設計します。ここでは、パーツフィーダーの種類や仕様決めのポイントを解説します。

パーツフィーダーの種類

パーツフィーダーには下記のような種類があります。用途に合わせて選定しましょう。

振動ボウルフィーダー

円形のボウルに部品を入れて、ボウルを振動させることで整列・供給する装置です。振動方式としては、電磁バイブレーターや電圧素子などがあります。使用する際には周囲への振動の影響を考慮する必要があります。

参考動画 : 振動ボウルフィーダー

機械式揺動ホッパーフィーダー

円形ボウルに接続したトラフを陽動させて部品を移動させる装置です。ボウルフィーダーと比較して、振動数が低く振幅が大きいという特徴があります。供給量はボウルフィーダーに劣ります。

参考動画:機械式揺動ホッパーフィーダー

複合回転円盤フィーダー

複数の回転部を組み合わせて作る装置です。パーツフィーダー中央部に傾斜のついた円盤があり、円盤の周囲に水平方向へ回転する走路が設置されています。

参考動画:複合回転円盤フィーダー

回転式フィーダー

内部に桟がついたドラムが回転することで部品をかき上げ、その部品を直進フィーダーなどに載せて供給する装置です。

参考動画:回転式フィーダー

循環式直進フィーダー

逆方向に進む直進フィーダーを組み合わせた装置です。フィーダーから隣のフィーダーへ部品を移すことで進んでいきます。

参考文献:パーツフィーダの選び方と種類

仕様決めのポイント

仕様決めに必要なポイントを3点紹介します。このポイントを踏まえて、事前検証をしながら仕様を決めましょう。

扱う部品の特徴

どのような部品を扱うのかにより、ボウルやフィーダーの形状を決定します。部品の形状・大きさ・重さ・材質などを考慮すると良いです。また、部品が傷つきやすいかどうかも確認する必要があります。特に、樹脂部品を扱う場合は注意が必要です。

射出成形機から出てきた温度の高い状態と、冷えた状態とでは傷つきやすさが変わります。事前検証において、成形直後のサンプルを使用することで、信頼性の高い検証になります。

供給速度

一般的にパーツフィーダーの供給先には、組立機・梱包機などの機械があります。そのため、供給先の機械で必要な処理能力によって、要求される供給速度が変わります。供給速度に応じて、選定するフィーダーの種類を決めましょう。

周囲環境

パーツフィーダは、周囲への騒音や振動の影響が発生します。周囲環境に適合するパーツフィーダーを選定する必要があります。また、周囲の機械からの振動が、パーツフィーダーへ影響を与える場合もあるので注意が必要です。

パーツフィーダーのメリットとデメリット

パーツフィーダーを使用することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

パーツフィーダーのメリット

人手不足解消

部品投入作業が自動化できるため、少人化を図ることができます。組み立てた状態での供給も可能なので、組立作業の自動化も達成することができます。

検査工程自動化

パーツフィーダー内で部品の選定が可能なので、異品種の混入などを防ぐことができます。また、カメラを設置して不良判定を行うことで、検査工程の自動化も行うことができます。

パーツフィーダーのデメリット

仕様変更への対応

パーツフィーダーは部品形状に合わせた設計をしているため、仕様変更などがあった場合、改造が必要になることがあります。現在、大量生産の時代から変種変量生産の時代へと移行しています。求められる製品が変化していく状況で、同じ種類の部品を扱い続けられるかどうかをよく検討する必要があります。

部品状態への依存

導入前に事前検証していたとしても、予想していた処理能力が出せない場合があります。その原因として、部品の状態が変わることでワークが詰まったり、停滞することが挙げられます。この場合、部品状態のばらつきの改善が求められます。

パーツフィーダーのおすすめメーカー3選

パーツフィーダーを製作しているおすすめメーカーを紹介します。

株式会社信和技研

金属から樹脂まで幅広い種類の部品を扱った実績があります。ホームページ上でも過去の実績が見れるので参考にしてください。

出典元:株式会社信和技研

NTN株式会社

創業1918年と歴史があり、多くの種類のパーツフィーダーを取り揃えています。

出典元:NTN株式会社

株式会社ダイシン

半導体部品の実績が多く、細かい部品の搬送を得意としています。

出典元:株式会社ダイシン

株式会社東光エンジニアリング

部品搬送の専門メーカーで、ワークへの傷をつけないパーツフィーダーが特徴です。

出典元:株式会社東光エンジニアリング

株式会社大善

現場の要望や特殊な仕様に対応できるメーカーです。安定的に生産できる技術力があります。

出典元:株式会社大善

まとめ

パーツフィーダーの選定は、使用環境や組み合わせる機械によって変わってきます。パーツフィーダーの仕様決めでお困りの際は、ロボカルにお問い合わせください。

関連リンク:自動化設備を導入するメリットやデメリット、導入までの流れ

この記事の監修者
ライター福島淳平
福島淳平
ライター

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